第5話 世襲議員を抹殺せよ

文字数 1,035文字


『ついに神が動いたか?』
『某国の新兵器か?』
『宇宙人の仕業か?』

選挙カー襲撃事件後、世界中で様々な憶測が飛び交うようになった。
同時に、確証がないながらも、この件は重大なテロ事件として対策するという発表があった。

当然か。
今度狙ったのはそこらのチンピラじゃない、国会議員の立候補者だ。粛清した者の中には現職議員もいた。

テレビ画面に映る国会議事堂周辺は、かつてないほどの厳戒体制となっている。

だがあまい。
300mもの射程があれば、一般道からでも地下鉄の中からでも議事堂内の人間を切り刻める。

しかも、ご丁寧に国会中継をしてくれてるから、そこに誰がいるのかも丸分かりだ。

もちろん、議員を皆殺しにするつもりはない。
政治家は嫌いだし、実際腐ってる部分も多いが、曲がりなりにも国家を支えている彼らを無闇矢鱈と殺してしまってはまずかろう。

よって、今回のターゲットは世襲議員に絞る。

世襲議員っておかしくないか?
なんで議員が家柄で決まるんだよ。
それじゃあ江戸時代と同じじゃないか。

身分を固定してどうする?
それでいったい何を改革しようってんだ?
頭おかしいんじゃないのか?

そんな奴らに投票する有権者も愚劣だが、そうなるように仕向けてるのもお前ら政治家なんだろ?

愚民化政策ってヤツ?
自分の頭で考える教育はせず、風潮や慣習に流されやすい人間を量産してんだよな。

それについては世襲議員だけが悪いわけじゃないが、今回は代表してお前らが逝ってくれや。

お前らもう充分いい思いしたろ?
裕福な家に生まれて、ガキの頃からチヤホヤされて、将来は自分の子にもポストを用意してやるんだろ?

バカが、あの世で幕府でも開いてろ!

俺は、議事堂内に蔓延る世襲議員どもの脳を両断してやった。
苦痛も恐怖もなく、一瞬で逝けるように。

俺に直接危害を加えたわけじゃないからな。そのくらいの慈悲はくれてやるさ。

全国のお茶の間にリアルスプラッター映像を流すわけにもいかないしな。

さて、ここまで派手にやらかしたとなると、しばらくはおとなしくしてた方がいいかもな。ちょっと疲れたし。

その辺の雑魚でも狩りながら、資金集めの方法でも考えるとしよう。
これだけの凄まじい能力なら金を集める方法なんていくらでもあるはずだ。

単に金を集めるだけでなく、表の顔を持っておくのも悪くないな。
能力を持っていることがバレないように能力を使い、地位を築く。

世界一の天才マジシャンにだってできないことが俺にはできるんだ。
表でも裏でも、世界を驚せてやろうじゃないの。



序章 完
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