第3話

文字数 2,121文字

「見たほうが早いよ!」
「またなんかみるの?」
「うん!これ見て」
「なになに〜?」
「この動画二回目の探索の時のらしいんだけど‥‥」
「二回も言ってるの?こいつらも懲りないね〜リベンジ凸とかって暇か?」
「ツッコミはそこまで!問題は後半・・・16分くらいに早送りしてみて」
「16分・・・?・・・にしてみたけど」
「なんかいるでしょ?」
「ん?‥‥これって本当にあの廃墟の中なの?明るくて綺麗な部屋の中に人が寝てる。〈謎の少女と老人が現れた〉てテロップが付いてて」
「そうそう二人の謎の人物がいるでしょ?」
「バズり狙いで仕込んだ役者とかじゃないの?」

「いやいや〜動画の最後にキー&ウッシーが「途中ヤラセに思うかもしれませんが、まったく映像はイジってません!100%ガチです」って説明してたよ。さっき言ったとおりの廃墟ビルの本物のオーナーなのかも・・・でも正直ドラマみないな演出ぽいって気もするけど」

「モザイクかけて一見リアルドキュメント映像って見えるけど、あの床に倒れてるのが少女なのかも怪しいね。でもキー&ウッシーは見た感じ、演技してる感じじゃないよね。リアクションはマジっぽい」
「うんうん本気の驚いてるよね」
「で、このビルの五階で撮った動画ってことだけど、部屋の壁とか床は白くて現役のビルって感じよりも上のなんて言うか、帰属の宮殿って感じでめちゃくちゃ綺麗だったよね。廃墟の中に突然おかしいよね。なんでだろ・・・?」
「ヨウコの言うとおりおかしいけどさぁ、セットって感じじゃないし、あの老人のしゃべり方めちゃくちゃくせあったけど、とって作った感じじゃなかったでしょ?なんて言ったらいいんだろうなぁ‥‥もしかしてあの廃墟には奇妙な冒険の世界の入り口があるんじゃない?ひょっとしてあの老紳士はジョセフじゃない!?」

「なはずね〜だろって。ジョジョはアニメでこれは配信者の現実の動画なんだから・・・。にして廃墟と思えない別世界だよね〜。違うって言うか現実を越えた解像度の高さっていうか・・・・」

「老人と少女って何者なのかな?」

「ワンチャン老人が本物のビルオーナーだったとして、長い間失踪してるってはなしだけど、実はたまに懐かしさで自分んおビルに戻って来ていて、そこにたまたまキー&ウッシーがオーナーの隠し部屋を発見して鉢合わせしたとか・・・? だとしても、倒れている少女のほうはまったくわかんないなぁ・・・」

「うんうん・・・。それが女の子の声なのかわかんないけど、顔にモザイク映像のときに、小さなうめき声が聞こえた気がしたけどね」
「老紳士、少女のこと何て言ってたっけ?そこだけもっかい再生してみよう」
「えーとたしか・・・「これは娘だ」って言ってたかな?」
「うん・・・そしてその後のセリフだけど・・・・・。「聞き分けのない娘にお仕置きを与えるために、肉体と魂に楔を刺しこんだ」って・・・・これ、どういう意味だろ?」
「まったくわかんない」

「‥‥老紳士はそのあと続けて「永遠の乙女でいる彼女の願いを叶えた」とも言ってるね」

「ちょっと頭おかしいのかもよ。認知症とか?」
「確かに今レイカの言ったことが普通の感覚かもね。でもさ〜これって常識的な映像じゃないかもよ。これっちょっとする本物かもしれない・・・」
「ん?本物?」
「うん、オカルト臭がするっていうか何かが引っかかるんだよね・・・」
「え?さっき言ってた事と逆じゃない?」

「それは横に置いておいて話を聞いてよ。普通はさ、2+2は?って言ったら答えは4て答えるでしょ?」

「そりゃそうよ」
「だよね。でもオカルト的な世界では2+2の答えが、7とか13になり得るとしたら?」
「なにそれ?」
「つまりさオカルトではそういう異常に思えることが起きるってこと。通常の理屈では正しい正解が得られないっていう例え話だよ」
「なんか半分からかわれてる気もするけど、ちょっとはわかるかも」
「それで十分だよ。で、とにかくさ〜この動画のモザイク編集がされてるところ、なんて言うか妙に胸がざわざわしない?」
「うん、たしかに‥‥」
「入ってみようか?」
「え?見るだけだったんじゃないの?マジで言ってる?」
「怪談じゃないにしても、万が一事件ていう可能性もあるでしょ?もし本当に誰かが監禁されてた痕跡があったら大変な事だよ。五階に行って確認してみようよ」
「てかあたしの方が怖くなってきてんだけど・・・。それにワンチャンマジで監禁とかの犯罪の証拠を見つけたら、警察行かないといけなくならない?まずいでしょ?」
「それは大丈夫。どこか公衆電話から匿名で110番通報すれば問題ないって」

「ヨウコは完全に探索モードってわけね。う〜ん・・・まぁ何かあったら走って逃げればいいか」
「そうそう、入ろう!」
「ヨウコのこういうところだよ」
「ん?」
「あんた学校で一部からバカ勇者って呼ばれてるよ」
「え!? なにそれ?」
「いやトリマ行こうか、しゃあない」
「ちょっと待なよ、誰だよ私のこと馬鹿にしてんのは?」

そんな風にわちゃわちゃしながらも、キー&ウッシーの廃墟探索動画が役にたち、ヨウコとレイカはビルへの入り方を難なく見つけ出し、内部へ潜入して行くのだった。


To be continued.

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登場人物紹介

芹沢ヨウコ。都立雛城高校二年生。実質なにも活動していない茶道部所属。紙の本が好きで勉強も得意だが興味のある事しかやる気が起きないニッチな性格のため成績はそこそこ。根はやさしいくリーダー気質だが何事もたししても基本さばさばしているため性格がきついと周りには思われがち。両親の影響のせいか懐疑派だが実はオカルトに詳しい。

水原レイカ。都立雛城高校二年生。芹沢ヨウコとは同級生で友人同士。弓道部所属して結構マジメにやっている。母子家庭で妹が一人いる。性格は温和で素直。そのせいか都市伝説はなんでも信じてしまう。ホラーは好きでも恐怖耐性はあまりない。

コタロー。村山台の地域猫でナレーションができる猫である。

君島キリト。怪異SEEKER-Keye(キー)&UCCy(ウッシッシー)というYouTuberのコンビで愛称はキー坊。ディレクションかつカメラ担当。映像クリエイーターを目指しエンタメ系の専門学校にかよっているなか、高校時代の友人だった牛山シオンと組んで動画配信を始めた。YouTube登録者数17万人のチャンネルを運営していて、視聴者の投稿を頼りに全国の有名廃墟や、未発掘のいわく付き物件を探しては遠征している。

牛山シオン。怪異SEEKER-Keye(キー)&UCCy(ウシッシー)というYouTuberのコンビで愛称はウッシー。MC担当。テンションの高さとフィジカルの強さが自慢。ピザ屋の配達と引っ越し業で鍛えた体で各地の危険な場所にも前のめりに潜入する肉体派。YouTuberとして有名になった後でも、引越センターに頼りにされおり、筋トレ代わりに引っ越し業でこなしている。

廃墟ビル五階に現れた杖を持つ老人。自称ビルオーナーと名乗るが正体不明の老紳士。

囚われている謎の少女

正体不明の声

ユカと呼ばれる謎のメイド少女。

この辺りのボス猫で結構な年齢のオス猫。名前は助蔵。コタローの後見人的な存在でもある。

謎の種族。

逃げるネズミA

逃げるネズミB

黒い球体

耳と目の球

スーパーコタロー。

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