その６

「いやいや！我々は、『商会』の者じゃ無いですよ！」

レイは、話を続けた。

「通りがかった、『善意の友人』とでも思って下さい！」

ジャフリカと呼ばれたエルフは、返事をしなかった。

「我々は、傭兵です。色んな方から仕事を、貰ってます…勿論『商会』から頂いたりも」

やはりジャフリカは、返事をしなかった。

「でも、『商会』の人間では無いんですよ…あくまで、あくまで『善意の話』です」

ジャフリカは、横を向いて唾を吐いた。
無視してレイは、話し続けた。

「ジャフリカさん、2ヶ月前から、入船料、未払いらしいですね！『商会』からの書状も、返事が無いとか！…いや、色々事情、有りますよね！仕方ない！でもとにかく、規定の期間過ぎてるんで商会が『強制取り立て』出来るんですよ…」