第11話 撃破!激写!激突!
文字数 2,490文字
目前に迫る魔王の攻撃による勇者の全滅と、魔剣が敵の手に渡ることを天秤にかけてイリナは後者の方が危険だと判断した。俺は魔剣の凄さがイマイチ分からないが、イリナがそう判断したのだ魔剣はヤバいのだろう。
魔族の全てを無視してイリナは魔剣を盗んだ昴を追いかける!
「なにしてるか分かってんのあんた!」
「はっはっはっはっ!!この僕が分かってないわけがないだろう!!」
迫り来る魔族の攻撃を軽快にかわしながら昴は逃げ続ける!
「魔剣がずずずーっと欲しかったんだ!でも全盛期の君は隙が一切ないし、カイも見張ってたからね!勇者側を裏切ってまで盗むリスクには見合わなかったんだけど、君の新しいパートナーがへっぽこで助かったよ!」
あーもー!カイが生きてたらこんなことにならなかったのになぁ!もぉぉおおお!しかし、こうなっても私がやるべきことはひとつだけだ!!私は雷と一体化して勢い良く踏み込んだ!!
「でも魔剣なんて使えないじゃん!魔族じゃないんだから!」
「僕が使えなくたって欲しがっている人はいるだろ?その人にちょっとあげようと思ってね、お近づきの印に」
「魔族に寝返る気なの!?本気!?」
「本気も本気、大マジさ。前からずっとそうしようと思ってたんだ」
イリナの攻撃がことごとくかわされる。これは驚くべきことである。イリナの攻撃を反射神経で全てかわせるような人間はいないからだ。同じ階級の者ですらかわすのには困難を極めるほどに、イリナの攻撃スピードは群を抜いて速い。しかし昴はイリナが攻撃する前に事前に攻撃の軌道をよんでかわせている。
まさか昴の能力は未来予知なのか!?
「違うなぁ。僕が今しているのはそんなものじゃない。…………僕が何かをしているんじゃない、
「っ!?」
ガクンッ!!
次の攻撃のために強く踏み込んだ瞬間、イリナの膝から力が失われて崩れ落ちそうになった!再度力を入れ直すことで尻餅はつかなかったが、体に何らかの異常事態が発生しているのは明白だ!
「君の平衡感覚が僅かずつずれている。現実と認識の間に微々たる誤差が発生するだけで人は簡単に動けなくなる。ただちょっとだけ[誤差を生み出す魔力]を発動しただけっひゅーー!やっるぅ!」
しかしイリナは勘だけで昴の位置を探り当てると光剣で攻撃する!しかし昴は鞘に入った魔剣で攻撃をガードするとまた距離を取って逃げ始める!
「ズレた平衡感覚で動くことは出来ないはずなのに、なぜか修正できちゃうんだもんなぁ!やっぱり常人から離れすぎてるよ君は!狂ってる!」
逃げる昴を攻撃し続けるイリナ!しかしかわされればかわされるほどその焦りは強くなっていく!
魔王の攻撃が到達するまで残り3km!
一応ワープ能力で私の部隊以外の勇者は撤退させたけれど、早く魔剣を取り返して撤退しないと私達が巻き込まれてしまう!
一瞬で昴の背後に回ったイリナの一振りをかわし、すぐにイリナの右側に跳び着地と同時に身体を落としてイリナの反撃をかわす昴。そして右手を地面につけ押し出すことで勢い良く飛び出し両脚でイリナを蹴飛ばすと、着地と同時にまた右側に回り逃走をする。ズレた平衡感覚下で行われる上下に振られた奇抜な攻撃はイリナの感覚をさらにズラしていく。
「はっはっはっはっ!下らない魔力でも案外キツイだろう?君を殺すことはできないが、無力化することぐらいはできる!」
残り………2km!もう時間がない!
またイリナは昴の背後に回ると、今まで貯めていた魔力の全てを解き放った!特大の放電が昴に迫る!しかし昴は高く跳び上がりかわしてしまう!
「で、他の人達が攻撃してくると」
「!!」
イリナの私兵部隊が空中の昴めがけて魔力を放出した!!風と氷、爆発の魔力がぶつかり合うことで発生する巨大な爆発に昴が巻き込まれ、魔力を使わなかった残りの勇者が時間差で昴に斬りかかる!!
「ダメだよこんなんじゃ。バカじゃなきゃひっかからない」
しかし昴はどうやったのかわからないが爆発の中から無傷で出てくると、唐突に空中で軌道を変えることで勇者の一撃目をかわして腕の骨をへし折り、ニ撃目の勇者の剣を魔剣の淵で叩いて折り蹴飛ばすと、最後の攻撃はそもそも直撃すらせずかわすことなくぶん殴って地面に叩きつけた!!
「なんなんの………あんたの魔力!」
フラつきながらもなんとかして攻撃を続けるイリナ。しかし時間が経てば経つほどズレていく平衡感覚のせいでうまく力が入らないのだ、攻撃の威力が徐々に弱くなっていく。
「……もう言ってもいいか。勇者に敵対したらバラされちゃうだろうからね」
昴はイリナの攻撃を軽くあしらい距離をとった。
「僕はね、この階級制の世界が気に入らないんだ。階級制さえなければ僕は最強だったのに不条理のせいで輝けなくなった。本当つまらない、最悪だね」
ドッドッドッドッドッドッ!!!!
大地を揺るがしながら植物が押し寄せてくる。残り1km!津波のように押し寄せる植物の最前線は既にここにまで到達しており、太陽を遮り一切の光を遮断しイリナ達に暗い影を落とす!
「全ての魔力を使えるんだ。火も水も雷もワープもテレパシーも、この世の全てを操れる。僕こそが本当の王なのに階級のせいで誰も理解しない。つまらない、本当につまらない…………こんな世界なくなってしまえばいいんだ」
残り………500m。
「だから僕はこの世界を壊す。その為にはこの魔剣が必要なんだ。…………さらばだイリナちゃん」
パシャッ!!!
巨大な樹木という絶望に覆われた暗闇の中、一筋の閃光が走った。唐突に発生した光は昴の視界を2秒ほど奪った。
ッパァアアアンンンン!!!
そして俺は飛び出すと、その衝撃に耐えきれなかった俺の右脚と地面が破裂した!しかし右脚を代償にすることによって得た速度で俺は昴さんから魔剣をひったくると速度を殺すこともできず、迫り来る巨大樹木に突っ込んでいく!!
「頼んだあとはなんとかしてくれ!!」
カメラが地面に落ちて壊れるのと俺が樹木に巻き込まれるのは同時だった。
魔族の全てを無視してイリナは魔剣を盗んだ昴を追いかける!
「なにしてるか分かってんのあんた!」
「はっはっはっはっ!!この僕が分かってないわけがないだろう!!」
迫り来る魔族の攻撃を軽快にかわしながら昴は逃げ続ける!
「魔剣がずずずーっと欲しかったんだ!でも全盛期の君は隙が一切ないし、カイも見張ってたからね!勇者側を裏切ってまで盗むリスクには見合わなかったんだけど、君の新しいパートナーがへっぽこで助かったよ!」
あーもー!カイが生きてたらこんなことにならなかったのになぁ!もぉぉおおお!しかし、こうなっても私がやるべきことはひとつだけだ!!私は雷と一体化して勢い良く踏み込んだ!!
「でも魔剣なんて使えないじゃん!魔族じゃないんだから!」
「僕が使えなくたって欲しがっている人はいるだろ?その人にちょっとあげようと思ってね、お近づきの印に」
「魔族に寝返る気なの!?本気!?」
「本気も本気、大マジさ。前からずっとそうしようと思ってたんだ」
イリナの攻撃がことごとくかわされる。これは驚くべきことである。イリナの攻撃を反射神経で全てかわせるような人間はいないからだ。同じ階級の者ですらかわすのには困難を極めるほどに、イリナの攻撃スピードは群を抜いて速い。しかし昴はイリナが攻撃する前に事前に攻撃の軌道をよんでかわせている。
まさか昴の能力は未来予知なのか!?
「違うなぁ。僕が今しているのはそんなものじゃない。…………僕が何かをしているんじゃない、
君がどうにかなっているんだ
」「っ!?」
ガクンッ!!
次の攻撃のために強く踏み込んだ瞬間、イリナの膝から力が失われて崩れ落ちそうになった!再度力を入れ直すことで尻餅はつかなかったが、体に何らかの異常事態が発生しているのは明白だ!
「君の平衡感覚が僅かずつずれている。現実と認識の間に微々たる誤差が発生するだけで人は簡単に動けなくなる。ただちょっとだけ[誤差を生み出す魔力]を発動しただけっひゅーー!やっるぅ!」
しかしイリナは勘だけで昴の位置を探り当てると光剣で攻撃する!しかし昴は鞘に入った魔剣で攻撃をガードするとまた距離を取って逃げ始める!
「ズレた平衡感覚で動くことは出来ないはずなのに、なぜか修正できちゃうんだもんなぁ!やっぱり常人から離れすぎてるよ君は!狂ってる!」
逃げる昴を攻撃し続けるイリナ!しかしかわされればかわされるほどその焦りは強くなっていく!
魔王の攻撃が到達するまで残り3km!
一応ワープ能力で私の部隊以外の勇者は撤退させたけれど、早く魔剣を取り返して撤退しないと私達が巻き込まれてしまう!
一瞬で昴の背後に回ったイリナの一振りをかわし、すぐにイリナの右側に跳び着地と同時に身体を落としてイリナの反撃をかわす昴。そして右手を地面につけ押し出すことで勢い良く飛び出し両脚でイリナを蹴飛ばすと、着地と同時にまた右側に回り逃走をする。ズレた平衡感覚下で行われる上下に振られた奇抜な攻撃はイリナの感覚をさらにズラしていく。
「はっはっはっはっ!下らない魔力でも案外キツイだろう?君を殺すことはできないが、無力化することぐらいはできる!」
残り………2km!もう時間がない!
またイリナは昴の背後に回ると、今まで貯めていた魔力の全てを解き放った!特大の放電が昴に迫る!しかし昴は高く跳び上がりかわしてしまう!
「で、他の人達が攻撃してくると」
「!!」
イリナの私兵部隊が空中の昴めがけて魔力を放出した!!風と氷、爆発の魔力がぶつかり合うことで発生する巨大な爆発に昴が巻き込まれ、魔力を使わなかった残りの勇者が時間差で昴に斬りかかる!!
「ダメだよこんなんじゃ。バカじゃなきゃひっかからない」
しかし昴はどうやったのかわからないが爆発の中から無傷で出てくると、唐突に空中で軌道を変えることで勇者の一撃目をかわして腕の骨をへし折り、ニ撃目の勇者の剣を魔剣の淵で叩いて折り蹴飛ばすと、最後の攻撃はそもそも直撃すらせずかわすことなくぶん殴って地面に叩きつけた!!
「なんなんの………あんたの魔力!」
フラつきながらもなんとかして攻撃を続けるイリナ。しかし時間が経てば経つほどズレていく平衡感覚のせいでうまく力が入らないのだ、攻撃の威力が徐々に弱くなっていく。
「……もう言ってもいいか。勇者に敵対したらバラされちゃうだろうからね」
昴はイリナの攻撃を軽くあしらい距離をとった。
「僕はね、この階級制の世界が気に入らないんだ。階級制さえなければ僕は最強だったのに不条理のせいで輝けなくなった。本当つまらない、最悪だね」
ドッドッドッドッドッドッ!!!!
大地を揺るがしながら植物が押し寄せてくる。残り1km!津波のように押し寄せる植物の最前線は既にここにまで到達しており、太陽を遮り一切の光を遮断しイリナ達に暗い影を落とす!
「全ての魔力を使えるんだ。火も水も雷もワープもテレパシーも、この世の全てを操れる。僕こそが本当の王なのに階級のせいで誰も理解しない。つまらない、本当につまらない…………こんな世界なくなってしまえばいいんだ」
残り………500m。
「だから僕はこの世界を壊す。その為にはこの魔剣が必要なんだ。…………さらばだイリナちゃん」
パシャッ!!!
巨大な樹木という絶望に覆われた暗闇の中、一筋の閃光が走った。唐突に発生した光は昴の視界を2秒ほど奪った。
ッパァアアアンンンン!!!
そして俺は飛び出すと、その衝撃に耐えきれなかった俺の右脚と地面が破裂した!しかし右脚を代償にすることによって得た速度で俺は昴さんから魔剣をひったくると速度を殺すこともできず、迫り来る巨大樹木に突っ込んでいく!!
「頼んだあとはなんとかしてくれ!!」
カメラが地面に落ちて壊れるのと俺が樹木に巻き込まれるのは同時だった。