おっぱい吸うタイプの話

文字数 1,426文字

母乳による育児こそ、子供の真の成長につながる……という考えは、もしかすると、とっくの昔になくなっているのかもしれない。

現在の我々の生活は、飯を食っても息をしても、汚染物質が身体に入り込むようになっている。
DDT、水銀、鉛、砒素…………。
それらを吸収してはぐくまれた母乳が、子供にもそれを受け継がせてしまうわけだ。
約5000年前の冷凍遺体、『アイスマン』も髪の毛には水銀が付着していたという。人間の汚染は、文明の始まったころから共にスタートしている。


1の汚染物質を食べて腹に持つエビを、1000匹たべてきた魚を、100匹食べる人間には100000の汚染物質が溜まる。これを生物濃縮と呼ぶ。



環境汚染にみまわれた地球は、必ずそれをしでかした者に責任を取らせる。
それをしでかした当人はもちろんだが、それを無関心に見ていた者と、その子供や、同じ地球に住んでいるだけの部外者の生物にも、容赦なくその罪を問いただす。











以下引用元。


≪《『おっぱいの科学』 著:フローレンス・ウィリアムズ 訳:梶山あゆみ 東洋書林 2013
》≫

《≪ 母乳は自然がくれた完全食。その母乳にもしも原材料表示ラベルが貼られていたら、こんな風に読めるだろう。「脂肪分四%、ビタミンA・C・E・K、糖類、必須ミネラル類、タンパク質、酵素、抗体」。母乳には、一日の推奨摂取量を完全に満たした、赤ん坊の成長に必要なほぼすべての栄養素が含まれている。それだけではない。前の章でも見たようにさまざまなプラスアルファも入っていて、生涯に渡って糖尿病やがんなどの病気にかかりにくくしてくれる。訪ねてくる親戚への応対や汚れ物の洗濯に追われて疲れきっていても、お乳をあげるたびに愛情ホルモンのオキシトシンが脳下垂体からあふれ出し、温かいお風呂のように全身をひたす。人間の母乳はアイスクリームでもあり、ペニシリンでもあり、ドラッグのエクスタシーでもあり、そのすべてがふたつの可愛らしい包装に包まれている。
 ところが「ラベル」をもう少し先まで読んでいくと、一気に食欲を失わせる材料名が細かい文字で書かれている。DDT、PCB、トリクロロエチレン、過塩素酸塩、ジベンゾフラン、水銀、鉛、ベンゼン、ヒ素。私たちが母乳をあげるとき、脂質や糖質を送って赤ん坊の免疫系や細胞の代謝を活発にさせたり、脳のシナプスを活性化させたりしているだけではない。塗料を薄めるシンナー、ドライクリーニング液、木材防腐剤、トイレの脱臭剤、化粧品の添加物、ガソリンの副生成物、口ケット燃料、シロアリ駆除剤、防カビ剤、難燃剤なども微量とはいえ与えている。
≫》





≪《同p16
》≫

退

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

あいうえお

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み