第１８話 ゼム＆ダブルＢＭ－１グランプリ
文字数 1,636文字
やあ、みなさん。今夜は文房具の漫才ナンバー１を決めるBM－１グランプリ。
司会のコンパです。
アシスタントのカレンです。
どうぞよろしくお願いします。
コンパ「今回は予選を勝ち抜いた４組で決勝を戦ってもらいます」
カレン「優勝者には豪華賞品を差し上げます」
コンパ「審査員は孫兵衛さん・・・孫兵衛さん？おや、何やってるんですか」
孫兵衛「ネットでこのBM－1優勝者の賭けをやっとらんか調べようと思ってな」
コンパ「それ、かまぼこ板ですよ」
孫兵衛「ありゃ、本当じゃ」
コンパ「・・・さて、気を取り直して行こうか。最初の組は」
カレン「コロロちゃんとげんさんです」
華々しくはじまった文房具たちの祭典BM－１。会場のまさとくんの机の上にはたくさんの文房具たちが集まった。
最初の組コロロちゃんとげんさんは、どちらも「突っ込み」で途中でケンカをして帰ってしまった。
続いてのりちゃんとハサミくんが昭和のにおい満載で夫婦漫才を披露したが、ラブラブな二人の世界に会場はそっちのけだった。
３組目は太郎とまさとくん。会場は一瞬「人間の登場か？」とどよめいたが、太郎の手作り人形による腹話術漫才はどっちがどっちの声かわからずじまいに進んだ。
それでも会場はあったかい雰囲気と笑いに包まれて進行し、いよいよ最後の組が登場した。
コンパ「いよいよ最後だね」
カレン「ゼム＆ダブルのお二人です」
軽快な音楽とスポットライトで初登場。パチパチパチ
ゼム「どうもどうも。ゼムです」
ダブル「ダブルです」
ゼム「みなさん『おたくら何？聞いたことない』って顔ですな」
ダブル「ワテら『クリップ』ですがな」
(ああーー)
ゼム「いつも『クリップ』って呼ばれると『どっちのこと？』って顔見合わせますんや。ワシがグルっと曲がったゼムクリップ」
ダブル「ワテは黒いクリップにフックの付いたダブルクリップでおま」
(ほほ～)
ゼム「今日はせっかくやから、どっちがよりクリップらしいか決めよやないの」
ダブル「そうやね。のぞむところよ」
ゼム「ワシらは机の引き出しの中では一番数が多いんとちゃうかな。きみなんかは大中小で３個しかおらへんやろ。ワシらは千本以上はおるで」
ダブル「千本もおるかいな。しかし、あんたあっちこっちに散らばって、よぉ落ちとるでぇ。掃除機のホースが、ガラガラガラっていうからなんやろうってなかをのぞいて見たら、あんたや。吸われてグルグルに舞ってますがな」
ゼム「そらしゃあないがな」
(アハ、ハ、ハ、ハ)
ダブル「その点ワテらは挟んだらはなしませんぜぇ。なんたってダブルよ。ダブル。口でガって挟んでから足のフックでパツンと締める。これよ。これ」
ゼム「締める前はパカァって足おっぴろげやないの。あの格好は場所とるねぇ」
ダブル「ほっとけ」
(ハ、ハ、ハ、ハ)
ダブル「もう、どっちもどっちやし、やめとこか」
ゼム「それはそうと、げんさんも言ってたけど、ペーパーレス。あらいかんわ。ワシらは紙があってなんぼやのに、まわりに紙が少ないこと」
ダブル「そうや。資源を大切にしろっていうものわかる。けど、パソコンやスマホの画面でモノを見てても価値はわからんと思うで。機械の中で整理されたモノと自分の机や棚で整理されたモノは違う」
ゼム「あんたええこというなあ。お互い整理整頓の文房具としてがんばっていこか」
ダブル「よっしゃ。約束の証に両手でぇ」
ゼム・ダブル「グリップ！」
(パチパチパチパチ)
カレン「ありがとうございました」
コンパ「さあ。審査員の孫兵衛さんむずかしいでしょうけど、優勝者の発表をお願いします」
ドキドキの4組にドラムの音がひびきわたる。ダダダダ・・・・
さて栄冠は誰の手に！
おもむろにマイクをとった孫兵衛さんに会場は息をのんだ。
孫兵衛「うーん。今起きたからわからんぞ」
(ああーやっぱり。全員コケる)
コンパ「ハハハ、またお会いしましょう」
カレン「えっと、またね」
司会のコンパです。
アシスタントのカレンです。
どうぞよろしくお願いします。
コンパ「今回は予選を勝ち抜いた４組で決勝を戦ってもらいます」
カレン「優勝者には豪華賞品を差し上げます」
コンパ「審査員は孫兵衛さん・・・孫兵衛さん？おや、何やってるんですか」
孫兵衛「ネットでこのBM－1優勝者の賭けをやっとらんか調べようと思ってな」
コンパ「それ、かまぼこ板ですよ」
孫兵衛「ありゃ、本当じゃ」
コンパ「・・・さて、気を取り直して行こうか。最初の組は」
カレン「コロロちゃんとげんさんです」
華々しくはじまった文房具たちの祭典BM－１。会場のまさとくんの机の上にはたくさんの文房具たちが集まった。
最初の組コロロちゃんとげんさんは、どちらも「突っ込み」で途中でケンカをして帰ってしまった。
続いてのりちゃんとハサミくんが昭和のにおい満載で夫婦漫才を披露したが、ラブラブな二人の世界に会場はそっちのけだった。
３組目は太郎とまさとくん。会場は一瞬「人間の登場か？」とどよめいたが、太郎の手作り人形による腹話術漫才はどっちがどっちの声かわからずじまいに進んだ。
それでも会場はあったかい雰囲気と笑いに包まれて進行し、いよいよ最後の組が登場した。
コンパ「いよいよ最後だね」
カレン「ゼム＆ダブルのお二人です」
軽快な音楽とスポットライトで初登場。パチパチパチ
ゼム「どうもどうも。ゼムです」
ダブル「ダブルです」
ゼム「みなさん『おたくら何？聞いたことない』って顔ですな」
ダブル「ワテら『クリップ』ですがな」
(ああーー)
ゼム「いつも『クリップ』って呼ばれると『どっちのこと？』って顔見合わせますんや。ワシがグルっと曲がったゼムクリップ」
ダブル「ワテは黒いクリップにフックの付いたダブルクリップでおま」
(ほほ～)
ゼム「今日はせっかくやから、どっちがよりクリップらしいか決めよやないの」
ダブル「そうやね。のぞむところよ」
ゼム「ワシらは机の引き出しの中では一番数が多いんとちゃうかな。きみなんかは大中小で３個しかおらへんやろ。ワシらは千本以上はおるで」
ダブル「千本もおるかいな。しかし、あんたあっちこっちに散らばって、よぉ落ちとるでぇ。掃除機のホースが、ガラガラガラっていうからなんやろうってなかをのぞいて見たら、あんたや。吸われてグルグルに舞ってますがな」
ゼム「そらしゃあないがな」
(アハ、ハ、ハ、ハ)
ダブル「その点ワテらは挟んだらはなしませんぜぇ。なんたってダブルよ。ダブル。口でガって挟んでから足のフックでパツンと締める。これよ。これ」
ゼム「締める前はパカァって足おっぴろげやないの。あの格好は場所とるねぇ」
ダブル「ほっとけ」
(ハ、ハ、ハ、ハ)
ダブル「もう、どっちもどっちやし、やめとこか」
ゼム「それはそうと、げんさんも言ってたけど、ペーパーレス。あらいかんわ。ワシらは紙があってなんぼやのに、まわりに紙が少ないこと」
ダブル「そうや。資源を大切にしろっていうものわかる。けど、パソコンやスマホの画面でモノを見てても価値はわからんと思うで。機械の中で整理されたモノと自分の机や棚で整理されたモノは違う」
ゼム「あんたええこというなあ。お互い整理整頓の文房具としてがんばっていこか」
ダブル「よっしゃ。約束の証に両手でぇ」
ゼム・ダブル「グリップ！」
(パチパチパチパチ)
カレン「ありがとうございました」
コンパ「さあ。審査員の孫兵衛さんむずかしいでしょうけど、優勝者の発表をお願いします」
ドキドキの4組にドラムの音がひびきわたる。ダダダダ・・・・
さて栄冠は誰の手に！
おもむろにマイクをとった孫兵衛さんに会場は息をのんだ。
孫兵衛「うーん。今起きたからわからんぞ」
(ああーやっぱり。全員コケる)
コンパ「ハハハ、またお会いしましょう」
カレン「えっと、またね」
