最終話  長い冬を抜けて..春ひだまり

文字数 1,072文字

長い冬がやっと終わろうとしている
3月10日 春のひだまりを 感じる
亜紀がいなくなって 2回目の春を迎えようとしていた




俺は 名古屋に向かう新幹線の中にいた





後ろの席の人の 桜の開花宣言の予想日なんかの話題が 聞こえてくる




新幹線の窓からみえる景色を見ながら 俺は考えていた



もし現れなかったとしても
運命だと受け止めよう



もし会えたとして
でももう昔のようには戻れないとしても
受け入れよう





そして会えたら、
まず何て言おうかずっと考えているが
言葉がまとまらない..
もし会えたら 2年ぶりだ








──────



名古屋駅に着き 改札に向かう










一人の女が立っていた












来てくれた













夢にまで見た最愛の人










向こうもこちらに気づいた









近寄る2人









和幸「亜希ちゃん、亜希、久しぶり。来てくれてありがとう。....ごめん、俺が悪かった..」


俺はどんな風に自分でも喋ってるかよく分からなかったが、これだけは言おうと思っていたことだけは 口に出した。














長い沈黙

















亜希「はじめまして 宮原 亜希と申します」

亜希がまるで不思議な本当に初めてあったような表情をして言う










もっと重たい雰囲気かと思っていたので
その言葉に 拍子抜けして 俺は戸惑った
マヌケな顔になっていただろう。

でも 亜希は 許してくれてないかもしれないと 思うと 俺はまた真剣になった






















亜希がクスッと笑う







和幸「私は斎藤和幸と申します」






こうして俺たちは付き合い始めて、
今年で 7年目になる












────────────





─────────────














今日は亜希と
銀座に遊びに来ている




宝飾店のウインドーを覗き込んで 2分が経つ



(どれだけ見るんだよ リング..)




(その..2人の将来のこととか 気になるのか きっと俺達も結婚適齢期と言えば そう言える)




次にモンブランの美味しい店があるからって 意気揚々と俺に話して来て、亜希の歩くスピードも気持ち 早くなった




亜希はこうやって、バンクーバーにいた時も 俺を色々な所に連れ出してくれていた




和幸は 若かった2人のことを思い出すと 微笑ましく、そして亜希と肩を並べて 歩いた




喫茶店に着いて
女子の好きそうな店作りの店内に入り、
しかし 落ち着いた雰囲気もあって
男でも結構 休まる
と本当に俺は寛いでいた





亜希のオススメのモンブランが運ばれてきて、
亜希が にんまりする。
ぱくりと食べ始める。







幸せそうな顔をするなぁ..






亜希が
この笑顔のまま
俺のそばで
これからもずっと笑顔で
いてくれたら

いて欲しい。








今だ








和幸「亜希」








亜希「ん?」












和幸「俺たち 結婚しよう」












俺の心の湖の中の白色の水中花が 花開く





fin


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