第10話

文字数 502文字

 『おおくま座とこぐま座』
 
 とても美しいカリストというニンフがいた。彼女は月の女神アルテミストに仕えていたが、ある日、ゼウスにみそめられカリストは男児アルカスを生んだ。
 アルテミストはその事を知り、カリストを森に追放した。しかし怒っていたのはアルテミストだけではなく、ゼウスの妻のヘラもそうだった。彼女の怒りは静まらず、とうとうカリストを熊の姿に変えてしまった。クマの姿に変えられてしまったカリストは嘆き悲しみ、ついには森の奥に身を潜めてしまった。
 その後、アルカスは他の者に育てられ、立派な青年に成長した。腕のいい狩人となったアルカスは、ある日、森に入り、狩りをしていると一頭の熊に出会った。熊はアルカスを見つけると、うめき声を上げて突進してきた。驚いたアルカスは持っていた弓で矢をつむいだ。そのとき、突然竜巻が起き、二人は空に巻き上げられた。
 その熊とは姿を変えたカリストで、息子のアルカスを森で見かけて、思わず声を上げて近寄ってしまったのだった。
 そして、それを見ていたゼウスは不憫に思い、竜巻で二人を天に昇らせたのだった。
カリストは大熊座に、そしてアルカスは小熊座の姿に変えて。
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