(三)-6
文字数 290文字
「そんな理由で俺らが不愉快な気持ちにならなきゃいけないんですか。最悪ですね、まったく……」
「俺らだって好き好んで生活保護受けるわけじゃないのにな。積み立ててたはずの年金も結局全部帳消しでなくなったしな」
「ああ、データが消えたとかいうヤツですよね。本当に腹が立ちますよね、あれ。あのときの首相が全力を挙げてどうのこうの言ってたのに、結局全部なくなりましたよね。それがあればそっちをもらってますよ、俺だって」
そう言い終えると、謙吉はしゃっくりを一度した。
「酔ったのか」
「ええまあ、久しぶりに飲み過ぎたかも」
そう言い終える間にも数度しゃっくりをし、言い終えてからも一度した。
(続く)
「俺らだって好き好んで生活保護受けるわけじゃないのにな。積み立ててたはずの年金も結局全部帳消しでなくなったしな」
「ああ、データが消えたとかいうヤツですよね。本当に腹が立ちますよね、あれ。あのときの首相が全力を挙げてどうのこうの言ってたのに、結局全部なくなりましたよね。それがあればそっちをもらってますよ、俺だって」
そう言い終えると、謙吉はしゃっくりを一度した。
「酔ったのか」
「ええまあ、久しぶりに飲み過ぎたかも」
そう言い終える間にも数度しゃっくりをし、言い終えてからも一度した。
(続く)