天国も
文字数 1,860文字
その日の夜、要は求に連れられて公園にやってきた
白い山犬の死神や求の言っていることをまるで信じてはいないが、それでも求の声に答えて要は公園にやってきた
「要は私の言っていることを何もわからないのでしょう。賢い人間はそういうことをするものでしょうか? 人間、誰だって自分の考えがあります。例えばこしあん派がつぶあん派の味覚なんて理解しないと思います。これは人間なら誰だって当てはまります。自分自身の認識の壁、悪い言い方をすると思い込み……誰だって自分が正しいと思って生きています。ところが要は、私の話を理解していなくてもこうしてついてきて、こんな怪しげな儀式に協力してしてしまう。面白い、実に面白いですよ要は。人間誰もがこんなことできない。私は最初、要は死神のお供としてかなり適役だと思っていました。ところが……あなたはこうしてよくわからない私の話を信じてここまでついてくる」
「いいや、珍しい話でもなんてもない。一説によると男性は全員自閉症らしい。何を言っても理解せず、わかりあおうともしない頭の固い存在、それが男性ってやつだ。そういう前提で考えて生きて、自分の頭は極めて固く、認識の壁、自分自身の厚い壁に覆われているということに気づくと、全然違った世界の見え方ができるようになってくる。さっききゅーちゃんは自分の考えが正しいと誰もが思っているなんて言ったけど、頭の悪い人間はおおよそ全員がそう思っている、自分は正しいと。ところがどんな高尚な考えや思考だろうが、結局は自分で考えたもの、控えめに言ってゴミに等しい浅はかな決めつけに過ぎない。そんなもの信じるよりも、考えに幅を持たせて線引きを複数持ち、融通を効かせて相手の考えを聞いたほうがはるかに有意義だ」
それはただの買い被りだよ、要は頭がよすぎて一周しちゃってる
君はRPGで未経験の勇者のほうが信頼できるだろう?
もう周回を無限にやってる奴らなんて色々と絶望しているか心が純粋なだけだ、要はどっちだと思う?
筆者としては両方だと思うねえ
キューちゃんママ爆誕
求は要からノートを受け取ってそこにいくつかの記号を記した
とは言ったものの、割と好きなアーティストをディスられ求は内心ダメージを受けていた