第9話

文字数 1,100文字

フ「…ん」
目線の先には2人の人影。
もう日は落ちかけている。
はっきりとは見えない。
だがそのシルエットは自分がよく知る人物だ。
フィル「にい…さ……」
逃げてくれ。
俺が悪かった。
義兄さんを傷つけたくない…
なのに身体が動いてしまう…
レイル「お願いします…どうか逃げて…」
涙が溢れてくる。
死にたくは無い。
だが、あの人を斬りたくもない。
ただ、自分の非力を、恨む。
フ「…」
彼が刀を抜く。
ああ─せめて、もう一度だけ─
─フィル、と。呼んで欲しかった。
フ「アルマゲドン」
2人の間を貫く。
「ぐはあっ…な、なぜだ…」
フ「バカが。俺をただ斬り捨てる阿呆とでも思ってたのか?いい加減にしろよ?」
トッド「グッ…」
フ「お前の企みはここで終わる─」
トッド「甘いなァ!」

を動かす。
目の前からファイナルの体が消える。
駒の刀が眼前に迫る。
トッド「馬鹿な─」
フ「…らしくない最期だな」
フィル「…」
レイル「ファイナルさん…」
フ「情をかけるなよ。無駄だ」

妖夢「あ…あれ?いない…」
お城の人に呼ばれたから行ってたんだけど…
衛兵「どうかしましたか?」
妖夢「あの…ファイナルを見ませんでしたか?」
衛兵「司令ですか?…申し訳ありません。」
妖夢「あっ…ありがとうございました…」
さて、困りました。
ここ(竜の国)の道が分からないからファイナルがいないと詰むのですが…
フ「あ、妖夢。どこいってたんだよ」
妖夢「…良゛が゛っ゛だ゛よ゛ぉ゛〜゛!!」
フ「…どした?」
こんなに泣きかけた妖夢を見るのは初めてな気がする。
フ「まいいや。妖夢。ちょっと来い」
妖夢「…へ?」

フ「…まだここは片付いてないか」
ジェイ「急に使うって…ここは最後にしようとしてたんだが…オイ力丸!」
力丸「サボってなんかねぇよヴァーカ!」
ジェイ「あ゛あ゛?゛」
フ「いいから黙って作業しろ!」
妖夢「うーん…まだ焦げ臭いね…」
フ「かろうじて部屋として機能してるが…部屋を移転するのも検討しとかないとな」
ジェイ「空室は残ってるのか?」
フ「わからん。ただ、焼け焦げた部屋の中ではまだ軽微な方だ。

な。」
力丸「俺はどっちでもいいぞ?」
フ「まだ決まった訳じゃねぇからな」
力丸「んな事わかってらぁ…そうだファイナル。」
フ「なんだ」
力丸「最近の影はどうだ?」
フ「異様に強くなってる気がする。「数よりも個々の力」では押し負けそうになる」
力丸「そうか..」
フ「まぁ、なんだ。今のところ影には負けていない」
力丸「…無理はすんなよ」
フ「してない…と思いたいな」
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み