ヴァルハラも
文字数 1,992文字
要は自宅に戻った
今日はもう疲れたしこれ以上働くと残業扱いになって遥に怒られる
案の定自宅のベッドでのさばる求を放置し要はデスクに座っておもむろにノートを開いた
「知ってるか? ドラゴンボールを集めるだけの武力を持っていれば世界平和は余裕、お祈りする必要はない、こんなに近くにいるならノートなんて使わないで直接刺したほうが楽、固い鍵はショットガンでぶっパすれば開く、もっと頭を柔らかくして反則技をガンガン使って行こうぜ」
要は開いたノートを求に見せる
求は突然丁寧な口調になった
要はここで少し間をおいて求にこう尋ねた
「例えば、この世界で最もおいしいカフェオレのコーヒーと牛乳の比率を求めたとする。だけどそんなの人それぞれだよな。俺はちょうど半々がいいけど、世の中には牛乳1割コーヒー9割なんて人もたくさんいる。そうやってグラデーションを描く命題、スペクトラムな問題、線引きに多様性を持たせられる命題、その一つに生と死があると思う。僕らはみんな生きているなんて歌ってる人がいるが、いや、ひょっとしたら死に片足を突っ込んでいるかもしれないんだ。で、それを聞いて死神はどう考える、一つの考えを教えてくれないか?」