大規模ライブとは

文字数 732文字

ところでだ。日本のあるボーイズグループも、Gバンドが「20万人ライブ」をやったのと全く同じ会場で「22万人ライブ」ってのをやったらしいけどよ、実際には20万人も入らなかったばかりか、会場の5カ所くらいで爆発が起こったそうだ
ああ、その話、俺まだ小学生のときだったけど、ちょっと覚えてます。ニュースでやってた
うん。あれは本当に衝撃的だった。まさか日本で…
もっと悪いことには、それらの爆発で15、6人死んだんだよね…
えっ、怖っ……
大規模ライブってのは、出演者も観客もノリノリで楽しんで、ある意味で平和の象徴イベントだろう?にもかかわらず、あれほどの惨劇が起こって、大勢の人のトラウマをつくっちまった。Gバンドとか俺たちのライブと、彼らのライブと、何が違ったんだろうな……
しかもあれは、僕たちがトロントで、野外ライブを開く本当に直前の出来事だったよね
自分たちメンバーとスタッフで緊急ミーティングやってさ、もんのすごくもめて、3日ぐらいかかったよね。最終決断出すまでに
ああ、そうだった。最終的に俺らはトロント、ウォータールー、エドモントンの3カ所でライブを決行した。

 特にエドモントンの野外ライブにはアメリカとメキシコ、ジャマイカからもバンドを招いて、対バンみたいなことやったり、ジャムセッションしたりしたよな。3カ所とも、何の障害もなく大成功した。俺たち、本当に幸せ者だぜ

へえ~。ということは、「Y.M.&OD.(イェーツ・マーロウ&オドネル)」は大規模な野外ライブを通して、暴力に負けない音楽の力をカナダ中に知らしめたってわけですね
全くそのとおりだよ、スティーブン
平和で楽しい野外ライブを、いろんなバンドが開くといいよな
Gバンドの「20万人ライブ」は抜いてほしくないがな
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登場人物紹介

フィル・イェーツ(40)

「LOVE BRAVE」のヴォーカルで、リーダー。

20代のときは、バンドで一番のモテ外見だったらしい。

割と人懐っこい性格だが、「LOVE BRAVE」のフロントマン役。

ヒューゴ・マーロウ(40)

「LOVE BRAVE」のギタリスト。ツンツン系のキャラで、メディア出演時は一番化粧が濃い。

しかしプライベートでは恐妻家なのだとか。

ジミー・オドネル(41)

「LOVE BRAVE」のベーシストで、最年長。見た目によらず、常識人ポジション。

また、カメラとバイクを愛するアウトドア系でもある。

スティーブン・シュルツ(18)

「LOVE BRAVE」のギタリストで、一番年若い甘えん坊。バンドのリーダーであるフィルを慕っている。

実はメジャーデビュー直前に亡くなったメンバーの一人息子。

サラ・スタインベック・シュルツ(40)

スティーブンの母で、亡きティムの妻。貧しい中でも、ほぼ女手一つでスティーブンを育て上げた。また、ヴァイオリンが得意で、ロックも愛好している。

ピッパ・ニューマン(35)

ヒューゴ・マーロウとは事実婚で、彼との間に15歳のフィオナとファビアン(通称ファビ)という双子が居る。マーロウ家では一番発言力を持っているが、家族LOVE。

君影 舞美(?)

この物語の作者で、悪ノリしやすい人。

変なことを言ってLOVE BRAVEをよくイジる。

ケンゾウ・ホシノ(55)

LOVE BRAVEとは非常に付き合いが長いフォトグラファーで、日本出身。とにかく影が薄く、存在を気付かれにくい。

それでもカメラの腕は抜群で、LOVE BRAVEに信頼されている。

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