早く妊娠すると乳癌にめちゃくちゃかかりにくくなる!

文字数 952文字

日本の男女はいまや二人に一人は癌で死ぬ。女性の死亡ならそのうちの一位は乳癌になる。

ただ、研究者の間では、若いうちに妊娠を経験した女性はめったやたらに乳癌に強くなることが知られている。10代で妊娠する女性は、30代で妊娠したり、あるいは妊娠しない女性の発ガン確率の半分ほどになるそうだ。

だからすべての女性を、擬似的に妊娠しているような状態にさせて乳癌になるのを防ごう! みたいな論調が以下の引用先に書かれている(こういう理屈は、男が言えばセクハラとか男尊女卑論だとか言われるんだろうが、そもそもこれを提唱しているのは女性である)。













≪《『おっぱいの科学』 著:フローレンス・ウィリアムズ 訳:梶山あゆみ 東洋書林 2013  p159より
》≫

《≪生物学的に見るとこれは興味深い現象だ。医学的に見れば天の啓示である。妊娠による変化が乳房をがんから守ってくれることは研究者のあいだで少なくとも数十年前から知られていた。最近ではその保護効果を真似して瓶に詰めて、特許をとるにはどうすればいいかが研究されている。
前の章で紹介したイルマとホセのルッソ夫妻も昔からそれを目指してきたし、マルコム・パイクもそうだ。パイクは南カリフォルニア大学とスローン・ケタリング記念がんセンターで研究する疫学者である。ほかにも大勢の研究者が、妊娠ホルモンに腫瘍予防効果があることに注目し、妊娠を再現する方法を探っている。その理由をパイクはこう表現した。「すべての少女に一五歳で子どもを生ませるのはどう考えても無理ですからね」。だからせめて医学の力で一種の想像妊娠状態をつくろうというわけである。いわば子どもを産まない処女懐胎だ。妊娠ホルモンが爆発的に体を駆けめぐるのをすべての若い女性が擬似的に経験できれば、一生乳がんにならずにすむかもしれない。もちろん、しばらくのあいだは妙なものが食べたくなったり(乳房が張って痛んだり)するだろうが、それだけの価値は十分にある。妊娠ホルモンは呆れるほど優れたがん予防薬なのだ。少なくとも早い時期にそのホルモンをもらった場合には。
 どういうことかといえば、十代で最初の子どもを産んだ女性は、一度も子どもを産まない女性や三〇代で産む女性と比べて一生のあいだに乳がんになるリスクが約半分なのである。≫》
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