再会
文字数 1,730文字
街中に、クリスマスソングが流れ、イルミネーションやショーウィンドウのディスプレイが、華やかになり、街を行き交う人達が、なんとなくソワソワと気忙しく、賑やかになってきた頃、亜希は帰ってきた。
静岡駅の改札で待ち合わせをした
名古屋からわざわざ俺に会いに来てくれるという
新幹線が到着したのか、降りてきた人たちの波が、コンコースに広がる
この人混みの中に 亜希がいるのか 俺は探せられなかった
亜希「和幸さん!」
聞こえてきた亜希の声の方に目を向けると
白いタートルネックに、クリーム色地に薄紫の細いチェックの線が入った上品なワンピースで 亜希が手を振って近寄ってきた
Tシャツとジーンズ姿しかバンクーバーでは見た事がなかったから、俺は はじめ 違う子なんじゃないかと思った 。でも奥ゆかしくて 意志が強くそれでいて思慮深い目が、笑うと細くなる、頬に出来るえくぼを見て、亜希だとわかった。
和幸「久しぶり」
亜希「うんうん、3ヶ月ぶりだね!元気だった?! 新幹線で静岡まであっという間だったわ」
和幸「亜希ちゃん 元気そうでよかった 変わらないね」
亜希「会えて嬉しい、話したいこと沢山あるの。和幸さんが帰ってから、バスのストライキが終わって、バンクーバーの街はバスが走るようになったのよ とっても便利だった それからね..」
亜希の話が止まらなそうだったので、俺は話を聞きながら、おすすめの静岡市丸子という地域の とろろで有名な 丁子屋(ちょうじや) という店へ 車を走らせた
丁子屋は 慶長元年(1596年)創業、江戸時代初期から400年以上続く、静岡で最古のとろろ汁の店であり 広重の東海道五十三次、芭蕉の俳句、十返舎一九の東海道中膝栗毛などでも知られる、丸子(まりこ)の宿場のとろろ汁の店でもあり 店内の壁には竹久夢二の絵がいくつも飾ってあり、落ち着いた雰囲気の 趣きのある風情漂う店である
亜希「とろろ定食はしかり、とろろいもの天ぷらも美味しかったわ!」
和幸「そうだね」
亜希「今日はね、ホテルグランヒルズ静岡ってホテルに部屋をとってあるから、そこに泊まる予定なの」
和幸「そうなんだね、ホテルに帰る前に家に来る?」
亜希「...なにもしない..?」
和幸「笑 何もしないよ」
世の中 何もしないよと言って 何かが起こることは 少なくはない
しかし和幸に関しては 本当になにも起こらない
バンクーバー時代もそうだった
亜希は、なんとなく少し物淋しい気持ちになるのだが、和幸に大事にされているんだと思っていた。そしていつか来るかもしれない その日を 少し怖いような不安なような でも好きな人と結ばれるということに恋焦がれ、待ち焦がれていた
和幸の住むマンションに着くと、和幸が可愛らしい柄のお皿に、フルーツケーキを乗せて 亜希に出した
亜希「このケーキは 東京にも進出してる あのキルフェボンのケーキですね?」
和幸「正解。 紅茶でいい?」
亜希「うん♪」
和幸がカップに注いでくれてた紅茶の湯気が ゆらりくらりと 亜希の顔に 届く
美味しいケーキと紅茶によって 2人の会話は弾む
language schoolの授業の話や、映画を見に行ったことやテニスをしたこと メトロタウンに買い物に行った話、あとは、TOEICの結果やこれからの就職先の話など。夜遅くになってしまった。
亜希「ごめんなさい、こんな遅くまで」
和幸「話してたら あっという間に時間が経っちゃったね、車でホテルまで送っていくよ」
二人はまた会う約束をして
和幸はホテルまで亜希を送った。
亜希がホテルの部屋に着いて 和幸との楽しかった時間の余韻に浸っていると 左手首に付けてたティファニーの涙の形のチャームが 10個ほど手首をぐるっと周りに着いているデザインのブレスレットを、和幸の部屋に忘れてきたのに気づいた。母から20歳の誕生日の時 貰った大事なブレスレットだ
亜希 (あっ 忘れてきちゃった 手首が痛くなってちょっとだけ外したんだよな、テレビ台の上に置いてきちゃった、、 目立つところにおいてたし、今度会った時まで、和幸さん 取っておいてくれてあるかも。)
そう 亜希は思っていた
でも 次に会って 和幸の家を訪れた時
ブレスレットは
消えていた
静岡駅の改札で待ち合わせをした
名古屋からわざわざ俺に会いに来てくれるという
新幹線が到着したのか、降りてきた人たちの波が、コンコースに広がる
この人混みの中に 亜希がいるのか 俺は探せられなかった
亜希「和幸さん!」
聞こえてきた亜希の声の方に目を向けると
白いタートルネックに、クリーム色地に薄紫の細いチェックの線が入った上品なワンピースで 亜希が手を振って近寄ってきた
Tシャツとジーンズ姿しかバンクーバーでは見た事がなかったから、俺は はじめ 違う子なんじゃないかと思った 。でも奥ゆかしくて 意志が強くそれでいて思慮深い目が、笑うと細くなる、頬に出来るえくぼを見て、亜希だとわかった。
和幸「久しぶり」
亜希「うんうん、3ヶ月ぶりだね!元気だった?! 新幹線で静岡まであっという間だったわ」
和幸「亜希ちゃん 元気そうでよかった 変わらないね」
亜希「会えて嬉しい、話したいこと沢山あるの。和幸さんが帰ってから、バスのストライキが終わって、バンクーバーの街はバスが走るようになったのよ とっても便利だった それからね..」
亜希の話が止まらなそうだったので、俺は話を聞きながら、おすすめの静岡市丸子という地域の とろろで有名な 丁子屋(ちょうじや) という店へ 車を走らせた
丁子屋は 慶長元年(1596年)創業、江戸時代初期から400年以上続く、静岡で最古のとろろ汁の店であり 広重の東海道五十三次、芭蕉の俳句、十返舎一九の東海道中膝栗毛などでも知られる、丸子(まりこ)の宿場のとろろ汁の店でもあり 店内の壁には竹久夢二の絵がいくつも飾ってあり、落ち着いた雰囲気の 趣きのある風情漂う店である
亜希「とろろ定食はしかり、とろろいもの天ぷらも美味しかったわ!」
和幸「そうだね」
亜希「今日はね、ホテルグランヒルズ静岡ってホテルに部屋をとってあるから、そこに泊まる予定なの」
和幸「そうなんだね、ホテルに帰る前に家に来る?」
亜希「...なにもしない..?」
和幸「笑 何もしないよ」
世の中 何もしないよと言って 何かが起こることは 少なくはない
しかし和幸に関しては 本当になにも起こらない
バンクーバー時代もそうだった
亜希は、なんとなく少し物淋しい気持ちになるのだが、和幸に大事にされているんだと思っていた。そしていつか来るかもしれない その日を 少し怖いような不安なような でも好きな人と結ばれるということに恋焦がれ、待ち焦がれていた
和幸の住むマンションに着くと、和幸が可愛らしい柄のお皿に、フルーツケーキを乗せて 亜希に出した
亜希「このケーキは 東京にも進出してる あのキルフェボンのケーキですね?」
和幸「正解。 紅茶でいい?」
亜希「うん♪」
和幸がカップに注いでくれてた紅茶の湯気が ゆらりくらりと 亜希の顔に 届く
美味しいケーキと紅茶によって 2人の会話は弾む
language schoolの授業の話や、映画を見に行ったことやテニスをしたこと メトロタウンに買い物に行った話、あとは、TOEICの結果やこれからの就職先の話など。夜遅くになってしまった。
亜希「ごめんなさい、こんな遅くまで」
和幸「話してたら あっという間に時間が経っちゃったね、車でホテルまで送っていくよ」
二人はまた会う約束をして
和幸はホテルまで亜希を送った。
亜希がホテルの部屋に着いて 和幸との楽しかった時間の余韻に浸っていると 左手首に付けてたティファニーの涙の形のチャームが 10個ほど手首をぐるっと周りに着いているデザインのブレスレットを、和幸の部屋に忘れてきたのに気づいた。母から20歳の誕生日の時 貰った大事なブレスレットだ
亜希 (あっ 忘れてきちゃった 手首が痛くなってちょっとだけ外したんだよな、テレビ台の上に置いてきちゃった、、 目立つところにおいてたし、今度会った時まで、和幸さん 取っておいてくれてあるかも。)
そう 亜希は思っていた
でも 次に会って 和幸の家を訪れた時
ブレスレットは
消えていた