(一)-3

文字数 242文字

 一九八〇年代の歌謡曲を歌い終えた歌手が液晶テレビの中で一礼したのを確認すると、渋沢は「よっこらしょ」という小さなかけ声とともに立ち上がった。
 そしてこたつの前に立つ謙吉に「それは冷蔵庫へ入れておこう」とビールの入ったビニール袋を受け取ると、キッチンシンクの隣の冷蔵庫へ

の脚でゆっくり歩いていった。
 「今日も寒いですねえ」とコートを脱いで足元に置くと、謙吉はゆっくり座ってこたつに脚を入れた。
 すると、がに股の渋沢が戻ってきて、部屋の奥の側まできて座り、こたつに入った。

(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み