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文字数 658文字

 鬼攻兵士達の中でも最強のチームと言われた「十三人衆」の「十四人目」こと「黒炎龍鬼」。「十三人衆」全員の能力を1つの身に宿す者。
 そして、1号鬼をも上回る性能を誇る十二人の量産型「鬼面ソルジャー」。
 十三……それは、奇しくも、1号鬼が最初に戦った「鬼」達の数と同じ。
 その十三()が、1号鬼を追っていた。
 通常の鬼攻兵士は、本来の仮想敵である「神」の持つ超常の力を……短時間ではあるが無効化する能力を持っている。
 ただし、それは人間の脳が持つ未知の機能を増幅したもの。
 ここに「護國攘神団」が生み出す人間を改造した兵()「鬼攻兵士」の根本的な欠点と矛盾が存在する。
 強力な戦闘能力や多彩な特殊能力を持つ鬼攻兵士ほど、その能力(ちから)を制御する為に脳に手を加えねばならないが……脳を改造すればするほど、「神」への対抗能力が失なわれる危険性も高まる。
 戦闘力(ちから)無き「兵()」も戦闘力(ちから)を極限まで高めた「兵()」も、仮想敵である「神」には無力。
 最適解は、その中間に有るのは確かだが……「護國攘神団」は、最適解(バランス)を取る方法を見出してはいなかった。
 十三人の追手は……哀しき失敗作。
 単純な戦闘力では最強ながら、本来の仮想敵には全くの無力。
 その無敵の刃の向く先は味方。
 裏切り者や組織内の反主流派の粛清しか使い道が無い「失敗作の鬼」。
 1号鬼に差し向けられたのは、どの「鬼」よりも強い……しかし、仲間の筈の「鬼」達から、蔑まれ恐れられ哀れまれる……「鬼もどき」。
 裏切り者の鬼と、それを追う鬼にして鬼ならざる鬼達は、バイクチェイスを続けていた。
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