Ｔｒｉｃｋ　ｏｒ　Ｔｒｅａｔ

妖奈「お父さん！」
ファイナル「ああー……ハロウィン？」
妖奈「そそ！トリックオアトリート！」
ファイナル「…ちょっと待ってろよ…？」
机の上の箱に手を突っ込む。
ファイナル「ほら。俺は今これしかなくてな」
クッキーだ。
妖奈「わーい！ありがとお父さん！」
ファイナル「それで…仮装とかはしないのか？」
妖奈「今向こうで準備してるの！」
ファイナル「…準備？」
妖奈「ほら、お父さんも来て！」
腕を引っ張られる。
ファイナル「なんでだよ……」

数十分後。
妖奈「お父さん？着替えた？」
ファイナル「ああ…」
妖奈がカーテンを開ける。
仮装は…死神イメージ。
エンド「結構似合ってるんじゃない？」
イゼ「うん。似合ってるよ」
ファイナル「…菓子など要らぬ。お前の魂を寄越せ。」
サクラさん「…ファイナルさんがやるとそれっぽいですね」
ファイナル「…お前らはもう着替えてるんだな」
エンド→狼男
イゼ→魔女
サクラ→ドラキュラ
妖奈→キョンシー
イゼ「だってほかの人みんな先に行っちゃったし？」
ファイナル「今日だっけ？」
サクラ「そうですよ〜！」
ファイナル「あっそ…行くの？」
サクラ「え？もちろんですよ」
ファイナル「脱いで行っちゃダメ？」
サクラ「ダメですよ♪」
ファイナル「…」
エンド「兄さん？諦めよ？」
ファイナル「…そうする」

パレードはもう始まっていた。
ファイナル「さて…混ざろうとするかねえ」
エンド「何処に行く？」
チルノ「トリックオアトリート！」
ファイナル「…ほら」
チルノ「ふんっ！仕方ないから貰ってやる！感謝しろよ！」
ファイナル「…チッ」
エンド「兄さん、落ち着いて」
ルーミア「トリックオアトリート～なのだ～」
エンド「はい。お菓子」
ルーミア「わはー」
ファイナル「妖精が多いな」
イゼ「普通に人里の子供もいるけど…」
妖奈「ねぇねぇ、まわりすごいことになってるけど…」
ファイナル「…まわり？」
見渡すと人だかりができていた。
エンド「…なんで？」
「すっげぇ！あの狼男カッコイイな！」
「ドラキュラだー！」
「死神か？凄いな…」
「ちょっと写真撮らせてくれよ！」
イゼ「ちょっと…」
ファイナル「あー……えー…と……」
どうするか…
ファイナル「……菓子など要らぬ…貴様らの魂を頂こうか……？」
聞くだけで背筋が凍る。
人だかりは消えていった。
サクラ「凄いですね…」
エンド「兄さん、これ持った方が雰囲気出るかも」
ファイナル「…大鎌？」
妖奈「おお…すごい死神」
ファイナル「…語彙力どうした」
サクラ「さっ！向こう行きましょー！」
ファイナル「よくそんな元気あるな…」
エンド「…ホントだよね」
サクラ「それだけが取り柄ですから…！(ﾄﾞﾔｱ)」
ファイナル「よーし行くかー(棒)」
エンド「向こうは何があるのかなー(棒)」
イゼ「楽しみだねー(棒)」
サクラ「……悔しくないもん」
妖奈「あはは…」

ファイナル「ここも賑わってんな」
エンド「だねぇ」
妖奈「あ…かぼちゃ」
イゼ「かぼちゃ？」
2人の視線の先にはキャンディを配るかぼちゃがいた。
ファイナル「…なんだアレ」
エンド「さあ？」
かぼちゃと目が合う。
妖奈「あ、気づいた」
サクラ「近づいてきますね」
かぼちゃがキャンディを渡す。
イゼ「ん、ありがと…」
サクラ「あ…ありがとうございます」
妖奈「え？くれるの？」
エンド「…ありがとう」
ファイナル「…貰おうか」
かぼちゃは満足そうに違う人へと歩いていった。
妖奈「不思議なかぼちゃでしたね」
ファイナル「そうだな」
サクラ「…早くないですか？剥くの」
ファイナル「いいだろ別に」
エンド「ん、美味いなこれ！」
サクラ「だからぁ！」
エンド「食べないの？」
サクラ「食べますけど…もしも毒だったりしたらどうするつもりなんですか…本当にもう」
ファイナル「毒なら味でわかる」
エンド「うんうん…うん？」
妖奈「これからどうする？」
ファイナル「適当に歩けばいいだろう」
エンド「そうだね。俺も兄さんに賛成する」
サクラ「じゃあ私も」
イゼ「満場一致だね。じゃあ早速行ってみよ〜♪」
妖奈「おー！」

HAPPY HALLOWEEN♪