第30話:東日本大震災と長女、真弓の誕生

文字数 1,697文字

 その他、パソコンが、動かないとか、スマートフォンが、動かないとか、ソフトの設定の仕方などの質問が増え、実家のエスティマを借りて、中高年の方には、パソコンを引き取って、輝一の自宅で修理したり、お客さんの家へ出向いて設定したりする場合、交通費込みの修理3千円で引き受けることにして、直らない場合は交通費千円でOKと言う話をした。

 すると月に10件以上の依頼があり、主に中高年が多く、中には、講習会に来ている人の友人のパソコン、スマホの修理を受けるケースも多くなった。あまり多くなったので、引き取って1週間以内に修理し返却するというシステムにした。その後、忙しくなってきたが、月に収入が50万円を越える月も出て来て、大繁盛した。

 収入は増えたが、輝一の書斎にパソコンやスマートフォンが山積みになって、修理に忙しくなった。そのため1週間で、こなしきれなくなった段階で、修理依頼の中止をする程、盛況になった。また必要なくなったパソコンの引き取りスマートフォンの引き取りを引き受けると、その依頼が増えてきた。まだ使えるパソコンはハードディスクをかえて中古販売した。

 スマートフォンもメモリを交換し中古販売すると、これが当たり60万円を越える利益が出た。その後、2011年を迎えた。2000年は1月から仕事を始めて年間利益5百万円を超えた。この調子でいくと来年は6百万円を越えそうな勢いだ。2011年1月5日、朝、薫子さんが、気持ちが悪いと食べた物をもどしたのを見て、輝一におめでたかもと告げた。

そこで、泉さんが念のために近くの産婦人科に行って調べてもらいなさいと輝一に伝え、行くと
、妊娠4ヶ月目とわかり2011年7月13日が予定日と聞かされた。これを聞いて哲男が今度は、可愛い女の子が欲しいなと言うと、泉さんが男の人って、全く勝手なんだから、女がどんだけ辛い思いをして子供を産むか全然わかってないと怒った。

 しかし、2011年3月11日午後2時47分、東北の東の太平洋で巨大地震、東日本大震災が起きた。また、長男の太郎が3歳になり4月から近くの保育園に通う事になり泉さんも哲男も輝一も忙しくなる事を覚悟した。それでも輝一は、毎月1回の釣りを楽しんだ。宮城県栗原市で震度7,仙台、郡山、日立市、大田原市、桐生市、宮代町、成田市で震度6。

 東京、橫浜でも震度5、沼津、伊豆長岡、戸田で震度4と大きな揺れを感じた。その後、薫子さんが、橫浜の佐藤家の実家に電話しても通じなくて、18時にやっと連絡がついて怪我人がいない事を知って安心した。しかし、リビング、キッチンは、散乱した食器で大変だったようだ。交通機関が動いていなくて首都圏の会社から家に帰る人達の大行列が続いたそうだ。

 伊豆長岡でも台所に食器が落ちて片付けに時間がかかった。その晩は、放心状態で、冷蔵庫の残り物で、簡単に夕食を済ませて、呆然と、テレビから流れてくる東北の被害の大きさを見て意気消沈した。しかし、こういう時、子を産む女は、強いもので、翌日から片付けに追われて一家、総出で大忙しだった。幸い釣り仲間や近所の知り合いに大怪我した人がなく、ひと安心。

 その後、薫子さんは、5月13日から産休に入り。泉さんが、前回同様に食事や洗濯など身の回りの世話をして買い物は哲男と輝一が交代で、出かける様になった。夏の暑い日、薫子さんは大きなお腹をして玉の汗をかいて動いていた。それを太郎が見て大変だねと笑いながら言った。梅雨が来て2011年7月10日に前回出産した産婦人科医院にお願いして入院。

 薫子さんは、2011年7月12日、2700gの可愛い女の子を出産。名前は、香子か真弓が良いと言って最終的に立山真弓と決定。7月18日に退院して立山家に帰ってきた。7月20日に薫子さんの父、佐藤直太朗さんと母、佐藤瑞穂さんが立山家を訪ねてきた。

 そして、真弓を見て、瑞穂さんが薫子の時よりも可愛いかも知れないというと、薫子は、複雑な顔をした。どっちにしろ、美人ですよねと、言い返すと、大笑いとなった。3年位して、孫達が橫浜の家に来るのが待ち遠しいなと喜んでくれた。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み