使うと相手はセックス死する! 暗殺用の化粧

文字数 660文字

フクジョーシさせ薬。

ほっぺたに致死量の毒をぬりたくって、セックス中に、夫に顔をべろんちょさせてぶちころそう! わたしはこの薬を売ることで600人始末しました! ……とかいうカオスすぎる商売をした人のエピソード。






以下引用元。

『ウーマンウォッチング the naked woman』著:デズモンド・モリス 訳:常盤新平 2007 小学館 P123.124


《≪日焼け肌がしばしば医学的な問題を起こしても、一七世紀のイタリアで「トッファナ水」とか「バールの聖ニコラスのマンナ」とかいう名前で売られた頬クリームの衝撃に比べたら小さなものだ。かのジュリア・トッファナ夫人は社交界の淑女たちに非常に特殊な化粧品を売り出し、それが夫を始末したいと思っている妻たちのあいだでとくに評判がよかった。それはクリームや粉として売られ、砒素そのほかの命とりの成分を含むきわめて有毒な混合物だった。
トッファナ夫人は、それの正しい使用法を教えられるように、客には個別に訪問してくるようにと指示した。彼女は客に、けっして化粧品を摂取しないで、夫が性行為に及ぼうとするとき、それを自分の頬に塗るように説明した。そうすれば、妻の頰に押しつけられた夫の口は確実に致死量の化粧品を摂取するだろう。事後の言い訳はつねに「過度のセックスによる死」で、その策略は多年にわたり功を奏した。
トッファナ夫人は六〇〇人余りの死と同数の富裕な未亡人に責任があり、史上最大の毒殺者になった。この犯罪は一七〇九年に発覚し、彼女は逮捕され、拷問にかけられ、牢獄で絞首刑になった。
≫》
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