第11話 女の子、女の子の母親
文字数 680文字
母親は、ドアの隙間から明かりが漏れているユカリの部屋をノックして小声で尋ねた。
返事は返ってこない。
母親はそっとドアを開けて、中を覗いた。
返事は返ってこない。
母親はそっとドアを開けて、中を覗いた。
部屋の電気はついたままだったが、ユカリはパジャマ姿でベッドに横になって眠っていた。捲れたパジャマからおへそと下着が顔を覗かせている。
母親は呟きながら、捲れたパジャマを直し、掛け布団をそっとかけた。
ユカリのか細い寝ぼけ声が聞こえた。どうやら、まだかろうじて意識はあるようだ。
その言葉への返答は無かった。どうやらユカリの意識は眠気に勝てず遂に力尽きたらしい。かすかな寝息が聞こえてきた。
母親は娘にそっと声をかけて、部屋の明かりを消し、音を立てないようにそっと階段を降りていった。今日もちゃんと娘におやすみを言えた、よかったよかったと彼女は思った。神は天にいまし すべて世は事もなし。
暗くなった部屋の中には、ユカリの微かな寝息の音と窓の外から聞こえてくる虫の声が心地よいハーモニーを奏でていた。
遠くから聞こえる電車の音に紛れて、どこかで猫の鳴き声が聞こえたような気もしたが、それは気のせいかもしれない。
暗くなった部屋の中には、ユカリの微かな寝息の音と窓の外から聞こえてくる虫の声が心地よいハーモニーを奏でていた。
遠くから聞こえる電車の音に紛れて、どこかで猫の鳴き声が聞こえたような気もしたが、それは気のせいかもしれない。