第3話  暴走族の指を切り落とせ

文字数 1,190文字

今度は歩きタバコが狩られている。

そうした噂が広まるまで、そう時間はかからなかった。
俺の目論み通り、路上から喫煙者が消えた。

数百人規模の被害者が出たとなればニュースにもなり、情報はたちまち全国へと広がる。

とはいえ、ここまで綺麗さっぱりいなくなるのは事件が起きたこの都市周辺くらいだろう。
近いうちに全国各地へ出張して、他人事ではないことを知らしめなければな。

だが、その前に粛清したい奴らがいる。
あの夜中にうるさい暴走族どもだ。

どういうわけか、奴らはいつまで経ってもいなくならない。
警察は暴走族を本気で捕まえようとしない。

かといって一般人が奴らをぶちのめそうと出動などしようものなら、警察はこっちを捕まえにくるだろう。

奴らの親はいったい何をやってるんだ?
親も暴走族か?

職場の人は?
暴走族だって、バイクの維持費や改造費にかかるお金を稼ぐためバイトくらいはしてるだろう?
夜中に暴走したら職場の人に迷惑がかかることだってあるだろうに。

暴走族だということを隠してるのか?
それとも親の金で暴走してるのか?

なんにせよ、警察が本気で動いてくれない以上どうしようもない。
ただただ去るのを待つしかなかった。

だが、今の俺には奴らを切り刻む力がある。

安心しろ、殺したりはしない。
お前たちだけが悪いわけじゃないことは分かってるからな。

お前たちを教育した親や教師も悪いし、お前たちの手本になった先代暴走族も悪い。お前たちのような存在を生む社会そのものが悪いとも言える。

だから、二度とバイクに乗れなくなる程度で許してやる。

奴らが夜10時くらい走り出すことは分かっている。
半径300mの射程があれば、わざわざ出向かなくとも自宅にいたまま奴らを切り刻める。

俺は二階にある自室の窓を開け、耳を澄ませる。
間もなく、あの不快なエンジン音が遠くから聞こえてくる。

バカどもが、今日で最後にしてやる。

爆音がだんだんと近付いてくる。

いいぞ、もっと来い。
もっとだ。

周囲の建物のせいで正確な位置は分からないが、かなり近付いているのは音で分かる。

バカが近付き過ぎなんだよ!

俺は心の中で叫びつつ、暴走族どもの手の指を残らず切断してやった。
二度と修復できないよう、すべての指を18分割にする。

瞬間、爆音が途切れ、複数の衝突音が聞こえてきた。

そりゃ、いきなり指がなくなれば事故るわな。
まあ、スピードは大して出てないみたいだから、余程打ちどころが悪くない限り死にはしないだろ。
早く救急車を呼んでもらえるといいな。

それから10分ほどで、サイレンの音が聞こえてくる。

おーおー、早い早い。
お前らみたいなゴミでも、ちゃんと助けを呼んでくれる人がいるんだな。どこの誰かは知らんがお優しいことで。

だが俺は許さん。
お前らみたいなのが子孫を残しちゃダメなんだ。
未来の暴走族は今ここで潰す。

俺は暴走族どもの睾丸を細かく切り刻んでやった。

これで、ゆっくり眠れるな。
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