真っ白世界!

文字数 4,734文字

幻想郷に雪が降った。
今日はみんなで遊ぶことにしよう。

妖奈「えーい!」

妖羅「わぶっ…この!」

妖奈「わー!」

ファイナル「…」

雪合戦。
相変わらず元気なものだ。
無邪気で…

ファイナル「ぶ…っ…」

エンド「くっ…くくくく……w」

ファイナル「…お前か」

エンド「考えふけってたから頭冷やしてあげようかと…w」

ファイナル「…余計なお世話だ!」

適当に雪をぶん投げる。

エンド「うあぁ!?冷たあっ!?

クリーンヒットしたわ。

イゼ「うわ…wエンド兄様ざっこw」

エンド「ちょお!?

イゼ「ひひ…♪ 兄様〜」

ファイナル「…ん?」

イゼ「それっ」

あ、避けられた。

ファイナル「…っぶね」

イゼ「流石〜♪エンド兄様〜!」

エンド「んあ?」

イゼ「えい」

エンド「ぶはぁっ!?

イゼ「そういうとこ鈍いよね〜」

エンド「悪かったね!」

ファイナル「…黒いコートが白くなってるな」

エンド「なんで俺だけ…!」

サクラ「ファイナルさ〜ん!うあっ!?

ファイナル「ん? なっ…」

振り向いたら目の前に雪の壁が…

イゼ「………やっちゃったね、サクラ」

サクラ「あわ、あわわ…ご、ごめんなさい!」

ファイナル「…」

妖奈「あははは!みてみてお兄ちゃん!お父さんが真っ白になってる!」

妖羅「え?…えぇ!?

ファイナル「…雪だるまかよ。」

イゼ「ん〜〜っく…www」

ファイナル「ツボにはまったろお前」

イゼ「まーって…喋らにゃいで…w…ホントに…w」

レイル「…ものすごい勢いでハマってますよこれ」

ファイナル「横腹痛くなるまで笑うだろうな」

マイン「…馬鹿らし…」

フィル「マイン!これ見ろよ!」

身長程ある雪玉を転がしてきた。

マイン「…でかい雪玉だね」

フィル「だろ!」

マイン「で?それどうするの?」

フィル「…どうしようかな!」

マイン「もしかして君は馬鹿か?」

フィル「失礼な!あ、雪だるま作るか!」

マイン「…とんでもない大きさになるよ?」

少なく見積ってもフィルの身長の半分…

フィル「それでもやってやるぜ!」

終わらないぞ…フィル

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

レグルス「………」

ロッキー「…あ〜…うめぇ。」

レグルス「暖かいですね」

ロッキー「あいつらみたいに若くはないからな。」

レグルス「そうですね。妖夢さんはよろしいのですか?」

妖夢「子供たちはファイナルに任せれば良いですし?」

ロッキー「わり。妖夢、もう一杯くれ」

妖夢「はーい」

暖かいお茶。
あとはみかんがありゃ完璧だな。

ロッキー「…フィルはなにしてんだ?あんなでっけえ雪玉ふたつも作りやがって…」

妖夢「さあ…?」

レグルス「雪だるまでもお作りになるのでは?」

ロッキー「…ま、見てれば分かるか」

〜〜〜〜

フィル「っしゃ出来た!」

マイン「早いんだよ。」

フィル「ちょっと手伝ってよ」

マイン「なんで僕が…」

フィル「上に乗せるだけだろ〜?」

マイン「まったく…」

フィル「せーの!」

上手く乗った。
…改めて見ても大きい。
それしか出てこない。
フィルはやけに達成感のある顔をしてる。
僕はただただ呆れた顔になっている。

マイン「…やっぱ馬鹿でしょ」

フィル「ちーがーうー!」

〜〜〜〜

ロッキー「くくく…やっぱガキだな」

レグルス「大きいものですねぇ…」

妖夢「…あれ?いつの間にそんなちっちゃいもの作ってたんですか?」

ロッキー「あ?」

レグルスの手の上には小さな雪だるまが乗っている。

レグルス「まあ、適当にくっつけて形を整えるだけですし」

作った雪だるまをそばにおいて雪を掴む。

レグルス「もうひとつあってもいいんですが…ひとつでもできます」

ロッキー「んな雑な…」

レグルス「まあ、見ててくださいよ。」

妙に慣れた手つきで形を整えていく。
あっという間に可愛らしい雪だるまが出来上がった。

妖夢「はやい…」

ロッキー「さては昔やってたな?」

レグルス「ええ。ファイナル様が小さな頃に。雪がみたいと仰ったので」

ロッキー「ほーう。」

レグルス「よく作っていましたよ。」

ロッキー「だからあんな慣れてたんだな」

レグルス「ええ。」

キルア「ふあ〜っ…」

ロッキー「ん、遅いぞ。」

キルア「ごめんなさい…夜更かししてて」

ロッキー「…夜更かしだぁ?」

キルア「本を読んでいたんですよぅ…それで気付いたら凄く遅い時間になってしまってて…」

レグルス「ふむ。よくありますね」

キルア「そうですよね!レグルスさんならわかってくれますよね!」

レグルス「次から対策に時計を置いておくと良いですよ。それでも忘れてしまうようならスマホを活用しましょう」

キルア「スマホ…あまり使ってないです」

レグルス「好きな時間にアラームをセットできます。あまり大きすぎると迷惑ですので振動だけにしておく、などの対策も忘れずに」

キルア「はい!」

ロッキー「…いつからスマホ講座になった。」

妖夢「…以外と適応能力高いですよね、レグルスさんって…」

レグルス「それほどでも。」

他愛もない会話もたまにはいい。

〜〜〜〜〜〜〜

楽しい時間は終わり。
帰って来てからはゆったりと……

エンド「うあぁ…さみぃ…」

サクラ「雪玉めちゃくちゃ当たってましたもんね…」

ファイナル「…馬鹿だろ」

エンド「ち、違うんだって…妖羅達と遊んでたらめっちゃ投げられてさ…?」

主犯あいつらか。

ファイナル「まぁ、災難だったな」

エンド「ま、慣れたもんだしね〜。今更気にしないよ」

ファイナル「…そうか。」

どう反応するのが正解なんだ今の…

イゼ「ねえねえ。妖奈、妖羅」

妖羅「はい?」

妖奈「ん?」

イゼ「なにか欲しいものある?」

妖奈「ん〜…ぬいぐるみ!」

妖羅「そうだな…中が見えない入れ物が欲しいかな…」

イゼ「へ〜」

用途が気になるけどそれまで聞くのは無粋だね。

妖羅「でもなんで?」

イゼ「な〜んにも?」

妖羅「そうですか…」

イゼ「ふんふんふーん♪」

…行っちゃった。
急になんだろう?

ファイナル「…」

妖奈「お父さんっ!」

ファイナル「ん?」

妖奈「むふふー!」

ファイナル「うお…」

結構強く抱きしめられる。
苦しくはないが…
…一旦座ろうか。

ファイナル「…妖羅、お前もこい」

妖羅「あ、いや…俺はいいよ」

ファイナル「お前のことだ。恥ずかしくて素直に甘えられないんだろ」

…見抜かれてる…

ファイナル「どうせ今この部屋俺らしかいないんだよ。来い」

妖羅「あれでもエンドさん達…」

ファイナル「ついさっき出ていったぞ。何も言わずにな」

妖羅「えぇ…じゃあ…っしょっと」

寄り添う。
そしたら頭に手を置かれた。
…落ち着く。

妖奈「むふぅ…♪」

妖羅「……ん…」

眠くなってきた…
父さんに身体を預けてみる。
ゆっくりと撫でてくれる。
自然と眠くなって…

妖羅「……とう…さん…」

ファイナル「おやすみ。しばらく休め」

妖羅「…うん」

ファイナル「…妖奈も寝るか?」

妖奈「…うゆ…?」

ファイナル「…おやすみ」

妖奈「〜」

ファイナル「…」

もう動けない。
諦めて眠ることにするか…

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

エンド「…ん、寝てる」

サクラ「親子で寝てますね」

エンド「いいことじゃないか」

ファイナル「……?」

エンド「あ、ほら起きちゃった」

ファイナル「…今、何時だ」

エンド「6時」

ファイナル「…起こすか」

サクラ「起こしちゃうんですか?」

ファイナル「今夜のパーティはこいつらが1番楽しみにしてるからな」

エンド「パーティ…しまった忘れてた」

ファイナル「…」

身体を揺らしてみる。

妖羅「ん…」

妖奈「ぅん……?」

ファイナル「そろそろパーティだぞ」

妖奈「!」

妖羅「ん…わかった…」

エンド「…見た?サクラ」

サクラ「はい、バッチリ見ました」

妖奈「ふぇっ?」

サクラ「ファイナルさんからパーティって聞いた瞬間目の色変わりましたよね〜♪」

エンド「変わったねぇ」

妖奈「そ、それは…!」

エンド「へへ、いいのいいの。楽しみだったんだよね?」

妖奈「…うん」

エンド「じゃあ今夜は思いっきり楽しまなきゃね!」

サクラ「はい!」

妖奈「うん!」

3人が意気揚々と歩いていく。

ファイナル「ほら、行っちまったぞ」

妖羅「…」

ファイナル「…妖羅?」

妖羅「うあっ!?な、なに?」

ファイナル「大丈夫か?」

妖羅「え?あ、うん…寝起きでぼけーっとしてた」

ファイナル「寝起きは苦手か?」

妖羅「朝はいいけど…昼寝するとどうしてもね」

ファイナル「…俺と同じか」

妖羅「はは…じゃあ遺伝したのかもね」

ファイナル「かもな」

妖羅「…よし、俺らも行こう、父さん。」

ファイナル「ああ」

〜〜〜〜〜〜〜〜

イゼ「いらっしゃ〜い♪」

豪華な食事だな。
ほとんど幽々子様に食われるのだろうか。
まあいい。

ファイナル「お疲れ様、妖夢」

妖夢「えっへん!」

ファイナル「手伝えたら良かったんだが…」

妖夢「大丈夫だったよ。イゼさんが手伝ってくれたし」

イゼ「そうだよ〜」

ファイナル「…お前菓子くらいしか作れないはずじゃ?」

イゼ「人に教えて貰えば私でもできるもん。」

ファイナル「…すまん。みくびってた」

イゼ「でしょ〜♪」

ファイナル「ところでキルア様は?」

キルア「ここにいますよ〜」

ロッキー「んじゃそろそろ初めっか」

幽々子「そうね」

フィル「うおっ…いつの間に…」

幽々子「あら?いつもの事でしょう?」

マイン「…ほら、食べるなら早く食べようよ。」

幽々子「そうね〜♪ いただきます♪」

各々が食べたいものを持っていく。
バイキングのような形式だ。

ファイナル「…ん。美味い」

イゼ「でしょでしょ〜?」

エンド「んぐんぐ…」

イゼ「エンド兄様は〜?美味しい?」

エンド「美味しいよ〜」

イゼ「わぁい♪」

サクラ「ん〜♪どれも美味しいですね〜!♪」

幽々子「幸せだわ〜♪」

マイン「………」

フィル「…ん?どうした?」

マイン「な、なぁ…サクラってあんな食べるっけ?」

フィル「へ?うわっ!?

サクラ「んにゅ?どうしました?」

マイン「幽々子といい勝負してないか?」

サクラ「そんなぁ。私これだけでおなかいっぱいですよ。ただちまちま取るのがめんどくさいんで1回で取った結果ですし?」

マイン「あ、ああ…そういう…」

フィル「なら…納得…」


ロッキー「…あぁ。やっぱ酒に限る」

レグルス「飲みすぎは厳禁ですよ?」

ロッキー「わかってるっての…」

レイル「…ぷふぅ…」

キルア「…美味しい…」

レイル「ですよね!」

ロッキー「なんだぁ?またあの炭酸飲料か?」

レイル「振らないでくださいよ?」

ロッキー「しねえしねえ。1本貰うぜ」

片手でフタを開けて喉に流し込む。

レイル「ど…どうです?」

ロッキー「悪くねえ。」

レグルス「ほう?なら私も1本…」

キルア「どうぞ」

レグルス「感謝します。んぐ…ふむ。確かに美味しいですね。なんならこの味好きですよ、私」

ロッキー「お、結構好印象じゃないか?」

レイル「はい!なんか嬉しいです!」

レグルス「レイルさん?一つ質問が」

レイル「はい?」

レグルス「どこで売ってます?」

レイル「人里の自販機ですよ〜」

レグルス「なるほど。ありがとうございます」

レイル「いえ〜」


そんなこんなであっという間に時間が消し飛んでいく。

妖奈「おやすみ〜」

エンド「はいおやすみ。」

妖羅「寝られるかな…」

イゼ「子守唄歌ってあげよっか?」

妖羅「…大丈夫。おやすみなさい」

ファイナル「いい夢を。」

妖夢「…それで、イゼさん?何を用意してるんですか?」

イゼ「にひひ…」

声を潜める。

イゼ「クリスマスプレゼント。妖奈と、妖羅のね♪」

ぬいぐるみと箱。

イゼ「それじゃ、寝静まった頃に行くね〜」


夜が深まった頃。
みんなが寝静まり、静寂が包んでいる。

イゼ「こーいう隠密は得意なんだよね。」

サクッと忍び込んで枕元にプレゼントを置く。
あとついでに寝顔も覗けてラッキー★
…よっし!
仕事おーわりっ♪



翌日。

妖奈「お父さんお父さん!見て見て!」

ファイナル「おお。可愛いじゃないか」

妖羅「…ありがとう、。」

イゼ「…えへへ〜」

エンド「メリークリスマス、ってね」

MerryX'mas.
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