第3話

文字数 5,650文字

 4月23日火曜日
4回戦~ZOZOマリンスタジアム~埼玉西武3勝1分
埼玉西武 0 1 0 2 1 1 0 4 0 0 0 0 9
ロッテ  1 0 0 4 0 2 1 1 0 0 0 0 9
本 木村1号 山川8号 中村3号 鈴木2号

ライオンズ先発ニール投手は4回裏につかまり、結局このイニングを投げ切れず7安打5失点で降板。
一方打線は木村選手の第1号ホームラン、山川選手の第8号ホームランなど小刻みに得点し、離されず接戦へ持ち込もうと奮起。
すると5-8の8回表、この回先頭の中村選手が唐川投手から第3号ホームランを放つと、相手のエラーも絡み、森選手のタイムリーで逆転する4得点の攻撃で、ついに試合をひっくり返した。

がその裏、鈴木選手にライトテラス席へのホームランを小川投手が浴びてしまい、9-9と試合は振出しに戻った。

延長戦に突入し、マリーンズ投手陣の前に得点を奪えない中で、ライオンズのリリーフ陣も増田投手が2イニング、最後は佐野投手が抑え切り、9-9のまま、何とか引き分けに持ち込むことができた。
5時間21分という壮絶なゲームに勝利することはできなかったが、負けなかったことは大きいと切り替えて明日へ。




 4月24日水曜日
5回戦~ZOZOマリンスタジアム~埼玉西武4勝1分
埼玉西武 0 2 2 0 0 0 0 0 0 4
ロッテ  0 0 0 0 0 0 1 0 0 1
勝 本田2勝1敗  セーブ 増田3セーブ  敗 岩下1勝1敗
本 山川9号 10号2ラン

この試合、投打のヒーローがそれぞれ輝きを放った。

2回表、まず打のヒーロー山川選手が岩下投手から、レフトポールのはるか上まで弾き飛ばす、見たこともないような特大の驚弾を放った。
ロッテサイドからリクエストを受けたものの、判定は覆らず、先制の第9号ホームランとなった。
風の影響をとても受けやすいこの球場で、あんなに飛んだホームランというのは、少なくとも僕の記憶にはない、推定飛距離140メートル以上の特大の一発だった。
なおも木村選手にタイムリーが飛び出し、2点を先制したライオンズ。

続く3回表、走者を1人置いて再び山川選手。
低めのストレートをすくい上げた打球は、これまたグングン伸びていき、前の打席ほどは飛ばなかったものの、それでもレフトスタンド中段に飛び込む完璧な2打席連続第10号2ランホームランとなり、4-0とリードを広げた。
ちなみに、このホームランで両リーグ10号一番乗りとなった山川選手は、昨シーズンも両リーグ10号一番乗りしており、2年連続となった。
両リーグ10号一番乗りを2年以上続けて記録したのは、1965年~1967年3年連続の王貞治さん、1972年~1974年3年連続の田淵幸一さん、1991年~1993年3年連続のブライアントさん、1980年、1981年2年連続のソレイタさん、2011年、2012年2年連続のバレンティン選手に次いで、史上6人目の快挙。
日本人に限れば田淵さん以来、実に45年振りの記念すべき記録となった。

もう1人の投のヒーローは、先発の本田投手。
この日が26歳のバースデー登板となった本田投手は、森選手の強気のリードとの呼吸も良く、丁寧かつ大胆なピッチングでマリーンズ打線を手玉に取り、6回2/3イニングを6安打1失点と、見事なピッチングを披露。
今シーズン2勝目で、自らの誕生日を祝った。
ハッピーバースデー、お誕生日&勝利、本当におめでとうございます、本田投手。




 4月25日木曜日
6回戦~ZOZOマリンスタジアム~埼玉西武5勝1分
埼玉西武 0 0 1 0 0 3 3 0 1 1 9
ロッテ  0 0 2 0 1 1 2 1 1 0 8
勝 増田1勝3セーブ  セーブ 小川1セーブ  敗 唐川1敗
本 中村奨6号2ラン 荻野1号 森3号2ラン 井上1号 木村2号

3回表、源田選手のタイムリー2ベースで先制したライオンズは、6回表、森選手の3号2ランホームランで勝ち越す。
その後お互いに点を取り合った9回表、木村選手がマリーンズのクローザー益田投手から、第2号ホームランを放ち勝負あったかに見えたが、その裏マリーンズも増田投手からバルガス選手のタイムリー2ベースで8-8の同点に追い付き、試合は延長戦に。

10回表マリーンズ唐川投手から山川選手がヒットで出塁すると、二死後、代走で途中出場していた愛斗選手がレフト線へ2ベースヒットを弾き返し、9-8としてようやく勝負あり。
10回裏を三者凡退に締めた小川投手にセーブが付き、プロ10年目での初セーブを記録した。

この日はパ・リーグの試合3試合すべてが延長戦に突入する死闘が繰り広げられる中、決着を付けたのは愛斗選手のタイムリー2ベース、この2ベースヒットが記念すべき愛斗選手のプロ初ヒットとなった。
大阪府出身で花咲徳栄高からライオンズに入団した4年目の愛斗(武田愛斗)選手。
ここまで代走や守備固めといった出場が主であったが、限られたチャンス、それも試合を決定付ける場面での一打に、心から拍手を送りたい。




 4月27日土曜日
4回戦~京セラドーム大阪~埼玉西武3勝1敗
埼玉西武  2 0 3 0 0 2 3 1 0 11
オリックス 0 2 0 0 2 3 0 0 0 7
勝 平井1勝  敗 澤田1敗
本 外崎4号2ラン メネセス4号2ラン

1回表、2番源田選手から5番森選手までの4連打で幸先良く2点を先制すると、その後はライオンズ多和田投手、バファローズ山岡投手が共にピリッとせず、中盤まで点の取り合いとなった。

だが7-7で迎えた7回表、ライオンズのラッキーセブンの攻撃で、無死二・三塁から山川選手がレフト前へタイムリーを放つと、森選手・中村選手もタイムリーで続き、試合を決める3点を奪って勝負あった。

ここまでなかなか調子の上がらない秋山選手が3安打、ちなみに秋山選手の3安打猛打賞は、今シーズンこの試合が初めてだというのを知って、大変驚いたけれど。
山川選手は3安打3打点に、森選手は4安打3打点と、クリーンアップの3人が全員3安打以上の猛打賞の大活躍はすごかった。
後は、投手陣の柱として期待される多和田投手が勝ち続けられれば、もう少し地に足の着いた戦いができるのだが。





 4月28日日曜日
5回戦~京セラドーム大阪~埼玉西武4勝1敗
埼玉西武  0 0 0 0 0 0 0 4 0 4
オリックス 1 0 1 0 0 0 0 0 0 2
勝 今井3勝2敗  セーブ 増田1勝4セーブ  敗 近藤1勝2敗

先発した今井投手は、ヒット8本を打たれながらも最少失点でピンチを切り抜け、7回を投げて2失点と先発投手の役目を果たした。
一方バファローズ先発K-鈴木投手に7回まで無得点に抑えられたライオンズ打線、なかなか後1本が出ない。

そんな試合展開が、8回表継投策に入ったバファローズの投手リレーにより、一気に変化した。
この回から登板した近藤投手から、先頭の代打岡田選手から一死を取られるも4つの四球をもぎ取り、山川選手への押し出し四球で1点を返すと、3番手山﨑福投手からも森選手が押し出し四球を選び、2-2の同点に追い付いた。
二死後、なおも満塁でベテラン栗山選手が低めのストレートをライト前に運ぶタイムリーで3-2と試合をひっくり返し、結局4-2の逆転勝利を収め、チームの貯金を1とした。

ヒーローとなった栗山選手、ライオンズ一筋18年目のミスターライオンズの一打は、惚れ惚れするように弾き返された打球だった。
栗山選手のヒットは、右方向、センター方向、左方向問わず、本当に美しい弾道・打球で芸術のようにいつも弾き返されていく。
これからもライオンズを頼みます、みんな大好き栗山選手と、感動を覚え涙腺が緩んでしまった僕だった。



 4月29日月曜日
6回戦~京セラドーム大阪~埼玉西武4勝2敗
埼玉西武  2 0 0 0 1 0 0 0 0 3
オリックス 0 0 0 2 1 0 0 2 × 5
勝 澤田1勝1敗  セーブ 増井7セーブ  敗 小川1敗1セーブ
本 山川11号2ラン 吉田正6号2ラン

1回表、二死三塁のチャンスで山川選手が第11号2ランホームランを放ち、ライオンズは2点を先制。
ライオンズは今シーズン初先発となった十亀投手が、4回裏に中川選手、5回裏にも福田選手にタイムリーを打たれるなど3点を失ったが、7回を投げ切り3失点と試合を作り、3-3の同点のまま試合は終盤へと入っていった。
だが8回裏、この回から登板した小川投手が、吉田正選手に痛恨の2ランホームランを被弾し、3-5で敗れ、同一カード3連勝とはならなかった。

岡田選手とバッテリーを組んだ先発十亀投手は、4月23日のロッテ戦でリリーフとして今シーズン初登板しており、2試合目にして先発登板の機会を得た。
勝ち投手にはなれなかったものの、サイド気味の投げ方から力のある真っすぐと、緩いカーブを効果的に使うなど、試合をしっかりと作れたことは収穫だったと思う。
キャリアは十分な十亀投手だけに、手薄な先発ローテーションに定着し、存在感を見せる今後の活躍に期待だ。

なおこの試合で平成に行われる試合は、すべて終了。
3・4月を12勝12敗1分の勝率5割で戦い終えたライオンズ。
昨シーズンのような大型連勝発進の開幕ダッシュとはならなかったが、投手陣が苦しい中、ひとまず5割で乗り切れたことに、今シーズンの希望を見出したい。





 5月1日水曜日
4回戦~メットライフドーム~埼玉西武2勝2敗
日本ハム 2 0 3 0 2 0 0 0 0 7
埼玉西武 0 1 0 0 0 1 0 0 0 2
勝 ロドリゲス2勝1敗  敗 髙橋光2勝3敗
本 山川12号 秋山2号

前回登板での雪辱を期したい先発髙橋光成投手だったが、この日も立ち上がりから苦しいピッチングとなってしまった。
1回表に中田選手に先制タイムリーを打たれるなど2点を失うと、3回表にはヒットに四球も絡みさらに3点を失い、3回途中5失点で早々にノックアウトされてしまった。

令和最初の試合となったライオンズは2回裏、4月30日に散髪とヘアカラーを明るい茶系にイメージチェンジした4番山川選手が、ファイターズ先発堀投手から、今シーズン第12号となるホームランをレフトスタンドに放り込み、この一発が記念すべきパ・リーグの令和第1号ホームランとなった。
記念ボードを掲げる山川選手は、令和の新時代に、一体いくつもの伝説を作ってくれるのだろうか、どすこーい!!

6回裏には秋山選手にも第2号ホームランが飛び出したが、ファイターズ流オープナーによる小刻みな投手リレーの前に反撃もそこまで、令和黒星発進となってしまった。




 5月2日木曜日
5回戦~メットライフドーム~埼玉西武3勝2敗
日本ハム 0 0 0 1 0 0 0 0 2 3
埼玉西武 1 0 0 0 3 0 1 0 × 5
勝 榎田1勝  敗 金子1勝2敗
本 中田6号  秋山3号 4号  森4号2ラン 大田5号

ライオンズの先発には、左肩の張りで戦列を離れていた榎田投手が今シーズン初登板。
4回表に中田選手にホームランを打たれたものの、5回~8回まで4イニングで打者を1人も出塁させない完璧すぎるピッチングで、8回3安打1失点の投球内容で今シーズン初勝利。
お立ち台で令和初勝利ボードを掲げた榎田投手、苦しい台所事情の中、頼もしい左腕が帰ってきてくれた。

打線は何と言っても、秋山選手の活躍だ。
1回裏に先制のタイムリー2ベースを放つと、同点に追い付かれた5回裏には、今シーズン第3号の勝ち越しホームラン、右ヒジを上手くたたんで打った天才的な決勝アーチとなった。
さらに7回裏の第4打席、ここまで2ベース、シングルヒット、ホームランと来ており、3ベースが出ればサイクルヒット達成という、満員のファンの期待の中で、西村投手の内角高めカットボールをライトスタンドに放り込む、この日2本目のホームラン。
サイクル超えの一発となったこのホームランで、秋山選手はプロ通算100号ホームラン、史上289人目の記録達成という超満点回答で応えてくれた。
まさに秋山劇場、ライオンズは令和初勝利を記録した。





 5月3日金曜日
6回戦~メットライフドーム~埼玉西武3勝3敗
日本ハム 0 3 0 5 0 0 1 1 0 10
埼玉西武 0 0 0 0 1 0 0 0 2 3
勝 加藤1勝2敗  敗 相内1敗
本 中村4号 中田7号

2回表に清水選手の2点タイムリーで先制を許したライオンズ先発相内投手は、プロ初勝利を期してのマウンド。
だが3回までに6本のヒットを打たれると、4回表には近藤選手や田中賢選手にタイムリーを打たれるなど、4回途中被安打10与四球5で8失点と流れを止められず降板、またも白星ならず遠いプロ初勝利。

反撃したいライオンズ打線は、5回裏に中村選手が第4号ホームラン、
9回裏には山川選手のタイムリー2ベースと、途中出場の岡田選手のタイムリーで3点を返したが、やはり序盤の大量ビハインドが最後まで重くのしかかり、敗れた。

この試合ライオンズ投手陣の打たれたヒットは17本、与えた四球は9個と、辻監督も頭を抱えてしまうような惨敗を喫しては、なかなか苦しい。
結局この3連戦は、1勝2敗と負け越した。



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