結婚式　

これは、ファイナルと妖夢が付き合い初めて約半月後の事…
エンド「はーい、兄さん、こっち向いてー」
ﾊﾟｼｬﾘ
エンド「うん。いいよー。やっぱり兄さんは写真映えするよ」
ファイナル「やめろ…」
遠慮がちなファイナル。
対する妖夢は…
大はしゃぎである。
ファイナル「…妖夢ってあんなにはしゃぐんだな」
エンド「ね。」
ファイナル「さて…式も終わっちまったし…どうするかだな」
エンド「兄さん、祝詞奏上の儀(のりとそうじょうのぎ)の時噛んだでしょ」
ファイナル「妖夢も噛んだからどっこいどっこいだろ」
エンド「そうだけどさ。兄さんが失敗するのって新鮮でね」
ファイナル「お前…」
妖夢「ファイナル！写真撮ろ！」
ファイナル「俺は写真が苦手…」
妖夢「ほら、いいからさ！」
エンド「あー…行っちゃった」
文「いいですねぇ！もっと笑ってください！」
…カメラのシャッターどんだけ切るんだお前。
この時に撮った写真で号外が出たのは言うまでもない…

妖夢「お疲れ様。どうだった？」
ファイナル「疲れた。あと凄い違和感があった」
と言ってスーツから眼帯を取り出す。
妖夢「そっちもカッコイイよ」
ファイナル「あーやめろやめろ。俺はこっちが落ち着くんだ。傷も隠せるしな。」
妖夢「そう？私はいいと思うけど」
ファイナル「俺が許さん」
妖夢「…むぅ。自分に厳しいんじゃない？」
ファイナル「かもしれんな。」
妖夢「絶対そうだよ！」
ファイナル「そうかぁ？」
…凛々しい顔だ。
─キスしたいくらいに。
ファイナル「ん！？」
妖夢「…えへへ」
ファイナル「…あのな」
怒られるかな？
ファイナル「場所と時間を考えろ。な」
─え、それって。
ファイナル「ほら、着替えるぞ。」
妖夢「場所と時間さえ守れば…いいって事？」
戸惑いながらそんなことを口走る。
左手の薬指に嵌められたダブルリングの結婚指輪。
…たしか、ファイナルの手作りだったよね。
妖夢「…器用だなぁ。」
さて、着替えなきゃ。
これからは「恋人」じゃなくて…
「夫婦」なんだから！

妖夢「待った？」
ファイナル「待ってない。行くぞ」
これから─
長い人生が始まる。