(二)-14

文字数 359文字

 一瞬目の前が真っ暗になりそうになった。
 でも良く思い出せ。前にも合コンでここにきた。そのときも友だちの窪川

と待ち合わせしたのは同じコーヒーショップだった。確か、駅から海の方に出て、線路沿いに歩いて行ったところだった。遠くはない……、はずだ。雨は土砂降りだったが、何とか行けない距離ではない。
 雨粒が地面に当たり、跳ね返って足に当たった。冷たって思って足元をみたら、そういえば、左足は靴を履いていないんだった。
 それなら、多少濡れても同じこと! もう覚悟を決めて行くしかない! 雨なんかで負けるわけにはいかないんだから!

 豪雨の中を駆け出した。靴を履いていない左足はもちろん、右足にもすぐに水が入ってきた。足元が気持ち悪い。
 でも店の看板はすぐに見つけた。駅の建物の中にあり、入口は外についているところだ。

(続く)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み