序章　六点リーダー

〔後の先:疑問〕
　工藤葵は教室からなにを運び出したのだろうか？
〔間四件の一:状況文〕
　成海与一は、同級生である工藤葵への恋心をもっていた。常日頃から彼女に会いたいと考えるようになっていた。
〔間四件の二:移動文〕
　成海は小学校の校舎を歩きまわった。葵と偶然に会うことを期待していたからである。
〔間四件の三:観察文〕
　成海は葵を発見する。教室の窓際に立っていた。彼女は教室から外へとなにかを運んでいた。
〔間四件の四:状況文〕
　葵は善意から水槽内の水をかえたが、海水と淡水のちがいを知らず、メダカを殺してしまった。成海はこの事実を隠すために、水槽を窓から落とした。問題児だと噂されることになった。
〔先の後:新事実〕
　成海は黒板を見た。その日の飼育係の当番は、成海与一だった。