第4話 裕子とネットショッピング

文字数 418文字

 パソコンに向かう母と小学生の娘。
ママ、なにしてるの?
お買い物よ
おかいもの?
うん。ネットショッピングっていってね、パソコンで買いたいものをえらぶと、それがお家に届くようになってるのよ
すご~い。今日はカバンを買うの? いっぱいあるね
そうよ。これだけあると、どれを買おうか迷うわね
そうね、確かにいっぱいあるわ
でも……
でも?
たくさんあることが、必ずしも良いこととは限らない
ただ無駄な情報に振り回されて、自分にとって本当に必要なものを見失っている可能性だってあるのよ
ゆ、裕子……?
インターネットで選択肢が広がったと、私たちは喜んでいる。でもその中には、全く不必要な情報まで含まれていることも多いのよ
その中から欲しいもの選別するのに余計な時間をとられるのは、本当に進歩と言えるのかしら
私たちは情報の海におぼれないよう、もっと注意深くインターネットを扱うべきだと思うの
あ、あなた! 裕子がパソコン使ったことないのに、突然情報の海とかって……あなた!
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登場人物紹介

母親

ほら裕子。自己紹介しなさい

裕子

裕子です! 十歳です! 小学四年生です!

好きな教科は国語と社会で、苦手な教科は体育です!

でも友だちも先生も優しいし、学校はとても楽しいでーす!


――なんてね。フフ。

自己紹介で私の全てを知ろうだなんて、虫がよすぎると思わない?

所詮自己紹介なんて自分の中の良い部分、自慢したい能力を披露するだけのものよ。

本当の人間性はこんなことじゃ到底理解し得ないことに、この欄を読む側もそろそろ気づくべきじゃないかしら。


母親「ど、どうしたの裕子!」

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