ヒストリックカーイベントに来たぞ!
文字数 1,510文字
修理ばっかりしてると、いろいろ大変なので、今日は杏奈と一緒にイベントに来たぞ。
いろんなヒストリックカーの集まるイベントだぜ!
うわあ、すげえなほとんどが俺の生まれる前の車だぜ。みんなキレイに乗ってるなあ。
よく見ろよ、左ハンドルとかもあるだろ。これはイタリアのフィアットの500。チンクエチェントっていうんだ、小さいだろ!
あれ? フィアット500って今いっぱい町走ってなかった?
あれは、新しく作った車に名前だけ受け継いだのさ。本当のフィアット500は、エンジンの大きさが500ccだったからこの名前なんだ。
なるほど、それでこんなに小さいのかあ。でも、ドアとかすごい薄いし、乗るのためらうわ。それに、この車もシートベルトないのね。
ああ、この時代の車って安全装備ほぼ皆無だからなあ。ところで、この車に見覚えないかな?
え? ん~、なんとなく今のフィアット500に似てるけど、大きさ全然違うし…
そうじゃねえよ! これさ、ルパン三世の愛車なんだぜ。カリオストロの城とかに出てくるのだ。
拍子抜けするなあ。でも、昔の車って結構アニメに出てくるんだよな。ほら、丁度あそこに銭形警部の乗っていたブルーバードもあるし。
誰それ? ブルーバードの名前は聞いたことあるけど、あんな車見たことないわ。凄くクラシカルね、屋根とか変な形だし。
杏奈、本気でアニメ見てないのな。ははは。ブルーバードは日産の大衆車で、あれは410型。こいつの次の510型は、サファリラリーで活躍したんだぜ。
ふーん、この時代でも日本の車はレースとか出てたんだ。
ああ、その後どんどん性能が上がって、WRCにはスバルや三菱、それにトヨタも参戦したんだ。トヨタは今でも頑張ってるぜ。
俺は更にガクッと肩を落とした。
WRCは、もちろん世界ラリー選手権のことだ。
杏奈がそう言って指さしたのは、ドイツのメッサーシュミットという小型車だった。
自動車では珍しいタンデム、つまり縦に二人乗りの風防式屋根を持った三輪車だ。
おお、これは本当に珍しいな! メッサーシュミット初めて見たぜ! まあバイクに車体つけたようなもんだからなあ。でも操作方法は完全に自動車のそれなんだぜ。
へえ、狭い所でも走れそう。あ、あっちにも同じような車あるけど、少し幅が広いね。
おお、あれも三輪車だけど、前がそっくり扉になってるんだ。がばっと開くとハンドルも一緒に扉についてくるらしい。
だって、BMWのエンブレムなんかつけてる。うぷぷ。
いや、安奈さん、これ正真正銘のBMWだから。BMWが作ったイセッタっていう三輪車だから。
うそ! まじ! BMWがこんなの作ってたとか、信じられない。
まあ、昔から高級車ばっか作ってたわけじゃないし。それに三輪車って、昔は普通にどこの国でも作ってたんだよな。日本でもいっぱいあったし。
知らなかった。もう三輪車なんて、何処も作ってないよね。
いや、そんなことないぞ。タイのトゥクトゥクって知らないか? あれ三輪車だぜ。
知らない。まったく知らない。タイってどこだっけ、ハワイの近くだっけ?
俺が、安奈の肩に手を置くと、かなり強烈な肘鉄が腹に食い込んだ。
あ、ごめん、なんか一発入れないと話が終わらないんじゃないかって気がして。
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