第13話

文字数 9,643文字

 8月27日火曜日
22回戦~釧路~埼玉西武11勝11敗
埼玉西武 1 0 0 0 1 1 3 2 0 8
日本ハム 0 0 1 0 1 0 0 0 0 2
勝 ニール8勝1敗  敗 玉井2勝3敗

1回表に森選手のレフトへの犠牲フライで1点を先制したライオンズ。

ライオンズ先発ニール投手は、慣れない地方球場のマウンドに苦しみながらも、立ち上がりからファイターズ打線を打たせて取っていった。
3回裏に近藤選手のタイムリー2ベース、1点を勝ち越してもらった5回裏には大田選手にタイムリーを打たれたが、最少失点でピンチを切り抜け、勝ち越しを許さなかった。

2-2と同点のライオンズは6回表に、金子侑選手のショートへのダブルプレーの間に1点を奪い勝ち越すと、
7回表に先頭打者の源田選手がライトへのヒットで出塁し、続く3番森選手が自らの意志でピッチャー前へ、プロ入り初の送りバントを成功させ走者を得点圏に進め、中村選手が申告敬遠で歩いた一死一・二塁から、栗山選手が右中間へ2点タイムリー2ベースヒット、山川選手も代わった西村投手から、レフトへタイムリー2ベースを放ち、3点を奪い勝負を決めた。

8回表にも、金子侑選手がライトへのヒットで出塁後、盗塁とワイルドピッチでチャンスを広げ、秋山選手のセンターへのタイムリーと、森選手の左中間へのタイムリー2ベースヒットで2点を加えたライオンズは、8-2で勝利した。

道東シリーズ、珍しい平日のデーゲームで行われた一戦は、ニール投手が6回2失点と試合を作り、8勝目を記録した。

また2番手で登板した平良投手は、1イニングで15球投げたうち13球がストレートで、その13球のストレートすべてが150キロを超えるという衝撃のピッチングだった。
中でも、3人目の打者西川選手をショートゴロに打ち取ったストレートの球速は158キロを計測し、三者凡退にねじ伏せた。
ウエートトレーニングで鍛え上げられた、173センチ98キロの2年目右腕の平良投手。
将来の抑え候補にふさわしい晴れ舞台だった。







 8月28日水曜日
23回戦~釧路~埼玉西武12勝11敗
埼玉西武 2 1 0 3 0 3 0 1× 10
日本ハム 0 3 0 2 2 1 0 8
8回表無死無走者日没のためコールドゲーム
勝 野田2勝  セーブ 平良1敗1セーブ  敗 生田目1敗
本 中村24号2ラン 25号3ラン  西川5号 森18号

1回表、ファイターズ先発村田投手から、中村選手が左中間スタンドに第24号2ランホームランを放ち、2点を先制したライオンズは、2回表にも山川選手のライトへのタイムリー2ベースヒットでもう1点追加して、3-0とリードを広げた。

だがその裏、ライオンズ先発榎田投手は、平沼選手のショートゴロの間に1点を失うと、西川選手、大田選手に連続タイムリーを打たれ、あっという間に3-3と同点に追い付かれてしまった。

4回表、ファイターズ3番手西村投手から、走者を2人置いて中村選手がセンターバックスクリーンへ、この試合2本目となる第25号3ランホームランを放り込み、3点のリードを再び奪ったのもつかの間、
4回裏に、近藤選手にタイムリーを打たれ1点差に詰め寄られたところで榎田投手は交代となり、2番手に伊藤投手が登板した。
このピンチは中田選手をピッチャーライナーに打ち取り切り抜けた伊藤投手だったが、
続く5回裏、王選手のピッチャーへの同点タイムリーと、清水選手のショートへのダブルプレーの間に1点を勝ち越された。

それでも6回表、ライオンズはこのシーソーゲームをまたもひっくり返した。
二死一・二塁から、ファイターズ近藤選手の悪送球エラーにより8-7とすると、栗山選手がライトへタイムリー2ベースヒットを弾き返し、9-7とリードを広げた。

そして9-8で迎えた8回表、この回先頭の森選手が石川直投手から、センターバックスクリーンに第18号ホームランを放り込み、10-8となった直後、日没コールドゲームが宣告され、ライオンズは天候も味方につけて連勝した。

第1打席に2ランホームラン、第3打席にも3ランホームランを放ち、3安打5打点と4番の仕事を果たした中村選手は打点を99まで伸ばし、4年振りのシーズン100打点まであと1打点とした。

そして8回表に、森選手のキャリアハイとなる第18号ホームランが飛び出した直後、日没コールドゲームとなる、珍しい決着の試合となった。
照明がない釧路球場で行われたこの試合、最高気温20度に雨も降りしきる天候、試合途中には反射して見づらいため、記者室の電灯も消されて試合が進行していくなど、随所に珍しいことが巻き起こり、1999年札幌丸山球場での6月20日オリックス対近鉄戦以来、20年振りとなる日没コールドゲームとなった。

なおコールドゲームになったため、4番手で1回1/3イニングを無失点に抑えた平良投手にセーブが記録され、思わぬ形でプロ初セーブをマークした。








 8月29日木曜日
24回戦~帯広~埼玉西武13勝11敗
埼玉西武 0 0 2 1 1 0 0 0 1 5
日本ハム 0 0 0 1 0 0 1 0 0 2
勝 本田6勝5敗  セーブ 増田3勝1敗22セーブ  敗 杉浦2勝4敗
本 大田18号 森19号 山川38号

3回表ライオンズは二死満塁のチャンスを作り、ファイターズ先発杉浦投手から、中村選手が右中間へ運ぶ2点タイムリーヒットを放ち、2点を先制した。
4回表にも、センターへのヒットで出塁した外崎選手が二塁への盗塁を決め、山川選手がセンターへタイムリーを弾き返し、3点をリードした。

ライオンズ先発本田投手は、打順が2周り目に入った4回裏、大田選手にソロホームランを打たれ1点を返されたものの、崩れなかった。
森選手の第19号ホームランで4-1となった5回裏には、二死一・二塁のピンチを背負うも、西川選手をカーブで空振り三振に斬り、7回途中2失点の好投で立派にゲームメーク。

9回表には秋吉投手から、山川選手がレフトスタンドに第38号ホームランを叩き込み、ダメ押しに成功した。

本田投手から小川投手、平井投手、9回裏は増田投手が三者凡退に抑えて、5-2で快勝したライオンズは、今回の道東シリーズ3連戦を3連勝で締めくくり、首位ソフトバンクに2ゲーム差に迫った。

先制打にして決勝の2点タイムリーヒットを放った中村選手は、この2打点を加えて今シーズンの打点が101打点となり、2015年以来4年振りのシーズン100打点の大台に乗せた。
中村選手のシーズン100打点は、2008年、2009年、2011年、2015年に続き通算5度目。
シーズン100打点以上を5度は、歴代1位14度の王貞治さん、2位8度のアレックス・ラミレスさん、3位7度の野村克也さん、4位タイ6度の山本浩二さん、タフィー・ローズさんに次いで歴代6位タイ。
長嶋茂雄さんや松井秀喜さんらそうそうたる顔ぶれに肩を並べたと共に、ライオンズではアレックス・カブレラさんが2001年~2003年、2006年にマークした4度を上回り、球団最多記録となった。







 8月30日金曜日
21回戦~メットライフドーム~埼玉西武10勝11敗
ソフトバンク 0 1 1 0 0 0 0 0 0 2
埼玉西武   0 0 0 2 0 0 2 0 × 4
勝 平良1勝1敗1セーブ  セーブ 増田3勝1敗23セーブ  敗 千賀11勝7敗
本 中村晃2号 外崎21号2ラン 森20号2ラン

2ゲーム差で迎えた首位ソフトバンクとの3連戦、ライオンズにとっては最低でも勝ち越して終えたい。

1回裏ライオンズは、一死から源田選手がセンター前ヒットを放ち出塁すると、二死となってから中村選手の打席でスタートを切り、源田選手は二塁への盗塁を成功させた。
今シーズン29個目のこの盗塁で、源田選手は通算100盗塁を達成した。

ライオンズ先発今井投手は2回表、二死を取ってから中村晃選手にソロホームランを打たれ1点を失うと、3回表にも明石選手にタイムリーを打たれ、0-2と2点を追いかける形となった。

ホークス先発千賀投手に3回まで無得点に抑えられていたライオンズは4回裏、一死一塁から外崎選手がレフトスタンドへ第21号2ランホームランを運び、2-2と一振りで同点に追い付いた。

そのまま2-2で試合は終盤に入り、7回表二死二・三塁のピンチを迎えたところで、ライオンズは3番手に平良投手を投入。
平良投手は強気に内川選手の胸元に150キロ超えのストレートを投げ込むと、セカンドゴロに打ち取りピンチを脱出した。

すると7回裏、一死一塁から森選手が千賀投手を捉えた。
レフト方向に逆らわず運んだ打球は、そのままライオンズファンの思いを乗せてスタンドに飛び込んでいき、第20号2ランホームランとなり、4-2と試合をひっくり返したのだった。

ライオンズはこのまま8回表を平井投手、9回表を増田投手がきっちりと抑え、4-2で逃げ切り大事な3連戦の初戦に勝利し、貯金を今シーズン最多の10、ソフトバンクとのゲーム差は1に縮まった。

3番手で7回表のピンチを抑えた平良投手が、16試合目の登板でプロ初勝利を飾った。

また1回裏に今シーズン29個目の盗塁を決めた源田選手は、通算400試合目の出場で通算100盗塁を達成。

決勝弾となった今シーズン第20号2ランホームランを放った森選手は、自身初の20号に到達し、さらにライオンズの捕手では初となる、シーズン20本塁打を達成するダブル快挙。

さらにさらに、この試合に5番指名打者でスタメン出場した栗山選手が、2回裏の第1打席で、千賀投手からライト線へ2ベースヒットを打ち、これで栗山選手の通算安打数が1806安打となり、石毛宏典さんが持つライオンズの球団記録に並んだ等々、熱い戦いの勝利の1試合の中に、これだけの快挙を一気に達成した、ライオンズにとって最高の夜となった。








 8月31日土曜日
22回戦~メットライフドーム~埼玉西武11勝11敗
ソフトバンク 0 0 1 2 1 0 0 1 0 5
埼玉西武   5 1 1 0 0 0 1 2 × 10
勝 髙橋光10勝5敗  敗 和田4勝3敗
本 森21号2ラン 山川39号2ラン 40号  秋山19号 松田宣25号2ラン グラシアル23号

前日の勢いそのままに、ライオンズ打線は立ち上がりから火を噴き続けた。
1回裏ホークス先発和田投手から、走者を1人置いて、森選手が左中間スタンドに4試合連続となる第21号2ランホームランを放ち2点を先制すると、中村選手がレフトへの2ベースヒットで出塁し、外崎選手がセンターへのタイムリーで返し1点、続く山川選手はセンターバックスクリーンへ第39号2ランホームランを放り込み、何といきなり2本のアーチとタイムリーで5得点。
これだけでは全然終わらない。
2回裏には、秋山選手がレフトスタンドに第19号ホームランを運び、
3回裏にも木村選手のセンターへの犠牲フライで追加点をあげ、序盤3回で7得点と圧倒した。

ライオンズ先発髙橋光成投手は、4回表松田宣選手に2ランホームラン、5回表にはグラシアル選手にタイムリーを打たれ4点を失ったが、大事な試合でとりあえず勝利投手の権利を持ったまま交代となった。

突き放したいライオンズは7回裏、この回から登板した髙橋純投手から、山川選手がレフトスタンドへこの試合2本目となる第40号ホームランを放ちリードを広げると、
グラシアル選手のホームランで再び3点差に迫られた8回裏、二死一・三塁のチャンスに、外崎選手がセンターへ2点タイムリー2ベースヒットを打ち、10-5とソフトバンクを突き放し、勝負を決めた。
10-5で打ち勝ったライオンズは天王山に連勝し、ついに首位ソフトバンクとのゲーム差を0として、がっちりと獅子の爪が鷹を掴んだ。

そんな中、3回裏一死で松田遼投手から、栗山選手がライト前ヒットを打ち、通算安打数を1807安打として、前日の試合で並んだ石毛宏典さんの球団最多安打記録を更新した。
6回裏の打席でもライト前ヒットを放った栗山選手は、もう1本ヒットを追加して通算1808安打。
長い常勝軍団ライオンズの記録を塗り替えた歴史に残る一戦となった。
今後栗山選手がヒットを打つ度、つまりそれは栗山選手自身がライオンズ球団の安打記録を創り上げていくということを意味するのだ。

また山川選手が、第39号2ランホームランと第40号ホームランの1試合2本塁打し、2年連続で両リーグ最速の40号本塁打到達となったことも、素晴らしい記録だ。

これでライオンズは8月の試合をすべて戦い終えた。
8月は17勝10敗と、中旬頃から猛烈な追い上げを見せてきた。
さああと1ヶ月、最後の最後まで声援を送り、決着を見届けよう。







 9月1日日曜日
23回戦~メットライフドーム~埼玉西武11勝12敗
ソフトバンク 0 0 1 0 1 1 0 0 1 4
埼玉西武   0 0 0 0 0 0 0 1 0 1
勝 武田5勝3敗1セーブ  セーブ 森2勝3敗27セーブ  敗 十亀4勝6敗
本 柳田7号 松田宣26号

ライオンズはこの試合に勝利すれば、勝率で上回るソフトバンクを抜き、今シーズン初めての首位に立つことができる。

ライオンズ先発十亀投手、ホークス先発武田投手の両先発投手で始まった試合は、2回までお互いに無得点の立ち上がりとなった。
試合が動いたのは3回表、十亀投手は一死を取ったところで、柳田選手にバックスクリーンへのホームランを打たれ、先制を許した。
5回表には、一死満塁からグラシアル選手に犠牲フライを打たれ1点を追加されると、続く6回表には松田宣選手にホームランを打たれ、3点を失った十亀投手はこの回途中でマウンドを降りた。

武田投手に6回まで無得点に抑えられ、7回裏は甲斐野投手にも抑えられていたライオンズ打線だが、8回裏、この回から登板したモイネロ投手に対し、先頭打者の秋山選手、源田選手が連続ヒットでつなぎ、無死一・二塁とチャンスを作った。
ここで森選手が、アウトローのスライダーをライト線へ弾き返し、タイムリー2ベースとしてようやく1点を返した。
4番中村選手、5番栗山選手が凡退して二死二・三塁となったが、ここで外崎選手はアウトコースのストレートを上手く捉え、痛烈に弾き返した。
ライオンズファンの誰もが同点を確信した外崎選手の打球は、しかし無情にもセカンド牧原選手のダイビングキャッチに阻まれてしまい、惜しくも追加点を奪えなかった。

結局9回表にも1点を追加されたライオンズは1-4で敗れ、勝負の天王山の3連戦3連勝とはならなかったが、チームのムードや雰囲気、一体感はものすごく感じられ、それほど尾を引くようなこの試合での敗戦ではないなと、ライオンズの選手たちの表情から感じ取ることができた。
それにしても、外崎選手は惜しかったなあ・・・・。







 9月3日火曜日
22回戦~ほっともっと神戸~埼玉西武14勝8敗
埼玉西武  2 0 0 0 0 0 0 0 3 5
オリックス 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
勝 ニール9勝1敗  セーブ 増田3勝1敗24セーブ  敗 荒西1勝3敗
本 中村26号2ラン

首位ソフトバンクと1ゲーム差、負けか引き分けでソフトバンクに優勝マジックが点灯するという、負けられない戦いがここから続いていくライオンズ。

1回表、ライオンズは二死を取られてから3番森選手がライトへのヒットを打ち出塁すると、4番中村選手がバックスクリーンへ、バファローズ先発荒西投手から第26号2ランホームランを放り込み、2点を先制した。

再昇格後負け知らずのライオンズ先発ニール投手は、この日も立ち上がりから自分のピッチングを貫き、4回裏に一死から2者連続ヒットを打たれた以外は、ピンチらしいピンチもないままゲームメーキングに徹し、スコアボードに0を並べていった。

一方バファローズ荒西投手も2回以降立ち直ったのか、2-0のまま試合は進んでいき、接戦の様相を呈してきた。

7回裏ニール投手は、先頭打者のモヤ選手にヒットを打たれ、中川選手をセカンドゴロに打ち取ったところで交代となったが、2番手小川投手、3番手平良投手が走者を返さず、このイニングも無失点で切り抜けるナイスピッチング。

すると9回表、この回から登板した3番手齋藤投手から、一死一塁の場面で森選手がライトへタイムリー2ベースを放ち、欲しかった追加点をあげると、4番手小林投手に投手交代した二死二塁から、栗山選手がセンターオーバーのタイムリー2ベースヒットを打ち4-0、この後相手のミスもありもう1点追加したライオンズは、
9回裏に野田投手がピンチを招いて降板するも、増田投手が打者2人を完ぺきに抑え、5-1で勝利したのだった。

先制の第26号2ランホームランを放った中村選手、その中村選手と同級生の栗山選手はこの日がお誕生日。
3打席凡退で迎えた9回表の第4打席で、チームの勝利を決定付けるセンターオーバーのタイムリー2ベースを放ち、存在感を示すと共に、自らのバットでバースデーを祝った。
頼もしいベテランコンビがいる限り、ソフトバンクにマジックは点灯させない。

またこの試合で秋山選手が1得点し、今シーズン100得点に到達、3年連続100得点となり、イチローさんに次いで3人目の記録を達成した。







 9月4日水曜日
23回戦~ほっともっと神戸~埼玉西武15勝8敗
埼玉西武  0 1 0 0 2 0 3 4 0 10
オリックス 0 2 0 0 0 0 0 0 0 2
勝 榎田4勝2敗  敗 張奕2勝2敗
本 外崎22号 23号3ラン  中村27号満塁

外崎選手の第22号ホームランで1点を先制してもらったライオンズ先発榎田投手は直後の2回裏、二死二・三塁のピンチを背負うと、山足選手にレフトへ2点タイムリーを打たれてしまい、逆転を許した。
しかしその後は、3回裏、4回裏とバファローズ打線を打ち取っていき、最少得点差で踏ん張った。

すると5回表、ライオンズはバファローズ先発張奕投手から、無死一・三塁のチャンスを作り、源田選手のピッチャーゴロの間にまず1点、森選手がレフトへのヒットでつなぎ一死一・三塁として、中村選手がセンターへ犠牲フライを打ち上げもう1点奪い、3-2と逆転して張奕投手をノックアウトした。

打線の奮起に榎田投手も応え、5回裏、6回裏を無失点に抑え、6回2失点と先発投手の仕事を果たし、マウンドを降りた。

7回表のラッキーセブンの攻撃、二死一・二塁のチャンスに、外崎選手が代わったばかりの近藤投手を捉え、レフトスタンドへこの試合2本目となる第23号3ランホームランを運び、3点を追加したライオンズ。
そしてとどめは8回表、バファローズ6番手小林投手から一死満塁で、中村選手がファウルで粘った8球目の低めのストレートを捉え、打球はバックスクリーンの右中間部へ飛び込んでいき、第27号満塁ホームランとなり、完全に試合を決めた。

榎田投手の後を、平良投手、佐野投手、野田投手が無失点で抑え、10-2で投打の歯車が噛み合い、ライオンズは連勝した。

5回表、ピッチャーゴロで一塁に残った源田選手が、直後の森選手の打席で二塁への盗塁を決め、今シーズン30盗塁となり、ルーキーイヤーのプロ1年目から3年連続での30盗塁到達となった。

外崎選手の2本のホームランが流れを呼び、さらに試合を決定付けた9回表の中村選手の満塁ホームラン。
これで今シーズンの中村選手の満塁ホームランは3本目となり、通算19本目(歴代1位を更新)となった。
シーズンに満塁本塁打を3本以上打ったのは、2010年3本、2015年4本に続いて、中村選手自身3度目。
過去にシーズン3本以上の満塁本塁打を打ったのは、1966年、1971年各3本の江藤慎一さん、2000年、2001年各3本の中村紀洋さんがいるが、3度マークしたのは中村選手がプロ野球史上初となった。
またこの満塁本塁打で、中村選手は通算3000塁打を達成、史上59人目と、満塁での打率5割超えの、まさに満塁男中村選手だ。

そしてこの試合の7回裏、無死一塁で杉本選手が放ったレフトへのホームラン性の打球を、金子侑選手がフェンス際でジャンプ一番キャッチするという、スーパープレーをやってのけた。
味方が3点を追加した直後だけに、もし杉本選手のその打球がホームランになっていれば、試合の流れはまだわからなくなっていたかもしれない。
それだけに、金子侑選手の超ファインプレーは、ライオンズ打線のホームラン攻勢にこれっぽちも見劣りしない、大きな大きな守備だった。








 9月5日木曜日
24回戦~ほっともっと神戸~埼玉西武16勝8敗
埼玉西武  0 1 0 5 0 0 0 0 1 7
オリックス 0 1 0 0 0 1 0 1 0 3
勝 松本航6勝3敗  敗 岩本2敗
本 外崎24号 宗2号 吉田正24号

2回表、外崎選手の2試合連続先制ホームランとなる第24号ホームランで、1点を先制したライオンズ。

ライオンズ先発は、地元出身で母校の明石商の野球部員にスタンドから見守られる中、松本航投手がマウンドに上がった。
2回裏に宗選手にホームランを打たれ同点とされるも、3回以降立ち直り力投を見せていった。

4回表、ライオンズはこの回から登板したバファローズ2番手岩本投手から、源田選手、森選手が連続で押し出し四球をもぎ取り2点を勝ち越しマウンドから降ろすと、代わった吉田一投手から、中村選手が右中間突破の満塁走者一掃のタイムリー2ベースヒットを弾き返し、6-1と大きくリードを奪った。

松本航投手は6回裏、小島選手にタイムリー2ベースを打たれ、なお一死二塁とピンチが続いたが、宗選手、杉本選手を共にストレートで2者連続見逃し三振に斬り、最少失点で投げ切って、6回119球9奪三振2失点のナイスピッチングだった。

8回裏に1点を返されるも、9回表に山川選手のライトへのタイムリーで突き放したライオンズは、7-3で勝利し、この3連戦3連勝を記録し、ソフトバンク3連戦の3戦目の敗戦を引きずることなく、ゲーム差1をキープしたまま、決して離されない。

後輩たちが見守る中で、6回2失点自己最多の9奪三振の力投を見せた先発松本航投手が、6勝目をあげた。
この試合から、走者のいない場面でのフォームを変更したことも上手くマッチしたのか、非常に力のあるボールを投げ込むピッチング内容だった。

また4番手で登板した平井投手は、この試合で今シーズン70試合目の登板となった。
吉田正選手にソロホームランこそ打たれたが、ここまでの戦いにおいて、平井投手の積み上げてきた実績・功績は計り知れない。
ライオンズの球団記録、パ・リーグ記録の登板数を乗り越えた先に、リーグ優勝という頂があるのだと、これからも平井投手の健康と活躍を祈るばかりだ。
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