十五章 六点リーダー

文字数 545文字

〔後の先:仮説〕
 藤堂は成海を和ますために、事件と関係のない雑談をした。恋愛話だった。成海と葵は、男女交際の一歩手前で、とまっていた。藤堂は、葵のわだかまりさえ解消できれば、ふたりの仲は進展すると考えていた。
〔間四件の一:移動文〕
 藤堂の車で、ホテルまでおくってもらった。朝、起きたあと、成海と葵は取材に向かった。葛西駅まえにある地下鉄博物館にはいる。ふたりで見てまわった。
〔間四件の二:移動文〕
 つぎに、江戸川競艇場に向かった。予約していたツアーに参加した。競艇場のなかにある江戸川アートミュージアムを堪能した。
〔間四件の三:移動文〕
 つぎに、小岩菖蒲園に向かった。ベンチにすわる。葵と静かな時間をすごした。やがて、藤堂があらわれる。葵をのこし、沼田刑事を加えた三人で、東京駅へと急いだ。
〔間四件の四:状況文〕
 東京駅で木村早苗と会った。彼女は流血の金魚祭りの被害者、大石陽介の婚約者である。当時の話をきいた。殺された大石には、血縁者がひとりいたらしい。さらに、彼を行船公園に呼び出したのは、寺崎だと判明した。
〔先の後:疑問〕
 流血の金魚祭りは、寺崎が大石を呼び出し、三浦が手をくだしのだ。成海はふたりの犯行だと断言する。しかし、藤堂は、どうして、その結論にいたったのか、わからなかった。
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