第3話 女の子、男の子、女の子の後輩たち
文字数 770文字
二人の女の子の綺麗にハモった声がユカリの足を止めた。ソプラノとメゾソプラノ。それは彼女の高校の合唱部の後輩のヒバリとミソラだった。
ユカリはヒロシにそう言って、小走りに後輩二人の元に行った。
ミソラはユカリの横をするするとすり抜け、ヒバリの手を取ってヒロシがいる方に進んで行った。
ミソラはヒロシの前まで進むと、ペコリと頭を下げて、
二人に追いついたユカリがヒロシに説明した。そして、ヒロシにヒバリとミソラを、後輩二人にヒロシを紹介した。
二人は簡単な自己紹介をした後、
別れ際に、二人はユカリのそばに近寄ってきて、ヒロシに聞かれないように小声でささやいた。
絶対に明日、部活のみんなに知られるな、とユカリは遠ざかる二人の女子高生の背中を見ながらぼんやりと思った。