第8話

文字数 1,059文字

フ「戻ったぞ…ってあれ」
誰もいない。
フ「妖夢?妖夢ー?」
返事はない。
フ「どこいったんだ…」
フィル「義兄さん!」
フ「フィル…どうしたんだ」
フィル「早く街に来て!」
フ「落ち着け。何が起こっているのかが分からないんだ」
フィル「影が…街を壊してるんだ!」
フ「奴ら…そこまでやるのか…」
フィル「早く!」
フ「あ、ああ。」

街は悲惨だった。
黒煙が立ち上り、建物は砕け散っている。
フ「…」
言葉を失う。
フィル「俺、先に行ってるからね!」
階段を駆け下りていく。
フ「これがあいつの復讐だと…?」
拳を握る。
フ「ふざけんなよ…」
静かな、しかし激しい怒り。
影「あそこにいるぞ!撃て!」
フ「そんなもの…」
斬る。
ここから先には誰一人行かせない。
影「ぐうっ…くそぉ!」
フ「遅い!」
剣を抜く前に殺す。
影「っは…」
影「ち…!」
続けて左右に攻撃。
フ「その人数で何が出来る。」
死体は闇に消える。
階段を降りる。
城への入り口。
そこに立つ。
誰一人、通さない。

フィル「レイルさん!」
レイル「フィル…!?来たらダメだよ!」
フィル「え?うわあっ!?」
トッド「おっと…逃がしたな」
フィル「お前は確か…「ドット」!」
トッド「「トッド」だ馬鹿め!…まあいい。獲物が向こうから来てくれたのだからな」
フィル「獲物…?」
トッド「…殺してやるよ。絶対になァ!」
フィル「うっ…」
熱風が吹く。
トッド「俺を甘く見るなよ?俺ァ「ハンター」だ…」
ハンター。
人間ではある。
身体能力は別物だ。
レイル「やらなきゃ…」
トッド「殺される、ってか?」
レイル「っ!」
トッド「俺は何時でもお前の首を刺せる」
フィル「やめろ!」
トッド「おおっとっと…はァ?お前、ヒーロー気取りか?」
フィル「そんなこと…」
トッド「いいや。浮かれてンな。俺が格下だと分かってらァ。」
フィル「違うって言ってるだろ!」
斬り掛かる。
振り下ろした刃はトッドに止められる。
トッド「体は正直だよなァ?そンな攻撃じゃア俺は殺せないぜ」
弾いて斬りあげる。
フィル「っ!」
首元をすかる。
トッド「あーあ。惜しいなァ」
ふと、トッドの目つきが変わる。
トッド「終いだァ!」
フィル「っがぁっ!?」
トッド「てめぇもだ」
レイル「しまっ…」
トッド「グハハハッ!」
傷口から流れる赤い流体。
トッド「安心しろよなァ…お前達はちゃあんと『有効活用』してやるからよ」
遠のいていく意識の中、トッドの言葉が最後に聞こえた。
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