人がうなずく理由はおっぱいにある

文字数 805文字

人がイエスで首を縦に振り、ノーで首を横に振る。

このアクションが、世界共通であることは気づいているだろうか。

この由来は、人間が赤ん坊の時、おっぱいを吸うときに『これを探していたんだ』とやるときのアクションによるものだ。

そして、飲み終わったあとに『もういらない』とやるときに、首を横に振る。

これらから、イエスとノーの首の動きが生まれた……とするのは、動物学者デズモンド・モリスの言葉。以下オリジナルの引用。
























『舞い上がった猿』 著デスモンド・モリス 中村保男 訳 P28~29 1996 飛鳥新社


《≪ 赤ん坊は、乳首をあてがわれると、ただ乳を吸う以外にしなくてはならないことがある。まずは乳首に口を持っていく必要があるのだ。たいがいは母親が赤ん坊の唇を乳首のすぐそばにもっていくが、赤ん坊は唇で最後の調整をする際、探すような動作で頭を上下させることがおおい。この上下の動きは「うん、おなかがすいているんだ、おっぱいがほしい」といっているのである。これもまた、大人になってものこっている大事な身ぶり、うなずきに他ならない。ほとんど世界中のひとが「うん」とか「はい」といいたいときに頭を上下させてうなずくのはこのためなのだ。
 赤ん坊は、おっぱいをたっぷり吸い終えると、二つのやり方のいずれか一方で乳首をはねつける。ひとつは頭を片側にねじるやり方で、いまひとつは頭をあげる動作だ。いずれにしても、乳首のあたりから口が離れる結果になる。この動作もやはり大人のゼスチュアとしていつまでものこる。頭を横にふる動作が「いいえ」とか「いやだ」を意味する否定のゼスチュアになるのだが、そうではない地域もある。ギリシャ地方では、「ノー」といいたいときに別のゼスチュアを使う。赤ん坊が頭を横にひねる動作にではなく、縦にふる動作にもとづいてギリシャ人は「ノー」の身ぶりをするわけだ。ギリシャ人の否定表示は頭をつんと反らす動作なのである。
≫》
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