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文字数 417文字

 デブっちょのおじさんの球審に「集合!」と呼ばれ、ホームベースをはさんで両チームが整列し、はじめの挨拶を行った。

 オレたちは、整列の仕方も解らずトロトロしていたので、何度もデブっちょのおじさんに注意された。

 のっけから今までとはちがう雰囲気に、余計に硬くなった。オレも、こっそり梅酒を飲もうかと思ったぐらいだ。

 いよいよ試合がはじまった。

 ジャンケンに負けたオレたちは、後攻。

 マウンドに上がったブーチンが、練習のボールを投げる。

 さすがにはじめての試合でもあり、表情は少し強張っているが、それでもいつもみたいにブルブル震えるようなことはない。

 ブーチンの足元が少しふらついているように見えるが、試合が始まるとそれもおさまるだろうと思った。

 ブーチンが、投球練習で投げる速球を見て、相手チームの選手たちが驚いた顔をしている。

 オレはその様子を見ながら、少々得意になった。

 後はブーチンがどれだけ落ち着いて、ストライクを投げられるかだ。

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