2、時差ボケと山羊のいる空港

文字数 906文字

 日本からネパールのカトマンズまでは普通は香港やバンコクなどで乗り換えをしなければならないが、年末年始は特別に直行便があった。だからこそ8日間という日程で5日間山に入る『ヒマラヤ・エクスプレスツアー』が可能になった。名古屋空港でツアーの他の人と合流した。ツアーリーダー1人、私達4人、他に男の人2人で全部で7人のグループであった。ツアーリーダーの人は何度もネパールのトレッキングツアーに行っているというベテランであった。予定通りの時間にカトマンズに到着した。ネパールというとヒマラヤの寒い国というイメージがあったが、空港から外に出て思いがけず暖かいのに驚いた。12月の末、日本の方がよほど寒い。そして飛行機を降りてターミナルまでぞろぞろ歩いて行くというのにも驚いた。いつもそうなのか、たまたまこの時がそうだったのかはわからないが、こんなところ歩くなんて信じられないとみんな文句を言っていた。それに私は時差ボケで機嫌も悪かった。

 無事ネパールに入国し、すぐにホテルへ向かった。真夜中で時差もあるから眠くてたまらない。ホテルの部屋に入り、シャワーを浴びてすぐベッドに倒れるようにして寝た。

 翌朝、たくさん寝てかなり気分もよくなった。泊まったホテルは一流のホテルだったので、朝食もおいしかった。その日は小型飛行機でポカラまで行き、ネパール人のガイドと合流してさっそくトレッキングが始まる予定であった。小型飛行機は天候によっては飛ばないこともあると聞いていたが、無事に飛んでポカラに到着した。そして空港にはたくさんの山羊がいた。ポカラの空港は舗装されている部分が少なく、草が生えている場所の方が広いので山羊がたくさんいる。山羊たちは飛行機が来ると慌てて逃げるという感じであった。そして山羊のいる空港で未来の夫に初めて会った。

 ネパール人のガイドは2人で1人は20代、もう1人は40代ぐらいであった。20代のガイドが未来の夫になるわけだが、その時彼が知っている日本語は『ゆっくり、ゆっくり』だけであった。40代の人はもう少し日本語が話せそうであったが、それでも片言であった。簡単に挨拶をしてすぐにトレッキングが始まった。

 
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