うぶめ
文字数 895文字
わたしの可愛いかわいい坊や
おともだちにのけ者にされて
公園のぶらんこ独りこいでた
ギコ ギコ ギイ ギイ
ぶらんこ ギイ ギイ
ひ弱でおどおどしたところ
気味がわるいほどあなたそっくり
わたしは は、と息をのむ
おんなの器官が きゅ、とうずく
ギコ ギコ ギイ ギイ
ぶらんこ ギイ ギイ
わたしは堪らず ひし、と坊やを抱きしめる
坊やは きょとん、とわたしを見つめて
こんやはカレーを作ってあげる
だからおうちに帰りましょう
わたしの可愛いかわいい坊や
くるまのおもちゃで遊ばせて
じどう車 ブウブウ じどう車ブウ
じどう車 ブウブウ じどう車ブウ
しぐさや表情どれもこれもが生き写し
くるまに目がないところもいっしょ
わたしは は、と息をのむ
おんなの器官が きゅ、とうずく
わたしは堪らず ひし、と坊やを抱きしめる
坊やは きょとん、とわたしを見つめて
それまで大人しかった坊やなのに
カレーをひとくち食べて泣き出した
ママ ママ ママ ママ
ママはどこ
早くおうちにかえりたい
坊やおばかね何言うの
わたしがママよここが本当のおうちなの
ママ ママ ママ ママ
ママはどこ
ええいうるさい黙れくそがき
黙らないならいわしたろ
そのときわたしは確かに見ました
なみだに濡れたそのかおに
あなたの面差し消えうせて
あの女 の陰影 がにじみ出るのを
あなたを連れ去るあの女 の
勝ちほこったような さげすむような
わたしは ひ、と息を詰める
おんなの心が じゅく、と傷む
そうよこの子は坊やではない
わたしの可愛い坊やでは
ちくしょう腹からおとされた
わたしをさいなむ不純な結しょう
不意にこの子が口をあけ
わたしを指さしあざ笑う
あの女 の声音であざ笑う
あは あは あは あは
あは あは あは あは
おんなの仕事のしくじりを
酷なことばであげつらい
ふかいな声がへやに満る こだまする
ああ
ついにわたしはわたしを
見うしなってしまい
残されたのは
せん光の闇
産道を逆りゅうする
いのち
手負いのけもの
の
息づかい
そして
気づけば独りしんやの公園
こころは虚ろにぶらんここいで
ギコ ギコ ギイ ギイ
ぶらんこ ギイ ギイ
坊やの残がい胸にいだいて
ギコ ギコ ギイ ギイ
ぶらんこ ギイ ギイ
ギコ ギコ ギイ ギイ
ぶらんこ
ギイ
おともだちにのけ者にされて
公園のぶらんこ独りこいでた
ギコ ギコ ギイ ギイ
ぶらんこ ギイ ギイ
ひ弱でおどおどしたところ
気味がわるいほどあなたそっくり
わたしは は、と息をのむ
おんなの器官が きゅ、とうずく
ギコ ギコ ギイ ギイ
ぶらんこ ギイ ギイ
わたしは堪らず ひし、と坊やを抱きしめる
坊やは きょとん、とわたしを見つめて
こんやはカレーを作ってあげる
だからおうちに帰りましょう
わたしの可愛いかわいい坊や
くるまのおもちゃで遊ばせて
じどう車 ブウブウ じどう車ブウ
じどう車 ブウブウ じどう車ブウ
しぐさや表情どれもこれもが生き写し
くるまに目がないところもいっしょ
わたしは は、と息をのむ
おんなの器官が きゅ、とうずく
わたしは堪らず ひし、と坊やを抱きしめる
坊やは きょとん、とわたしを見つめて
それまで大人しかった坊やなのに
カレーをひとくち食べて泣き出した
ママ ママ ママ ママ
ママはどこ
早くおうちにかえりたい
坊やおばかね何言うの
わたしがママよここが本当のおうちなの
ママ ママ ママ ママ
ママはどこ
ええいうるさい黙れくそがき
黙らないならいわしたろ
そのときわたしは確かに見ました
なみだに濡れたそのかおに
あなたの面差し消えうせて
あの
あなたを連れ去るあの
勝ちほこったような さげすむような
わたしは ひ、と息を詰める
おんなの心が じゅく、と傷む
そうよこの子は坊やではない
わたしの可愛い坊やでは
ちくしょう腹からおとされた
わたしをさいなむ不純な結しょう
不意にこの子が口をあけ
わたしを指さしあざ笑う
あの
あは あは あは あは
あは あは あは あは
おんなの仕事のしくじりを
酷なことばであげつらい
ふかいな声がへやに満る こだまする
ああ
ついにわたしはわたしを
見うしなってしまい
残されたのは
せん光の闇
産道を逆りゅうする
いのち
手負いのけもの
の
息づかい
そして
気づけば独りしんやの公園
こころは虚ろにぶらんここいで
ギコ ギコ ギイ ギイ
ぶらんこ ギイ ギイ
坊やの残がい胸にいだいて
ギコ ギコ ギイ ギイ
ぶらんこ ギイ ギイ
ギコ ギコ ギイ ギイ
ぶらんこ
ギイ
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