Mothers' Talking 2

文字数 858文字

とあるSNSで
サラ、最近暗いけど何かあったの?
いえ、実はね、ここ最近、学内でほかの学生に擦れ違いざまとか背後から『無力なやつ』とか、『ロースペック女』って言われるの
え、それは特定の人から?
ううん、複数の人から。私は彼らに何もしてないのに…
え~、それはヒドい
そう、本当にショックよ。なぜこうなったのか私にも分からない。それとね、アイコナ(写真や動画をアップするSNSの一種「ICONAGRAM(アイコナグラム)」の略称)にLBとの打ち上げのときの写真をアップしたんだけど、『弱虫のくせに』とか『でかいツラしやがって』とか『下がってろ無能女』とか、暴言コメントもたくさん来るのよ;-(」
(作者注:「;-(」は英語圏での顔文字で、「泣いている」を意味します」)
(サラ、潤んだ目をこすりました)
自分の『家族』と楽しみを分かち合うのがなぜいけないの…
;-(
う~ん。。多分、暴言吐く人たちは嫉妬してるだけよ
嫉妬?
そう。メンバーの身内とはいえ、素人のサラがLBと交流してる姿がうらやましいんじゃない?
そうなのね

だから、彼らのことは気にしなくていいよ。

そもそも私、サラのこと全然無能だと思わない。もし本当に無能だったら、ステファンはあれほど立派に育ってないはず。

え、本当に?

うん、本当よ。それとヒューゴも言ってた、サラは誰よりもLBを応援してる人だって。

ばかにしてる人たちも、いつか気付くでしょう。自分たちがサラにしたことが間違ってたことをね:-)

(作者注:「:-)」は英語圏での顔文字で、「笑顔」を意味します」)
何よりもサラはカナダロック史に残る名ギタリストを生んで育てた偉大な母だと、LBのメンバーやスタッフはみんな認めてる。それは誇らしいことだよ
(サラ、自分の胸に手を当てて、安心したように一息つきました)
それを聞いて、気が楽になったわ。ありがとうピッパ:-)
いえいえ。またこんな感じでマザーズトークしましょ
ええ。今日は本当にありがとう:-D

Bye

(作者注:「:-D」は英語圏での顔文字で、「もっと笑顔」を意味します」)

Bye
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登場人物紹介

フィル・イェーツ(40)

「LOVE BRAVE」のヴォーカルで、リーダー。

20代のときは、バンドで一番のモテ外見だったらしい。

割と人懐っこい性格だが、「LOVE BRAVE」のフロントマン役。

ヒューゴ・マーロウ(40)

「LOVE BRAVE」のギタリスト。ツンツン系のキャラで、メディア出演時は一番化粧が濃い。

しかしプライベートでは恐妻家なのだとか。

ジミー・オドネル(41)

「LOVE BRAVE」のベーシストで、最年長。見た目によらず、常識人ポジション。

また、カメラとバイクを愛するアウトドア系でもある。

スティーブン・シュルツ(18)

「LOVE BRAVE」のギタリストで、一番年若い甘えん坊。バンドのリーダーであるフィルを慕っている。

実はメジャーデビュー直前に亡くなったメンバーの一人息子。

サラ・スタインベック・シュルツ(40)

スティーブンの母で、亡きティムの妻。貧しい中でも、ほぼ女手一つでスティーブンを育て上げた。また、ヴァイオリンが得意で、ロックも愛好している。

ピッパ・ニューマン(35)

ヒューゴ・マーロウとは事実婚で、彼との間に15歳のフィオナとファビアン(通称ファビ)という双子が居る。マーロウ家では一番発言力を持っているが、家族LOVE。

君影 舞美(?)

この物語の作者で、悪ノリしやすい人。

変なことを言ってLOVE BRAVEをよくイジる。

ケンゾウ・ホシノ(55)

LOVE BRAVEとは非常に付き合いが長いフォトグラファーで、日本出身。とにかく影が薄く、存在を気付かれにくい。

それでもカメラの腕は抜群で、LOVE BRAVEに信頼されている。

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