電装系はいろいろやばい

文字数 1,089文字

なんとかエンジン内部の掃除は完了。
摩耗も少ないし、これ走行距離も10万少し出ただけ、本当にびっくりする位にいい代物を見つけたね。エンジンの内部はまったく問題なしだよ
やりい、マジ宝物掘り当てた感じ、俺って
ははは、まだ喜ぶのは早いよ。とりあえず、クリーニングしてリビルドしたキャブレターがちゃんと使えるか確認しないとね
でも、この状態のエンジンてどうやって回すんすか?
工作台に置かれたエンジンを見て、俺は首を傾げた。
あっちのテスト用ベッドに移動させて、バッテリーを繋いで確認するんだ。まだオルタネーターやディストリビューターの確認が出来てないから、あそこの仮の機器で点火をコントロールするんだ。プラグは新品だから問題ないが、タイミングは一時的にこのパソコンで管理するわけだ
ああ、なるほど、これならエンジンが生きてるかどうかはすぐ確認できるんすね、ハイテク~
いや、この方式、たぶん君が赤ん坊のころからあるんだけどね…
そ、そうなんすか?
という訳で、また重いエンジンを移動させ、バッテリーコードの接続を始めたところに、杏奈がやって来た。
お、やってるやってる
おー。いまちょい手が離せないから、待ってろよ
パソコンを介しているが、プラグコードはバッテリーからの電流が流れてるから、注意が必要なので俺は振り返らずに答えた。
オーケー、今日の服ちょっと露出多いかなって思って、俺くんに見て判断してもらおうかなて思ったんだけど…
おや、確かにその胸元は…
え? なに、露出? 胸元?
反射的に視線を杏奈に向けたのがまずかった!
うわ~、ビビって来た~!
なぜか安奈が照れ臭そうにもじもじしながら言った。
やだ、そんなに大胆だったかな~
し、し、しびれる~!
うそ~、そこまで褒められると照れちゃうじゃん
ん?
ここで、おっちゃんがようやく気付いてくれた。
こりゃいかん! 俺くん、感電してる!
え?
そうなのだ、うっかりプラスとマイナスのコードを俺は同時に握って、感電してコードが離せなくなっていたのだ。
おりゃあ!
いきなり、杏奈のラリアットか俺の首に飛んできて、その衝撃でコードは手から吹っ飛んだ。ついでに、俺も壁ぎわまで吹っ飛んだ。
うぐぐ、痛いんですが…
そのまま感電して死にたかった?
い、いえ、助かったです、はい
杏奈は、両手をパンパンと叩いてから言った。
だったら、言うべきことあるでしょう
あ、安奈、今日肌出しすぎ、エロすぎる
そっちじゃない~! 何で今日に限って、そうなる! ここは感謝の言葉だろ~!
今度はローキックが、座り込んだままの俺の背中に食い込んだ。
ぐへ!
やはり、電気を扱う時は注意が必要です。

え? 違う?

なにがでしょう?

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登場人物紹介

杏奈 俺さんのGF以上恋人未満な人

俺 古い車大好き人間

車屋のケンさん ヨタハチを預かってくれる優しい修理屋のオーナー兼名チューナー

エンスーの山さん ヨタハチ乗りの先輩。少し夢見がち?

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