第8話 裕子ちゃん、背伸びしすぎ!
文字数 830文字
母が振り返ると、玄関とは反対の廊下に裕子が立っていた。
母はとつぜんしゃがみこむと、裕子をきつく抱きしめた。
泣き出す母。
しばらく続く嗚咽。
宿題は先にすませておきなさい、と母はいつもより優しく云った。だまってうなずく裕子。
母がキッチンに向かう。廊下には、裕子一人だけになる。
裕子はつぶやいた。
裕子は悩ましげにため息をついた。
裕子はリビングに戻っていく。
小学生には似合わない、諦めと憂いをたたえた表情のまま。