言葉が消えていく年ごろ

文字数 583文字

調べても調べても自分の腹に落ちないというだけではなく、はじめから覚えられない単語というものがある。
それはいい。悩むことはない。
本を読んで語義を理解できない言葉は増加していない。それなのに、使える言葉が減っているのだ。
「適応していくこと」が、言葉を失うことなのだとおもう。
下記動画をみてそうおもった。
https://www.youtube.com/watch?v=YS_eOCzCiPw&t=46s

もともと信念のないわたしであるが、信念ゼロに輪をかけた読書といえる、新人作家たちの作品を読みつづけることをしている。
感受性の老化を意識したわけだが、いまを知るというのは何年単位のことなのか。
生活のどの部分に焦点をあてるのか。アニー・エルノーがナプキンなどの女性の日常を描き、男性作家から批判を浴びたのは今は昔。日本の若い、といっても30歳前後の作家は「レバーのような血の塊」が股から垂れることを書いている。

悩みを理解してもらいたいというのは、そこから飛び去りたいということだ。理解を超越したいというのが本質的な願いだろう。
エルノーの小説も、セックスに没入しているシンプルな情熱に魅力がある。

今とは現代のことではない。
あなたの目の前にある(というと、逃げになる。わたしの目の前にある)今である。かけがいのない、だれか他人がつくったものではない、自分だけの今である。
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