２－１　父方の家系

父の父親で私の祖父に当たるのが、満州鉄道総裁の秘書をしていた人です。祖父は当時東洋のマタハリと言われた川島芳子の養父で、満蒙独立運動の先駆者でもあった川島浪速と深い交友関係がありました。父方のお墓の隣にはその川島浪速のお墓があります。父方の祖父は私が生まれるずっと前に亡くなっていますが、父の家系は当時としてはそれなりの名家だったようです。

一時期は、父の母親が幼少の川島芳子を預かって世話をしていたとのこと、ちなみに上坂冬子著作「男装の麗人・川島芳子伝」の中に、祖父母の名前と当時の川島芳子とのエピソードが書かれているのです。父は兄と妹の間の次男で気丈な祖母にとても愛されて育ちました。お手伝いさんもいた裕福な家で「可愛い！可愛い！」と育てられたとのことです。