第14話 メチルフェニデートの作用メカニズム

文字数 748文字



メチルフェニデートは中枢神経刺激薬です。

ドーパミンとノルアドレナリン再取り込みを阻害することによって、脳の前頭前皮質や線条体を刺激して、脳機能の一部の向上や覚醒効果を主な作用とする、精神刺激薬です。

次に、メチルフェニデートの作用のしくみについて、詳しくみていきます。

メチルフェニデートは、脳内の神経細胞の間で情報を伝える役割を果たしている神経伝達物質(ドーパミン、ノルアドレナリン)の働きを活性化することで、ADHDの症状である不注意、多動性、衝動性を改善すると考えられています。

離れた神経細胞同士の間では、情報の伝達は神経伝達物質によって行われます。神経細胞が興奮すると、神経終末に蓄えられていた神経伝達物質がシナプスのすき間に放出されます。

シナプスとは神経細胞であるニューロンと次のニューロンをつなぐ接合部のこと。シナプス前膜、シナプス後膜で構成され、その向かい合う2つのすき間をシナプス間隙(かんげき)と呼びます。

一部の神経伝達物質は隣り合う神経細胞の後シナプスにある受容体に結合し、情報を伝達します。

また、このとき放出された神経伝達物質の一部は前シナプスの神経終末にあるトランスポーターというポンプ状のものによって、再び神経終末内に取り込まれリサイクルされます。

メチルフェニデート薬剤は投与されると、トランスポーターに結合し、再取り込みを阻害します。

これにより、シナプスのすき間での神経伝達物質(ドーパミンやノルアドレナリン)の濃度は一時的に上がります。

これがメチルフェニデート薬の作用です。

現在認可されている薬では、成分が少しずつ身体に放出されるようカプセルが工夫されているため、早朝6時に飲めば夜6時まで効果が持続するようになり、急激に血中濃度が上がったりしないので、効き目も穏やかだと言います。

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