第5話

文字数 1,234文字

エキドナ、中央広場。
転移門を塞ぐように広がる影。
影「ここから出す訳にはいかん!」
ロッキー「なら無理やり通してもらうぜ」
フ「…」
構える。
しかしそれを力丸が止める。
力丸「ちっとくらい休んでろ。俺らで片付ける」
フ「力丸…」
力丸「…なに。簡単に死にはしねぇっての。ジェイ、行こうぜ」
ジェイ「っしゃ。任せろ。」
影「かかれ!」
ロッキー「来るぜ…!」
数の差は見れば分かる。
それをせき止める。
まるでダムだ。
エ「今更負けるかぁ!」
影「ええい黙れ!」
力丸「すらあっ!」
影「おごぉっ!」
時折血飛沫が上がる戦場。
血の匂いが鼻を刺激する。
レグルス「ファイナル様。」
フ「なんだ…お前は混ざらないのか」
レグルス「貴方様の執事なので。」
優しく微笑む。
フ「いつもそうだな。お前は」
レグルス「これまでも、これからも変わるつもりはありません。」
フ「…そうか。」
レグルス「ファイナル様…」
フ「…くそ…なんで…なんでこんなことに…」
父親殺し。
簡単に言えばそうなる。
違う。
俺は…この国の為に…
未来のために…
戦ったんだ…
フ「…それに、間違いはない。」
レグルス「…?」
フ「見ろ、レグルス…」
戦場へ目を向ける。
フ「かつては人の声で溢れていたこの広場が、今は血の海が広がっている。」
レグルス「…そうですね」
フ「レグルス…お前は、死が怖いか?」
レグルス「怖くないと言えば、嘘になります。」
正直に答える。
フ「当たり前だ。俺だって怖い」
レグルス「ファイナル様も、ですか?」
フ「…異形化して、

だった奴らを殺してきた。…次は自分の番かもしれない、と考えると…震えが止まらなかった。そいつらの中では…命乞いをする奴もいる。潔く殺せと言う奴もいる。本当に…

の性格だったんだ…」
レグルス「…」
フ「…忘れてくれ。何も言うな。これ以上、思い出したくない…」
レグルス「…言及するつもりはありません」
フ「すまないな…」

力丸「さって、後は…お前だけだ。」
影「な、何を言っている!まだ…立って、…」
崩れ去る。
影「…なんだ…これは…っおのれ!覚えておけ!私の名は「トッド」!貴様らを…消してやる!」
闇に消える。
力丸「トッド、か」
ジェイ「次に来ても同じだ。」
力丸「変わんねぇよ。」
フ「終わったか」
ロッキー「とっとと帰ろうぜ?」
フ「ああ。レグルス、頼む」
レグルス「は。お任せを。」
門が光る。
レグルス「どうやら壊されてはないようですね。では…転移!」

ノール「ああ、ファイナル殿!」
レグルス「失礼ですが。ファイナル様に接触するのは控えていただきますか。」
力丸「エキドナは解放した。残党兵がいるかもしれんが後はどうにもなるだろ?」
ノール「すまない…貴殿達の協力に感謝する…!」
目に涙を浮かべて手を握る。
フ「ジェイ。処理は頼む」
ジェイ「了解、隊長。」
また1つ、戦いが終わった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み