第7話 女の子、男の子
文字数 1,047文字
2学期の終業式の日の帰り道、あの時はインフルエンザが流行っていて、ユカリちゃんも含めてクラスの半分くらいが休んでいたでしょ。
いつも一緒に帰る友達もみんな休んでいて、その日の帰り道は一人だった。
途中に公園のところを通った時、ほら、夏休みにラジオ体操をやったあの神社。
いつも一緒に帰る友達もみんな休んでいて、その日の帰り道は一人だった。
途中に公園のところを通った時、ほら、夏休みにラジオ体操をやったあの神社。
声がした方を見ると、ひとりの男の人が神社の境内に立っていた。
黒い服に、黒いシルクハットに、黒いステッキ、まるでマジシャンのようだった。
黒い服に、黒いシルクハットに、黒いステッキ、まるでマジシャンのようだった。
見たことがない人だったが、とりあえず僕は頭を下げてこんにちはと挨拶をした。
意外な話をされて僕は戸惑った。お話を作っているのを知っているのは、学校に登校するときの班のメンバーのユカリちゃんとセイジとヤヨイちゃん、それから同じクラスの何人かしか知らないはずだから。
それはありがとうございます、と僕はお礼を言った。毎朝、聞いているなんて言われて、どう考えてもおかしいんだけれど、その時は何故だか気にならなくて、お話が面白いと言われたことが嬉しかったんだ。
おかしな話だと思ったが、頭に浮かんだことをお願いしてみた。
僕はさようならと言って神社を後にしたのさ。
ユカリは黙ってヒロシを見つめた。
ヒロシも黙ってユカリを見つめた。
ヒロシも黙ってユカリを見つめた。
その言い方が面白く、思わずユカリは吹き出した。そしてしばらくクツクツと笑っていた。
雨は止み、綺麗な月が顔を覗かせていた