和幸目線 続編

文字数 2,136文字

俺達は そこから 急速に距離を縮めた

2人でエリザベスクイーンparkで、classが終わったあと、テニスをしにいったり、スカイトレインでメトロタウンまで乗って、モールで食材の買い出しに出かけたりもした。 まだその頃はYouTubeもなく、日本でやってるドラマやお笑いのdvdのレンタルのお店がロブソンst.にあって、カナダにいながらタイムリーに日本の番組が見れると 評判で そこへ出かけもした
坂の多い街だから、人のいない広い歩道が続くところで、キックボードに2人で乗って、坂を下って風を感じた

グランビルst.のVogue theater の近くに Rockcyというクラブがあって、そこにも行ってみようということになり 俺は亜希に長居するのはやめようと約束して、ライム付きのコロナビールを頼んで、2人で少しの間 夜のバンクーバーの雰囲気を味わった。店内は当時流行っていた ジャネット・ジャクソンの someone call to my lover やAll for you や Christina Aguilera, Lil Kim, PInk & Mya Performの Lady Marmaladeや Christina Aguileraのcome on overや candy man が、流れていて、会話がお互い近づいて話さないと聞こえないくらいの、まぁまぁの大きめな音量で流れていた
ホールで踊ってみようと 亜紀は俺を誘うのだが 俺はそこまで積極的になれなくて断ると 亜紀は1人で、ホールに行き、俺たちの席の目の前の1番近いところで、俺の方を向いて踊ってみせた 亜紀は、段々さりげなくホールの他の客達が踊っている中に溶け込み馴染んできて、でも席にいる俺の方をいつも気にしてくれてるから 俺は嬉しかった ふざけダンスもしたり、盆踊りを踊ったり、チャーミングで、だけど その夜の亜紀はとてもセクシーに見えた


俺がトイレから戻ると クラブの出入口にいた男に亜希は 話しかけられていた

和幸「 excuse.. Do you need some
for my girlfriend ?」

俺は 「彼女に何か用か?」とその男に近づいて聞いた。

和幸「So, did I make the right decision to learn some language in B.C ? Absolutely YES.
Not because of the weather. Not because of its food. It’s because peoples kindness
fits me. Rockcy also fits me. I'm not used to loud noises、but Rocky make me joy」


その男がバンクーバーはどうだ?と聞くので バンクーバーの人たちは親切で、ここを留学先に選んで良かったと思っていると その男に伝えてみた


俺の英語力は まだ未熟なのだが、 人とコミュニケーションを取るという姿勢をここで 学んだような気がする これも色んなところに俺を連れ出してくれた亜希のお陰だ


今までの俺だったら 人との距離を置いてしまいがちだったから。そこを教授も気にして俺に留学の声をかけたのだろう 俺が帰国したら 教授は 俺を見て 一皮むけて大人になったと 言ってくれるだろうか

んなわけで 無論 学業も怠ってはいなかった



亜希と出会うまでは、スクールと寮の往復の日々だったが、彼女と出会ってからは 色々な所へ引っ張りだされ、バンクーバーという街で 今しか出来ない経験をし、思い出も多くなった

彼女には感謝している


亜希「初めはあのクラスもキツかったけど、だいぶ聞き取れるようになって来てるし、慣れてきたわ、和幸さんが 教えてくれたり、応援してくれたおかげよ」

和幸「そんなことないよ。 亜希ちゃんが自分で頑張ったからだよ」

亜希「..ねぇ、、和幸さんって もうすぐ帰国するころ、、?」

和幸「そんなんだ 俺は半年の留学プログラムで申し込んでいるから あと1ヶ月」

亜希「そうなんだね、私はあと3ヶ月なんだ、和幸さん、先に日本に帰っちゃうんだね、さびしいな」

和幸「残りたい気持ちもあるんだけど、大学の単位も取らないとならないし、研究の続きもしなければならなくて」

亜希「そうだよね、未来のお医者様だもんね、頑張らなきゃね。応援してるね。 日本に帰ったら、また 会ってくれる..? 」

和幸「うん 会おう。 静岡、名古屋間なら 新幹線で行けば1時間くらいで行ける」


亜希は笑顔になる


2人でイングリッシュベイのすぐそばにある、海を見渡せる オープンテラスのクラッブスとフィッシュアンドチップスの美味しいお店で話をした

亜希が 離れても 寂しくならないように、2人で写真を撮りたいというから その店のテーブル席で、イングリッシュベイを背景に店員さんに撮って貰った


そして亜希と再会を約束して、俺は先に
日本へ帰った


でも


俺は
亜希に 伝えてなかったことが
ひとつあった






俺には



日本で俺の帰りを待っている

彼女がいる

っていうこと




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