7月31日って何の日?

文字数 860文字

― カナダ トロント某所で
突然だけど、7月31日って、何の日か知ってる?
日本のGバンドが「20万人ライブ」ってのを開催した日だろ?
そう、それだよ
20万人!?そんな人数が集まったんですか!?
そうだ。観客動員数が1日、それも1公演で20万人っつうんだから半端じゃない
それに、単独アーティストの有料ライブによる動員数じゃ今も世界一なんだって
最寄駅の駅員数を通常の15倍の人数の150人にしたり、スタッフは7,500人、警備員は3,000人、ツアーバスは500台動いたそうだ
何て言うか、桁違いですよね
さらには、開演時間になってもまだ4万人が入りきれてなくて、急きょ金網を切ってゲートをフリーにして、やっと全員入れたそうだよ
何だか、アメリカの「あの伝説的ロックフェス」の状況に似てるような、似てないような…
20万人ライブはそれはそれは大盛況で、際立った混乱も暴動もなく、平和で楽しい雰囲気のうちに終了したと聞いた
いやあ、いいなあ…。僕らもそんなライブをやってみたい
いや、僕たちも「イェーツ・マーロウ&オドネル」時代に、似たようなライブをやったことあるんだよ
えっ、本当ですか!?
ああ、本当だよ。カナダ最大級の某コンベンション施設の駐車場の特設ステージで…ね
フィルとヒューゴ、うれしそうに二度ほどうなずきました。
観客動員数は…
18万人!!
じゅ、18万人も!?
そう。それも1日で、1公演でな。
すごいですね、それ…
あれも楽しくて平和なイベントだったよなぁ
ガチですごかったよ、あの時代
スティーブン、君のお母上もそのライブを見に行ったんだよ。自力でチケット取ってね
へえ~。…あ、そういえば、うちの母からそのライブの話、聞いたことあるかも
また今度聞いてみてごらん。彼女は熱く語ってくれるだろう
ちなみに、そのライブを行った日にちも7月31日なんだよ。すごい偶然でしょ?
いやいや、本当にすごいです、「イェーツ・マーロウ&オドネル」
過去の栄光トーク、楽しんだ?
…うん(「おまえだってしてただろーが!」ってツッコみてぇ…)
フィルとスティーブン、苦笑い。
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登場人物紹介

フィル・イェーツ(40)

「LOVE BRAVE」のヴォーカルで、リーダー。

20代のときは、バンドで一番のモテ外見だったらしい。

割と人懐っこい性格だが、「LOVE BRAVE」のフロントマン役。

ヒューゴ・マーロウ(40)

「LOVE BRAVE」のギタリスト。ツンツン系のキャラで、メディア出演時は一番化粧が濃い。

しかしプライベートでは恐妻家なのだとか。

ジミー・オドネル(41)

「LOVE BRAVE」のベーシストで、最年長。見た目によらず、常識人ポジション。

また、カメラとバイクを愛するアウトドア系でもある。

スティーブン・シュルツ(18)

「LOVE BRAVE」のギタリストで、一番年若い甘えん坊。バンドのリーダーであるフィルを慕っている。

実はメジャーデビュー直前に亡くなったメンバーの一人息子。

サラ・スタインベック・シュルツ(40)

スティーブンの母で、亡きティムの妻。貧しい中でも、ほぼ女手一つでスティーブンを育て上げた。また、ヴァイオリンが得意で、ロックも愛好している。

ピッパ・ニューマン(35)

ヒューゴ・マーロウとは事実婚で、彼との間に15歳のフィオナとファビアン(通称ファビ)という双子が居る。マーロウ家では一番発言力を持っているが、家族LOVE。

君影 舞美(?)

この物語の作者で、悪ノリしやすい人。

変なことを言ってLOVE BRAVEをよくイジる。

ケンゾウ・ホシノ(55)

LOVE BRAVEとは非常に付き合いが長いフォトグラファーで、日本出身。とにかく影が薄く、存在を気付かれにくい。

それでもカメラの腕は抜群で、LOVE BRAVEに信頼されている。

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