243話② 実はかなりレアな「阿波国分尼寺跡」

文字数 1,383文字

で、なんで寺の数が一気に増えたんだ?

なんじゃ、まだわからんのか?

わからん!

ほいじゃあ、わしがさっき「国分寺建立の詔」の説明の時に言うたことを思い出してみい。

……あ!!

ほう、ニコルは気づいたようじゃの。

そういえば、さっき今岡先生は「日本の各国に国分寺と国分尼寺いうお寺さんの建立を命じた」とおっしゃってましたね。

それがちょうど倍の数になった理由なのでは?

ご名答。

そう、全国に作られたのは男子専門の国分寺だけでなく、女子専門の国分尼寺も作られたんよ。

ちなみに国分尼寺に対比して呼ぶ場合、国分寺のことをあえて「国分僧寺」と呼んだりもするんじゃがの。

なお、こっちが、阿波の国分尼寺跡じゃ!

なんて言うか……跡地だからか、ちょっとパッとしねえな。

地味、ですね……

まあ、そのへんは、しょうがなかろうてな。

ほいじゃが、この阿波国分尼寺跡、なにげにレアものでもあるんで。

レア?

これがか?

おう。

なにしろ全国各地の国分寺の方はいまでも現役で残っとるところもあったり、跡地しかなくなっとったとしても、その場所や規模がはっきりしとることがわりと多い。

一方、国分尼寺のほうは現役がごく少数なうえ、跡地もようわかっとらんいうのが多いんじゃ。

マジかっ!?

おう。

なので、跡地の場所がはっきりしとって、その規模なんかもはっきりしとる阿波国分尼寺跡は、かなりのレアものいうことなんじゃ。

そういうことでしたか。

そういえば、わしが前のページで「阿波国分寺と東京の国分寺市は関係がある」というたわけじゃが、これはなんとなく理解してもらえたかの?

ええ。

東京の国分寺市も、同じ国分寺っていうお寺さんがあったからってことなんですね。

ま、そういうことじゃな。

東京都国分寺市の西元町いうところに、いまも武蔵国分寺いうのがある。

もっとも、最初に創建されたお寺はもうなくなっとって、国分寺市に現在あるお寺さんは同じ国分寺市の西元町に再建されたものになるんじゃがの。

なるほど。

しかし、あまり東京の国分寺市以外、地名になっているのを聞いたことがないんですが、他のところではあまり地名にはならなかったんでしょうか?

いや、そんなことはないんで。

国分寺市だけ、市の名前になっとるけえ目立つ、いうだけでな。

他んところも、町名に「国分」とか「国分寺」とか、ついとるところはようけえある。

そういうところは大抵、もともと国分寺がおかれとったところだったりするんよ。

たとえば?

ほうじゃな。

香川県高松市国分寺町国分には「讃岐国分寺」、大阪府大阪市天王寺区国分町には「摂津国分寺」、鹿児島県薩摩川内市国分寺町には「薩摩国分寺」といったところじゃな。

けっこう地名としても残ってるものなんですね。

しっかし、寺の名前には全部「阿波」とか「武蔵」とかいうのがつくんだな。

いや、地元じゃあ、ただ単に「国分寺」と呼んどるらしいがの。

しかし、全国単位でいうたら、それらがみな「国分寺」になってしまうけえの。

それじゃあ、ややこしいけえ、それらを区別するために、通称として「〇〇国分寺」いう感じで呼んどる、いうことなんじゃ。

なるほどな。

勉強になりました。

まあ、この知識がどこで役に立つもんなんかはわからんけどな(笑)

おいっ!!

台無しですよ!!

まあ、トリビアや雑学いうのは、そういうもんじゃて。

ほいじゃあ、次のページではこの近くにある、名物でも紹介しちゃろうかいのぅ。

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登場人物紹介

今岡英二公式ツイッター(一日トリビアつぶやき中)



■今岡英二(天使)


最近「小説のキャラよりキャラが立っている」といわれる、同コラボノベルの作者。

無駄に行動力だけはある。

なお、この絵は作者がバンド活動をしていたとき、知り合いのイラストレーターが作成してくれたお気に入りの一枚。現在はバンド活動から離れ、体重が増加したため、ここまでかっこよくはない。


「上京して十数年経つが、広島弁が抜けりゃあせんのう(笑)」とは本人の弁。


■今岡英二(悪魔)


悪魔イラストの割りに、天使と対立しているわけでもない。広島生まれ・広島育ちの根っからのカープファンだが、近年カープが人気しすぎて、年一回の帰省でも現地で野球が見れないのが最近の悩み。


「ええんじゃ。昔の貧乏な頃のカープに比べりゃあのう。みんなが見に来てくれて、潤うようになったカープがありゃあ、それだけでええんじゃ……」とは作者のコメント。

■今岡英二(お守り)


歴史オタク・読書オタク・漫画オタク・勉強オタクな今岡英二の変態担当、作家・ライター担当。自身の小説キャラを辟易とさせるなど、悪魔よりも悪魔っぽい存在。


「なんでそんなことまで知っているんだ」「ふつうそこまで知りませんよ」とキャラにつっこまれても、「勉強したけえの」と言えば大抵のことは許されると思っているなど、余計に性質が悪い。

ニコル・クロムウェル(Nicol=Cromwell)


「Dr.ニコルの検死FILE」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役A。紳士然とした丁寧な語り口だが、作者に対してはたまに辛辣な物言いを吐く。たぶんストレスがたまっているんだね。

武松(ぶしょう)


「大宋退魔伝」の主人公。

作者・今岡英二のつっこみ役B。そろそろ「左近ちゃん 見参!」の三成にでもつっこみ役を代わってもらいたいと思っているが、同作のキャラアイコンが家紋なので却下され、最近やさぐれ気味。きっとストレスがたまっているんだね。

石田三成(いしだ・みつなり)


「左近ちゃん 見参!」の主人公。

同作ではいいツッコミ役を果たしていたが、作者の「キャラアイコンにしっくりくるのがなかったけえ、家紋にした」という一言のせいで、ここでは活躍の場を与えられないという憂き目に遭う。ごめんな。


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