9章―1

文字数 5,457文字

9章 Meet again at the blue broad lake


 柔らかな陽光が眠気を誘い、大きな欠伸がついて出る。
 交番勤務の女性、ウェルダ・シアコールは勤務中にも関わらず、時間を持て余していた。赤みがかった黒い前髪が顔にかかり、気だるげに手で払う。
 事務椅子の背もたれに寄りかかり、窓に目を向ける。外は晴れているが、雲が多く風が強い。色づいた木の葉が複数風に飛ばされ、宙を舞った。

「ウェルダ、暇してるんなら見回りでも行って来いよ」

 同僚の男性は資料に目を通しながら溜息をつく。ウェルダは床を蹴り、座ったまま椅子を回転させた。

「嫌ですよ、外寒そうだし」
「あのなぁ、こんな僻地の交番には一人いれば充分なんだよ。見回り出来るのは当直が被った日くらいだぜ?」

 ウェルダは回りながら、げんなりと顔をしかめさせる。

「じゃあビルさんが行けばいいじゃないですか」
「俺は資料整理で忙しいんだ。お前が行けよ」

 これ見よがしに資料を持ち、トントン、と机に打ちつけられる。椅子の回転が止まり、ウェルダは彼を恨めしげに睨んだ。

「分かりましたよ、行けばいいんでしょ」

 どっこいしょ、と立ち上がり、壁際のハンガー掛けから白い帽子を取る。「気をつけてな」という声に返すことなく、ウェルダは交番を出た。

 白い自転車に乗り、舗装されていない林道を走る。制服である白いベストだけでは風が寒く、ウェルダは「ジャケットにすればよかった」と早々に後悔した。
 左手を放し、ベストの下に潜りこませる。脇の下に左手を挟むと、その部分からじんわりと温かくなった。

「この[潜在能力(ちから)]、たまには使ってやらないとね」

 走り続けること五分。途中で『家族』が営む診療所を通りかかったが、今立ち寄ると長話になるだろう。寄るとしたら見回りの帰りだな、とそのまま通り過ぎた。
 その後はすぐに、街が見えてきた。乾いた地面はいつの間にかコンクリートの道路に変わり、両脇の広葉樹も少なくなる。どのルートで見回りしようか、などと考えていると銀色の光が一瞬目に映り、ウェルダは自転車を停めた。

「ん? あれは……」

 道路の対向車線から、銀色の車が向かって来る様子が見えた。豆粒程の車体は、近づくにつれて大きくなる。その車は乗用車ではなく、大型のキャンピングカーのようだ。
 ウェルダは目を見開いた。その車の持ち主は、彼女の『家族』なのだ。

「え、待って! ルイン達が来るのって、今日だっけ?」

 慌てて自転車から降り、道路端に寄せる。ウェルダはジャンプしながらその車に向けて、満面の笑みで手を振った。


――――
 赤と黄色、橙色に茶色。鮮やかな紅葉に彩られた林道の中、銀色のキャンピングカーはひたすら北上する。
[家族]はようやく、セントブロード孤児院(SB)付近まで到達した。山間に入り、しばらく林道が続いたが街中に出て、その地域も通り過ぎようとしていた。

「うん十年前までは、この町もなかったんだ。だから買い物に出る時は遠出する必要があってな。それと比べて、今はいい時代になったものだな!」

 ぬはははは、と運転席でノレインが笑う。アースとラウロ、ナタル、更にシャープとフラットは窓にかじりつき、町の様子を眺めた。
 木々の間から住宅がちらほらと見え、商店街だろうか、幅の広い一本道の両側に数件の店が並んでいるようだ。小規模な町だが人の姿はそれなりに多く、活気のある印象だ。

 その時、助手席のメイラが前方を指差した。

「ねぇ、ルイン。あの人……」
「おぉ、ウェルダじゃないかッ!」

 アース達も目を向ける。道路の向こう側で、人が手を振りながら跳ねていた。徐々に速度を落とし、道路端に停車する。玄関から一人の女性が飛びこみ、夫婦は笑顔で出迎えた。
 赤みがかった肩までの黒髪に、茶色の瞳。長袖Tシャツにジーンズというラフな服装だが、ワンポイント刺繍が入った白い生地の帽子とベストを身に着けている。彼女は[政府]の警官のようだ。
 ノレインは、アース達に彼女を紹介した。

「この人は私達の『家族』、ウェルダだ。ちょうどアビとソラの間の年代だな」

 アースは、カルク島での『同窓会』を思い出した。メイラが見せてくれた卒業写真、いがみ合うアビニアとソラの間に挟まれていた少女は、彼女だったのだ。

「おっ、この三人が新しい[家族]だね?」
「えぇ。黒髪の子がアース、金髪の子がナタル、その連れのフラットとシャープ、あと茶髪の彼がラウロよ」

 メイラは(ラウロだけ『彼』と強調する形で)アース達を紹介する。ウェルダは帽子を取り、三人に笑いかけた。

「ウェルダ・シアコールだよ、よろしくね。この先の交番にいるから、いつでも遊びにおいで」

 ノレインは口髭を弄りながら、彼女に問う。

「それにしても、こんな所で会うとは思わなかったぞ。見回りでもしてたのか?」
「あっ、そうだそうだ忘れてた。いい加減戻らないとね。診療所は今日休みだし、挨拶したら喜ぶと思うよ」
「えぇ、そうさせてもらうわ!」

 ウェルダは皆に手を振り、車内を出た。

「よーし、席に着いてくれ。実はな、この近所で暮らしている卒業生は多いんだ。これから挨拶に行くぞッ!」

 ノレインのかけ声に従い、全員がわくわくしながら席に着いた。
 銀色のキャンピングカーは再び走り出し、自転車に乗るウェルダを途中で追い越す。彼女は片手で大きく手を振る。アース達は窓から身を乗り出し、彼女に手を振り返した。



 舗装された道路はいつの間にか、乾いた地面になっていた。

 ウェルダと別れて数分もしないうちに、最初の目的地に到着した。白木で出来た小さな一軒家。同じ素材の看板には、『ナイトレイン診療所』と書かれてあった。
 敷地内の駐車場に停車し、(スウィートとピンキーを除く)全員が下車する。辺りは静かだが、鳥の声と風の音が心地良い。ノレインがドアを開けて中に入り、アース達はその後ろに続く。待合室には誰もおらず、メイラはスッと息を吸いこんだ。

「リベラー、ニティアー! 遊びに来たわよー!」

 彼女の大声に、全員が耳を手で塞ぐ。それから数秒も経たないうちに、奥のドアが開いた。

「メイラ!」
「リベラ、会いたかったわ!」

 黒髪の女性が駆けこみ、メイラに抱きついた。その後ろから白と黒のボーダー柄のマフラーを巻いた白髪の男性が現れ、夫婦を見て目を潤ませる。アースは、『卒業写真』のメイラの隣にいた二人だ、と咄嗟に思った。

「新しい[家族]も一緒に来てくれたんだね」

 女性はアース達に気づき、微笑みかけた。癖のある長髪に、右の口元のほくろ。白いニットにグレーのスカート姿であり、彼女からはとても優しい印象を受ける。
 ノレインは二人の横に並び、アース達に紹介した。

「院長のリベラと、薬剤師のニティアだ。二人は夫婦なんだぞ!」
「はじめまして、リベラ・ブラックウィンドです。この人は夫のニティア。私はメイラと、ニティアはルインと同い年なの」
「…………」

 リベラはニティアに寄り添い、彼を見上げる。ニティアは無表情で黙っているが、興味深そうにアース達を見つめている。
 服装はマフラー以外黒一色だが、鍛え上げられた肉体の持ち主だと分かる。長身なこともあり威圧的に見えるが、その雰囲気はむしろ小動物を連想させた。
 リベラは彼を見て微笑み、再びアース達の方を向く。

「ニティアも、皆に会えて嬉しいって」
「えっ、喋ってないのに分かるんですか?」

 ナタルが驚いて質問すると、リベラは大きく頷いた。

「うん。それが私の[潜在能力]だからね。私は『目が合った人の感情と体調が分かる』んだ」

「ちなみにニティアは『風を操れる』んだぞ!」とノレインが自慢げに言う横で、ニティアはその頭を見下ろす。窓も空いていないのに暖かい風が吹き、彼の薄い髪の毛が、そよそよと踊った。
 そういえば、ノレインは『同窓会』の時『SBに集まった生徒は皆[潜在能力]に目覚めていた』と言ったような。この二人だけではなく、先程会ったウェルダもそうなのだろう。アースは「今度会ったら聞いてみよう」と思った。

 ノレインは夫婦に、アース達を簡単に紹介する。紹介が終わった後、メイラは名残惜しそうにリベラと抱き合った。

「まだまだ話し足りないけど、ユーリのところにも行かなくちゃ」
「そうだろうと思った。皆、私達も『家族』の一員だから、困った時はいつでも力になるからね」

 リベラはニティアの腕を組み、アース達に笑いかけた。ニティアは何も言わなかったが、彼女の言葉に力強く頷く。三人を代表してナタルが、明るい笑顔で返した。

「はい、これからお世話になります!」



 診療所を出発し、銀色のキャンピングカーは林道を進む。途中で交番らしき建物を通り過ぎ、間もなく、次の目的地に到着した。
 水色に彩られた木造の一軒家。玄関先には深緑色のプランターが所狭しと並び、秋の花や植物が植えられている。看板には可愛らしい丸文字で、『植物園・プラントフィリア』と書かれていた。
 アース達は下車し、ノレインを先頭に店内へと入る。カラン、とドアに取りつけられた呼び鈴が鳴った。

「ユーリ、久し振……」

 何故かノレインの声が途切れる。後に続く[家族]は身を乗り出したが、彼の隙間から衝撃的な光景が垣間見え、唖然とした。三人の人物が、修羅場を繰り広げていたのだ。

「こんの泥棒『猫』! 目ぇ離した隙に何やってんだよ!」

 深緑色のエプロンを着けた白髪の青年。服装はゆるく、彼は二十代前半か。

「うっさいわねエロ『兎』! 大人しく雑用してなさいよ!」

 毛先のみ丁寧にカールをかけた、肩までの黒髪の女性。黒いレザーのジャケットに、同じ素材のミニスカートとピンヒールのブーツ。彼女も、青年と同年代だと思われる。

「ル、ルイン……た、すけ、て……」

 青年と同じエプロンを着けた、水色の髪の少年。背丈はアースより少し低く、前髪は一筋、重力に逆らう状態で跳ねている。彼は二人に双方向から引っ張られており、ノレインに助けを求めた。
 すると、ノレインではなくラウロが、彼らの前に飛び出した。

「誰かと思ったら、アンヌとオズナーじゃねぇか!」

 青年と女性は驚き、少年から手を放す。二人は同時に瞬きすると、同時に「ラウロ⁉」と叫んだ。

「えっ、おま、ほんとにラウロだよな? カルク島に行ったんじゃなかったのかよ!」
「ていうか生きてたのね。もう会えないと思ってたわ!」
「まぁな。色々あって、今は[家族]と一緒にいるんだ」

 三人は目を輝かせながら、嬉しそうに笑い合う。少年を抱き起し、ノレインは慌てて口を挟んだ。

「ラウロ、これはいったいどういうことなんだ?」
「あー、こいつらは俺がミルド島にいた頃、よくつるんでた仲間なんだ。『黒猫』のアンヌと、『白兎』のオズナー」

 ラウロは二人を紹介し、二人はにこにこと[家族]に笑いかける。よく見るとアンヌの瞳は黄色で、オズナーの瞳は赤色。確かに猫とウサギみたい、とアースは思った。

「そういやお前ら、こんな所で何やってんだよ?」
「えっと、オズナーは僕の店のアルバイトなんだ」

 ラウロの問いに答えたのは、水色の髪の少年だった。彼は少し緊張した様子で目を泳がせている。

「紹介が遅れたな。彼はこの店のオーナーで、私の『大親友』なんだッ!」
「ユーリット・フィリアです。あ、『ユーリ』でいいからね」

 ノレインはユーリットの肩を抱き、嬉々として紹介する。アースは、『卒業写真』でノレインと共にヒビロに抱かれる少年を思い出した。彼の姿は写真と同様、どう見ても十代の少年だが、恐らくは夫婦と同世代なのだろう。
 その隣で、ラウロはにやけながらオズナーの背中をドンと叩いた。

「まさかお前が真っ当に働いてるなんてびっくりだぜ! アンヌもここのバイトなのか?」
「いや、こいつはただの迷惑客な」
「失礼ね!」

 アンヌはオズナーを一瞬睨んだが、すぐに目線をユーリットに移す。

「ていうかユーリ、いつもの『女性恐怖症』はどうしたのよ? あなたのすぐ隣にいる金髪の子、ぱっと見男の子に見えるけど、よく見ると女の子よ?」

 ユーリットは反射的にナタルを見る。二、三秒程の間を置き、彼はほっと息をついた。

「ルイン達の大切な[家族]だからかな、大丈夫みたい」
「てなわけでアンヌ、お前はそろそろ帰れ」
「えー、何でよー!」

 玄関を塞いでいた[家族]は思わず両側にはける。オズナーに背中を押され、アンヌは外に追い出された。
 その間にノレインが新しい[家族]の紹介を済ませ、メイラは思い出したように切り出す。

「そういえば、あの時はたっくさんの野菜、ありがとね!」
「あぁ、どういたしまして。僕に出来ることはこれくらいしかないもんね」

 ユーリットは照れながら返し、オズナーはその彼を惚気たように眺める。
 足元の棚に陳列された野菜の肥料を見て、アースはあることを思い出した。『同窓会』の時、アビニアとソラは『『家族』からの仕送り』として大量の野菜を届けに来た。その送り主はどうやら、ユーリットで間違いないようだ。
 ユーリットはふと表情を曇らせ、ノレインの腕をそっと掴んだ。

「そうだ。皆これから『家』に行くんだよね? コンバーのことなんだけど……」

[家族]は沈黙する。ミルド島の港で卒業生コンバーの訃報を聞いたのだが、連絡をくれたのはユーリットだった。彼は俯き、掴んだ腕をぎゅっと握った。

「こないだよりだいぶ落ち着いたんだけど、ファビがまだ、立ち直れないみたい。彼の様子、気にしてあげてほしいんだ」


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登場人物紹介

【ノレイン・バックランド】

 男、35歳。[オリヂナル]団長。SB第1期生。

 焦げ茶色の癖っ毛に丸まった口髭が印象的。

 喜怒哀楽が激しくおっちょこちょい。

 髪が薄いことを気にしている。趣味は手品と文章を書くこと。愛称は『ルイン』。

 [潜在能力]は『他の生物の[潜在能力]を目覚めさせる』こと。

【メイラ・バックランド】

 女、32歳。ノレインの妻。SB第3期生。

 カールがかかったオレンジ色の髪をポニーテールにしている。

 お転婆で気が強い。怒ると多彩な格闘技を繰り出す。

 趣味は写真撮影。口癖は「まぁ何とかなるでしょ」。

 [オリヂナル]では火の輪潜り担当。[潜在能力]は『一時的に運動能力を高める』こと。

【デラ&ドリ・バックランド】

 男、12歳。バックランド家の双子の兄弟。

 明るい茶色の癖っ毛。無邪気で神出鬼没。

 見た目も性格も瓜二つだが、「似ている」と言われることを嫌がる。

 [オリヂナル]では助手担当。[潜在能力]は『相手の過去を読み取ること』(デラ)、『相手の脳にアクセス出来ること』(ドリ)。

【モレノ・ラガー】

 男、15歳。ミックの兄。

 真っ直ぐな栗色の短髪。

 陽気な盛り上げ役。帽子をいつも被っており、服装は派手派手しい。

 割と世間知らずな面がある。妹離れが出来ない。

 [オリヂナル]では高所担当。[潜在能力]は『一時的にバランス能力を高める』こと。

【ミック・ラガー】

 女、10歳。モレノの妹。

 ふわふわした栗色の長髪。

 引っ込み思案で無口。古びた青いペンダントを着けている。

 世話を焼きたがるモレノを疎ましく思っている。アースのことが気になっている。

 [オリヂナル]ではジャグリング担当。[潜在能力]は『相手の[潜在能力]が分かる』こと。

【アース・オレスト】

 男、10歳。

 さらさらした黒い短髪。

 実の父親から虐待を受け、『笑う』ことが出来ない。

 控えめで物静かだが、優れた行動力がある。特技は水泳。年齢の割にしっかり者。

 [オリヂナル]では水中ショー担当。[潜在能力]は『酸素がない状態でも呼吸出来る』こと。

【ラウロ・リース】

 男、25歳。

 腰までの長さの薄茶色の髪を一纏めにしている。

 容姿・体型のせいで必ず女性に間違われる。明るく振舞うが素直になれない一面がある。

 元『娼夫』で、フィードに捕らわれていた。優秀なツッコミ役。趣味はジョギング。

 [オリヂナル]では道化師担当。[潜在能力]は『治癒能力が高い』こと。

【ナタル・シーラ・リバー】

 女、19歳。RC社長の娘。

 肩までのストレートの金髪。瞳は緑色。右耳に赤いイヤリングを着けている。

 母親を殺害した父親に復讐を誓う。勇敢で頼もしい性格。RCを欺くため男装している。特技は武術。

 [オリヂナル]では動物のトレーナー担当。[潜在能力]は『一時的に筋力を上げられる』こと。

【スウィート】

 オスのライオン、6歳。捨て猫と一緒にメイラに拾われた。

 とても臆病で腰が低く、何故か二足歩行する。火が苦手なベジタリアン。

 [オリヂナル]では主に玉乗り担当。[潜在能力]は『全ての動物の言語を使える』こと。


【ピンキー】

 メスのオウム、8歳。体の色はショッキングピンク。

 神経質で短気。趣味はスウィートをからかうこと。

 [オリヂナル]では効果音担当。[潜在能力]は『声質を自由に変えられる』こと。

【シャープ】

 オスのブルドッグ。ナタルの従者。

 沈着冷静な性格。執事のように振舞う。

 [オリヂナル]ではナタルのパートナー担当。[潜在能力]は『分身を作る』こと。

【フラット】

 オスの猿。体の色は黄色で、種名は不明。ナタルの従者。

 怖がりでよくドジを踏む。人型の時は黄色の短髪の青年(ただし尻尾は出ている)。

 [オリヂナル]ではナタルのパートナー担当。[潜在能力]は『人の姿を取れる』こと。

【フィード・アックス】

 男、30歳。RC社長代理。

 青い髪をオールバックにしている。蛇のような細い目が印象的。

 冷酷な性格で無表情だが、独占欲が強く負けず嫌い。

 ラウロとナタルを連れ戻すため、[オリヂナル]を追跡している。鼻を鳴らすのが癖。

 [潜在能力]は『舌に麻痺させる成分を持つ』こと。

【ヒビロ・ファインディ】

 男、35歳。SB第1期生。[世界政府]の国際犯罪捜査員。

 赤茶色の肩までの短髪。前髪は中央で分けている。飄々とした掴み所のない性格。

 長身で、同性も見惚れる端正な顔立ち。同性が好きな『変態』。

 ノレインを巡り、メイラと激闘を繰り返してきた。RCの事件を追っている。

 [潜在能力]は『相手に催眠術をかける』こと。

【ケイティ・マドレー】

 女、24歳。クィン島出身の雑誌記者。

 くすんだ緑色の髪を肩まで伸ばしている。可愛らしいデザインの帽子を好んで身に着けている。

 思い立ったら即行動に移す頼もしい性格。[オリヂナル]の公演で人生が変わった者の一人。

 ドアを高速でノックする癖がある。

【ウェルダ・シアコール】

 女、27歳。SB第6期生。SB近所の交番勤務。

 赤みがかった肩までの黒髪。瞳は茶色。

 曲がったことは嫌いな性格だが、面倒臭がり。ソラの親友。

 [地方政府]に在籍したことがある。ソラとアビニアに振り回されたせいか、しっかり者になった。

 [潜在能力]は『手を介して加熱出来る』こと。

【リベラ・ブラックウィンド】

 女、32歳。SB第3期生。SB近所で診療所を営む。ニティアの妻。

 毛先に癖がある黒い長髪。右の口元のほくろが印象的。

 おっとりとした性格。元々体が弱く、病気がちである。

 メイラの親友。趣味は人の恋愛話を聞くこと。

 [潜在能力]は『相手の体調・感情が分かる』こと。

【ニティア・ブラックウィンド】

 男、35歳(初登場時は34歳)。SB第1期生。リベラの診療所の薬剤師。リベラの夫。

 白いストレートの短髪。白黒のマフラーを常に身に着けている。

 極端な無口で、ほとんど喋らないが行動に可愛げがある。

 筋肉質で、体はかなり鍛えられている。趣味は釣り。

 [潜在能力]は『風を操る』こと。

【ユーリット・フィリア】

 男、34歳(初登場時は33歳)。SB第2期生。SB近所で植物園を営む。

 肩より短い水色の短髪。重力に逆らうアホ毛が印象的。内気な性格。

 背が低い上童顔なので、実年齢より若く見られることが多い。

 女性恐怖症。ノレインの親友。愛称は『ユーリ』。

 [潜在能力]は『五感が優れており、[第六感]も持つ』こと。

【オズナー】

 男、23歳。ユーリットが営む植物園のアルバイト店員。『兎』。

 癖のある白色の短髪。瞳は赤色。若者らしいラフな格好。

 軽い性格だがユーリットからは信頼されている。

 アンヌとは昔からの知り合いで、兎猫…いや、犬猿の仲。

【アンヌ】

 女、24歳。ミルド島の女怪盗。『猫』。

 肩までの黒い巻毛。瞳は黄色。露出度の高い服装を好む。

 我が儘で気まぐれだが、一途な一面も見せる。

 ユーリットを女性恐怖症に陥れた張本人だが、事件後何故か彼に好意を抱くようになった。

【レント・ヴィンス】

 男、年齢不詳(見た目は30代)。SBを開設した考古学者。

 癖のついた紺色の短髪。丸い眼鏡を身に着けている。服装はだらしない。

 常に笑顔で慈悲深い。片づけが苦手で部屋は散らかっている。

【トルマ・ビルメット】

 男、40歳(初登場時は39歳)。SBの助手で、家事担当。

 クリーム色の長髪を後ろで緩くまとめている。瞳は琥珀色。

 見た目は妖艶な美女。普段は穏やかで優しいが、ややサディスティック。

 助手になる前の記憶がない。趣味は園芸。

 [潜在能力]は『相手の考えていることが分かる』こと。公言していないが、『狐』である。

【ゼクス・ランビア】

 男、42歳。SBの助手で、技師担当。

 白髪混じりの銀髪を短く刈りこんでいる。手先も性格も不器用。

 トルマによくからかわれている。沸点はかなり低め。

 助手になる前の記憶がない。

 [潜在能力]は『手で触れずに物を動かせる』こと。

【ソルーノ・ウェイビア】

 男、30歳(初登場時は29歳)。SB第4期生。SBの助手で、料理番担当。

 紫色の肩までの癖っ毛を、後ろで一つにまとめている。瞳は黒。

 服装は真っ白だが心は真っ黒。きまぐれな性格で精神年齢は永遠の10歳。

 ヒビロに続く『変態』。趣味はお菓子作り。

 [潜在能力]は『相手に幻覚を見せる』こと。

【ミン・カルトス】

 女、12歳。SBの生徒。生まれて間もない頃、SBに捨てられた過去を持つ。

 黒髪を低い位置でツインテールにしている。チェック柄のワンピースが好み。

 おとなしい性格だがお喋り好き。SB近所の町で幼い子供達の世話を手伝っている。

 コンバーとは実の兄妹のような間柄だった。

 [潜在能力]は『一時的に体を金属に変えられる』こと。

【リタ・ウィック】

 女、10歳。SBの生徒。

 焦げ茶色の肩までの短髪。動き易いズボンを身に着けており、時々少年に間違われる。

 SBを代表する問題児。フロライト兄妹とは悪友で、常にファビを振り回している。

 [潜在能力]は『衝撃波を操る』こと。

【サファノ・フロライト】

 男、8歳。SBの生徒。ルビナの兄。

 紫に近い青い短髪。好きな色は青。やんちゃな性格で、イタズラ大好き。

 ルビナとは双子だが二卵性らしく、あまり似ていない。

 [潜在能力]は『体全体から光を発生させる』こと。

【ルビナ・フロライト】

 女、8歳。SBの生徒。サファノの妹。

 橙に近い赤い長髪。好きな色は赤。

 性格はサファノと似ており、イタズラ大好き。

 [潜在能力]は『体の一部分から光を発生させる』こと。

【ファビ・フォーカスト】

 男、15歳。SBの生徒。

 少々癖の強い白の短髪。年齢の割に背が高い。

 内気でおっちょこちょいだが、騒がしい同級生達をまとめ上げるしっかり者。

 コンバーの親友だったが、彼を亡くしてから時々塞ぎこんでいる。

 [潜在能力]は『天気を正確に予測出来る』こと。

【コンバー・カインドウィル】

 男、19歳。SBの卒業生。

 黒に近い茶色の短髪。優しい笑顔がトレードマークで、滅多に怒らない温和な性格。

 教師志望で卒業後は文系の大学に通っていたが、転落事故に遭ったファビを[潜在能力]で助け、亡くなった。

 [潜在能力]は『自分と相手の体の状態を交換出来る』こと。

【チェスカ・ブラウニー】

 男、27歳。RC諜報部長。

 薄桃色の長髪を一本に束ねている。瞳は灰白色。灰色の額縁眼鏡をかけている。

 物腰が柔らかく、どんな相手でも丁寧に接する。

 諜報班時代のフィードの部下で、彼のことは『チーフ』と呼ぶ。

【シドナ・リリック】

 女、28歳。ミルド島出身の[世界政府]国際犯罪捜査員。シドルの姉で、ヒビロの部下。

 明るい緑色のストレートの長髪。真面目でしっかり者。策士な一面を持つ。

 海難事故により、[潜在能力]に目覚めている(『相手の記憶を操作する』こと)。

【アビニア・パール】

 男、28歳。SB第5期生。占い師『ミルドの巫女』。

 黒い長髪で声が高く、女性に間違えられる。ひねくれた性格の毒舌家だが、お人好しの一面を持つ。

 幼少期の影響で常に女装をしている。職業柄、体を鍛えている。ソラとは犬猿の仲。愛称は『アビ』。

 [潜在能力]は『相手の未来が見える』こと。

【ソラ・リバリィ】

 女、25歳。SB第7期生。『Sola』の名で歌手活動をしている。

 天真爛漫な性格。空色の長髪を一筋、両耳元で結んでいる。特技はアコーディオンの弾き語り。

 音楽の才能は素晴しいが、それ以外はポンコツ。自他共に認める腐女子。アビニアとは犬猿の仲。

 [潜在能力]は『相手の感情を操る』こと。

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