第２話　両親

私の両親はふたりとも大正生まれで、親同士が決めた結婚でした。それぞれの娘と息子の結婚相手が気に入ったというより、母方の祖父と父方の祖母同士がお互いを気に入って、お見合いする本人たちの意志に関係なく結婚を決めたそうです。

母は上述した裕福な家の長女として生まれ、初めての子供としてかなりわがままに育てられたようです。自分の父親が一方的に決めた結婚で、2回しか会わなかった見合い相手である父にも、最初から何の魅力も感じなかったから、結婚はしたくなかったと後に母から聞きました。でも当時は親に反抗することもできず、仕方なく結婚したのだと言うことです。